認定心理士ほか心理学関連の資格
福祉心理学科を卒業することで得られる任用資格については4節でご確認ください。ここでは、心理学関連の学会認定資格(認定心理士、福祉心理士)や、その他心理学関連の資格や職業についてご説明します。
1 認定心理士
認定心理士は、日本心理学会が「心理学の専門家として仕事をするために必要な、最小限の標準的基礎学力と技能を修得している」と認定した方に与える資格です。心理学全般について基礎的な学習をしているという社会的な認知を得ることが可能です。
認定心理士に関する科目(科目名太字は本学福祉心理学科卒業のための必修科目)
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科目 | 領域 | 本学の科目名 | 科目単位 | 本学での履修方法(総計36単位以上修得) |
---|---|---|---|---|
基礎科目 | a 心理学概論 | 心理学概論 | 4 | 12単位必修 |
b 心理学研究法 | 心理学研究法I | 2 | ||
心理学研究法II | 2 | |||
b 心理学実験?実習 | 心理学実験I | 2 | ||
心理学実験II | 2 | |||
選択科目 | d 知覚心理学?学習心理学 | 学習心理学 | 2 | d,f,g,hの4領域中3領域が各4単位以上で、かつ、4領域の小計が24単位以上修得のこと (単位以上を満たします。d,hの領域のいずれかで4単位以上になるような単位修得が必要になります) ※a〜iの総計36単位以上修得のこと。 |
認知心理学 | 4 | |||
e 生理心理学?比較心理学 | - | - | ||
f 教育心理学?発達心理学 | 生涯発達心理学 | 4 | ||
教育心理学 | 2 | |||
児童青年心理学 | 4 | |||
老年心理学 | 4 | |||
障害児の心理(注1) | 4 | |||
g 臨床心理学?人格心理学 | 臨床心理学 | 4 | ||
人格心理学 | 4 | |||
心理アセスメント | 2 | |||
心理療法 | 4 | |||
犯罪非行心理学 | 2 | |||
精神保健学 | (2)※ | |||
カウンセリングI | 1 | |||
カウンセリングII | 1 | |||
カウンセリング演習I | 1 | |||
カウンセリング演習II | 1 | |||
福祉心理学 | 2 | |||
h 社会心理学?産業心理学 | 環境心理学(注1) | 2 | ||
社会心理学 | 2 | |||
家族心理学 | 2 | |||
産業心理学 | 2 | |||
人間関係論 | 1 | |||
その他 | i 心理学関連科目?卒業論文 | 卒業研究 | (4)※ | 必修ではない |
※本学では「卒業研究」は8単位ですが、認定心理士認定委員会では4単位と認定するため、4単位と表記していま
す。「精神保健学」も本学では4単位ですが、認定心理士の申請には2単位分のみ認められます。
(注1)2018年度まで開講
認定心理士の資格は、前ページの表の条件を満たして36単位以上単位修得し、福祉心理学科または社会福祉学科を卒業後に、(社団法人)日本心理学会認定心理士資格認定委員会に申請することで取得できます(ただし大学既卒の方は本学通信教育部の卒業は不要です)。
社会福祉学科で取得する場合は「心理学実験I?II」「心理学研究法I?II」をはじめ卒業要件に含めることのできない科目の履修も必要になります。
認定心理士の申請について
資格の申請は卒業後に各自で日本心理学会 (電話03-3814-3953 http://www.psych.or.jp/) へ行っていただきます。上記「認定心理士資格に関する科目」表を満たす履修者は、問題なく認定されています。「認定心理士資格申請の手引き」をはじめ日本心理学会のホームページ http://www.psych.or.jp/ を参考にしてください。
1) 申請書類の申込
「認定心理士資格申請の手引き」をはじめ認定申請書類一式は、日本心理学会のホームページより無料でダウンロードすることができます。「新基準」のものをご用意ください。
