施設紹介
国見キャンパスの2号館5?6階に4つの展示室があります。6階には、大型ステージを有する2室があり、芹沢の自宅応接間を再現したコーナーが併設されています。5階の2室には、少人数授業や学修に対応したスペースが設けられ、大学施設ならではの特徴的な展示空間になっています。キャンパスが仙台の街を一望する高台に立地しているため、館内から四季折々の街並みを眺望できることも魅力のひとつです。
内装デザイン
内装を担当したのは、生前の芹沢と展示構成や店舗設計の仕事を共にした秋山正氏(株式会社三日月)です。ロビーは開放的な吹き抜け構造で、壁面にはインドの白砂岩がつかわれています。砂岩は、一枚一枚風合いの異なる割り肌仕上げで、その美しい陰影が、館内に清らかで落ち着いた雰囲気を演出しています。エレベーターの扉には、芹沢の模様が意匠として採用され、1階は立木文様、5階は波文様、6階はモザイク文様がデザインされています。
ステンドグラス
デザイン構成を秋山正氏が担当し、ステンドグラス作家の松田日出雄氏が制作しました。モチーフには、芹沢最晩年のステンドグラス図案となった、インド?クシナガラ釈迦本堂の「炎」と「蓮」が選ばれました。周囲には縄文様や山並文様が配置され、この部分には、独特のガラスの質感が美しい「ダル?ド?ヴェール」*の技法が使われています。
*厚板ガラスを用いて、セメントや砂入り樹脂で流し固める技法。ガラスを砕いてハツリ(斫り)を入れると、ガラスに波紋のような質感があらわれる。
芹沢銈介の応接間(再現)
東京?蒲田の自邸内にあった応接間を再現し、定期的に展示替えをしています。芹沢宅には、宮城県石越町(現登米市)から移築した板倉があり、応接間兼仕事場として使用されていました。室内には、芹沢が収集した家具や木工品、敷物、陶磁器、玩具などが並べられ、来客がある前夜には、客人の好みに合わせて模様替えをしたそうです。
ロゴデザイン
館名ロゴは染色家?柚木沙弥郎氏(1922-2024)によるデザインで、玄関の館名石碑にもこのロゴが刻まれています。芹沢銈介に師事した柚木氏は、染色のみならず、版画や絵本、グラフィックデザインなど多方面で活躍されました。