申請書類一式の郵送を希望する方は、郵便局より下記の専用口座へ1,500円を振り込んでください(住所?氏名?認定心理士申請書類希望の旨明記)。
郵便振替口座 00180-4-543408
加入者名 社団法人日本心理学会認定委員会
振込が確認されると、「書類一式」と「申請の手引き」が送付されます。
2) 申請方法
申請方法は、「申請の手引き」にくわしく書かれています。
下記のものは、本学に証明書の申込みがあれば発行します。94円切手を貼り返信先住所を書いた返信用封筒を同封してください。
(1) 心理学関係科目修得単位表 (発行手数料1通500円)
通信教育部で修得した科目は、修得科目名?科目の内容などを通信教育部で記載して返送します。「心理学関係科目修3得単位表」を申し込んだ方には「様式4基礎科目c領域実験?実習課題リスト」も通章5信教育部で作成してお送りします。
他大学や本学通学課程で修得した単位と合わせて申請する方は、他大学や本学通学課程で修得した科目が17単位以下の場合のみ記載捺印します。
(2) 単位修得成績証明書 (発行手数料1通300円)
(3) 卒業証明書 (発行手数料1通300円)
卒業証書のコピーでも可です。
また、a〜c領域の科目(「心理学概論」「心理学研究法I?II」「心理学実験I?II」)のシラバス(=『レポート課題集』)のコピーの提出が求められます。こちらは、通信教育部ホームページ「卒業生の方へ」から、心理学関係科目修得単位表に記載の教員名のシラバスをダウンロードしていただくか、単位修得年度の『レポート課題集』を保管してください。大学からのシラバスのコピー郵送は1回につき500円が必要になります。
その他必要な書類がありますが、「申請の手引き」でご確認ください。なお、日本心理学会への費用は、2017年3月現在、審査料10,000円?認定料30,000円です。
なお、2017年度現在「心理調査に関連する専門科目を履修した認定心理士」であると日本心理学会が認定する資格である「認定心理士(心理調査)」については、通信教育部のカリキュラムでは対応していません。
2 福祉心理士
福祉心理士とは、日本福祉心理学会が「福祉サービスを利用する人のアセスメントを行ったり、サービス利用者やその家族、そして、そこで働く職員の福祉心理相談?支援を行ったりするうえで専門家として求められる基礎学力と技能を修得している」と認定した方のことです。認定の際、日本福祉心理学会審査料20,000円、認定料10,000円も必要です。また、日本福祉心理学会員となり5年ごとに資格更新のための審査を受ける必要があります。将来的に、取得の際、筆記試験が実施される予定ですが、2017年3月現在は筆記試験なく取得が可能です。
本学で取得する際は、一般的には下記A類型で指定科目を履修する方法が一般的ですが、社会福祉施設等での実務経験を3年以上有している場合はB類型での取得も可能です。
【A類型】
本学で下表に定めた指定科目を記載の履修方法に従って合計32単位以上を修得し、卒業(社会福祉学科でも福祉心理学科でも可)した方。ただし、指定科目の一部が未履修の場合、科目等履修生としての単位修得も可です。
【B類型】
申請時において、すでに社会福祉施設等での実務経験を3年以上有しており、大学(または日本福祉心理学会が開催する研修会)で、①「心理学」、②「福祉心理学」もしくは「臨床心理学」、③「社会福祉学」、④「心理査定法」、⑤「カウンセリング(心理相談)」もしくは「心理療法」、⑥「発達心理」もしくは「児童心理」もしくは「障害者の心理」もしくは「高齢者の心理」、⑦「社会福祉援助技術」の必修指定科目7科目について各2単位以上を修得した方。
福祉心理士に関する科目(科目名太字は本学福祉心理学科卒業のための必修科目)
横にスクロールすると全体が表示されます。
領域 | 日本福祉心理学会での指定科目名 | 本学の科目名 | 科目単位 | 本学での履修方法(合計32単位以上履修) |
---|---|---|---|---|
基礎科目 | 心理学 | 心理学概論 | 4 | 2科目合計6単位以上を単位修得のこと |
福祉心理学 | 福祉心理学 | 2 | ||
社会福祉学 | 社会福祉原論 | 4 | ||
関係科目心理学 | 臨床心理学 | 臨床心理学 | 4 | 4科目以上履修し、合計12単位以上を単位修得のこと |
心理査定法 | 心理アセスメント | 2 | ||
カウンセリング (心理相談) | カウンセリングI | 1 | ||
カウンセリングII | 1 | |||
心理療法 | 心理療法 | 4 | ||
関係科目心理学 | 発達心理 | 生涯発達心理学 | 4 | (注1)2018年度まで開講 |
児童心理 | 児童青年心理学 | 4 | ||
障害者の心理 | 障害者の心理 (注1) | 4 | ||
高齢者の心理 | 老年心理学 | 4 | ||
社会福祉学関係科目 | 相談援助(社会福祉援助技術)もしくは精神保健福祉援助技術 | 精神保健福祉援助技術総論I | 2 | 「相談援助もしくは精神保健福祉援助技術」から2単位以上を含み、合計12単位以上を単位修得のこと |
社会福祉援助技術総論 | 2 | |||
精神保健福祉の理論 | 2 | |||
精神保健福祉のサービス | 2 | |||
精神保健福祉援助技術各論 | 2 | |||
児童?家庭福祉論 | 4 | |||
高齢者福祉論 | 2 | |||
障害者福祉論 | 4 | |||
知的障害者福祉論 | 2 | |||
社会福祉援助技術論A | 2 | |||
社会福祉援助技術論B | 2 | |||
医療?保険関係科目 | 精神医学 | 精神医学 | 4 | 履修する必要はありませんが、履修した場合下記参照。 |
リハビリテーション学 | リハビリテーション論 | 2 | ||
精神保健学 | 精神保健学 | 4 |
※心理学関係科目のうち2科目4単位、および社会福祉関係科目のうち2科目4単位の計4科目8単位については、医療?保健関係科目(精神医学、リハビリテーション論、精神保健学)をもって代替できる。
その他心理学関連の資格と職業
臨床心理士
臨床心理士とは、臨床心理学など心理学の知識や諸技法を生かして、心の問題にかかわる「こころの専門家」のことです。仕事の内容には、主に、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心的地域援助、およびそれらの研究調査等があります。
臨床心理士の資格は、指定大学院修士課程において「臨床心理学」を専攻した後、「臨床心理士資格認定協会」の資格審査に合格すれば得られます。本学通学課程の「大学院修士課程福祉心理学専攻臨床心理学分野」は、資格認定協会から指定された第1種指定校ですので、修了すれば受験資格が得られます。
公認心理士
2015年秋に、心理職の国家資格である「公認心理師」法が成立しましたが、2017年3月現在、通信教育部での対応方針は未定です。
心理学関連の職業
福祉心理学科では、社会の現場で、心理実践力を身につけ心理学を生かした仕事をする人材の育成を目指しています。そのため、保健医療?福祉?教育界などで心理学の専門的知識?技術をもった職員として、また、産業界で人事?教育?広告?調査?マーケティング?販売などに携わる職員として、その他地域のボランティア活動や家庭で、心理学を学び心理実践力を身につけた方の活躍が期待されています。
そのなかで、心理学を直接生かせる職種で、「心理判定員任用資格」の箇所(別ページ参照)で記載した職種以外では、下記のようなものがあります。
- 少年鑑別所?少年院などの法務教官、法務技官(心理)、地方更生保護委員会や保護観察所の保護観察官=いずれも法務省専門職員(人間科学)採用試験合格が必要
- 家庭裁判所調査官=家庭裁判所調査官補採用試験合格が必要
- 国家公務員?地方公務員「心理職」
- スクールカウンセラー
- 病院?施設?企業?相談所のカウンセラー、メンタルヘルス支援者?被災者支援?犯罪被害者支援などを行う団体の職員