*With TOP > VOL.06 DECEMBER 2002 > 
* * * * * *

【お知らせ】

10月生入学式が行われました

 11月24日(日),東北福祉大学国見キャンパスに新入生64名を迎えて,入学式が行われました。式は「マルチメディア教室」で行われ,大学院総合福祉学研究科長の佐藤俊昭先生から大学で学ぶことの意義や諸注意をご講話いただきました。式の最後に,当日最も遠方の大阪府から来られた佐竹真由美さんに10月生を代表して宣誓の言葉を述べていただき,4月生の代表として荒海忠彦さんから心のこもった歓迎の言葉をいただきました。その後,レポート学習会に移り,3教室に分かれて軽食をとりながら,先生や新入生の方々同士および4月生で参加いただいた8名の方と懇親を深める場をもちました。また,ガイダンスや個別相談も,熱心に聞き入る学生の方々の熱気が感じられるものでした。

■入学式における佐藤俊昭先生の歓迎の言葉

 大学で学ぶことは「教科書や先生の言った内容を正確に覚えること」とは思わないでください。教科書の内容を,自分のこれまでの経験や仕事上の体験と照らし合わせて学び取っていただくことが大切です。通信教育で学ぶ方々は,人生経験も豊かで仕事や生活を通じての問題意識をもっておられ,生きたレポートを送ってきてくださる方も多いようです。レポートの視点にしても,読まれている文献にしても,高校からすぐに来た通学課程の学生よりも幅が広く深いものを感じます。レポートの添削やスクーリングでの講義から通信の学生とはいい関係でやりとりができ,『With』4号で書きましたように通信教育部ができて「大学が大学らしくなった」——本当にそんな気がしています。
 しかし,大学院の演習や修士論文指導の経験からは手紙や電子メールのやりとりでは,痒いところに手が届く指導ができるのかにやや不安が残っています。細かいやりとりの部分で言いたいことが伝わっているのかわからない部分がありますが,通信教育でも大学教育の質が下がることのないように留意していきたいと思います。
 また,心理学のレポートを添削していますと,ご自分の専門や体験?主観があまりに表に出すぎて,心理学固有の考え方を受け取ってもらえていないところも見受けられます。その学問のもつものの見方を,教科書やスクーリングでの先生の講義からつかみとっていただくことも必要です。そのためには,ご自身の体験や一般に流布している心理学の知識をいったん棚にあげていただく必要があるかもしれません。
 現在のように,社会や学問が曲がり角にさしかかっているときには,医学と心理学とか,工学と心理学などのように,専門を2つもつ人,2本の柱をもっている人が新しいものを生み出す力を発揮し,世の中の閉塞感を打ち破っていくようです。皆様も通信教育部での経験や出会いを大切にされ,中途挫折が多いという通信教育の常識をひっくりかえして是非最後まで継続していただき,大学卒業などの目的を達成してください。
 皆様のご入学を全学をあげて心より歓迎いたします。

■レポート学習会?交流会——社会福祉学関連科目

 「福祉思想論」をご担当いただいている三浦俊二先生から,自己紹介をかねて,ご自身の学問的な遍歴をお話しいただきました。大学で「農村社会学?地域社会学」を専攻していたときに出会った二宮尊徳が,中国思想を取り入れながら独自の実践的な体系を形作っていった過程が福祉思想に通じるところがある(くわしくは【学習サポート】の三浦先生のMESSAGEを参照してください),社会福祉も,これまで技術偏重で来たが,思想?哲学をもって取り組むことも大切ではないか。実習に出て何かができるようになることも必要だが,思想?哲学とは簡単に言えば生き方?考え方のことであり,そのことまで考えながら実践に取り組むことも大事,本学の建学の精神の「行学一如」もそのことを言っている,ということをご講義いただきました。
 その後レポートの書き方として,丸写しはダメだが教科書に書かれていることを「引用」することは大切,そうしないと自分の考え方や経験則だけでは独断に陥ってしまうことも多い,ただし,引用する場合は「  」でその部分を囲んで,そのあとに(注1)とし,レポートの最後に著者名,書名,発行年,ページなどを記す約束事がある,などのアドバイスをいただきました。
 とくに,「福祉思想論」のレポートとしては,「どうしてその章を選んだのかの理由づけ」や「自分の意見」が書かれているものはよい評価をしていますが,主観だけではなく客観的にものを見るという姿勢も忘れないでください,それからあまり横道にそれてしまうと言いたいことが伝わらないものになります,との話しもありました。
 また,資格を目指される方は,社会福祉士の「受験資格」を得ることが目標ではなく,国家試験に合格して,仕事を通じてその資格をいかすことまで考えながら,学習していってくださいという助言もありました。
 その後,昼食をとりながら,個別にご懇談いただいたり,ご質問をお受けし,最後に4月生の荒海忠彦さんから学習上のアドバイスや学生会へのお誘いをいただきました。あっという間の1時間で,時間不足の感もありましたが,今後の学習や交流の第一歩になればと願っています。

■レポート学習会?交流会——心理学関連科目 320教室の様子

 心理学関連科目のレポート学習会?交流会の部屋では,「心理学概論」「心理学実験 I 」を担当している佐藤俊昭先生からご教授いただいていた。すでに本学の通信教育部で学習している4月生にも参加いただき体験やアドバイスなど話していただく。
 先生から「まず隣の人と仲良くなりましょう」ということで隣の人に質問する時間を設け,次に向かいの人に隣の人を紹介していき徐々に知り合いを増やしていった。その“仲良しゲーム”は,見事に花を咲かせ,和やかな雰囲気のなか昼食をとった。昼食をとりながら,教科書?レポートについての質疑応答が始まった。
○教科書の読み方について
?教科書の一番初めから読もうとするのは無理。特に本の最初はつまらないので,挫折することは目に見えている。例えば,目次を見て自分の興味のあるところや面白そうだと思ったところから読んでみるのがいい。
?科目の課題(レポート課題集に記載)を読み,それに関連する箇所を読んでいく。課題で使われている単語をキーワードとし,目次や索引などで探していくことも1つの方法。
○心理学実験 I について
?4月生から,“案ずるより産むがやすし”という言葉が出ていた。夏期スクーリングでの体験を踏まえての言葉だ。「実験の内容は難しいものではないし,先生が非常によく説明してくれた。その上,通学課程の福祉心理学科の学生がサポートしてくれる。ただし,その後のレポート作成の方が大変であるが,書けないことはない」ということだった。
○レポートの書き方について
?テキストを読み進めていくうちにいろいろなことを考えてしまい,何を書いたらいいのかわからなくなってくる。その場合,この課題に対して何を書きたいのかを頭の中で考えを詰めていく。一度書いてみてそれを読み返し,削ったり加えたりしてみることも大切だ。そうやって書き直していくと,3回目くらいで自分の書きたいことが簡潔に書け,迫力のあるレポートとなる。
?あれもこれも書こうと欲張らないで,できるだけ簡潔に書くこと。
?4月生からは,社会人として経験したことがレポートに生かしていくことができると実感しているという話があった。確かに経験談のみに終始するとレポートにならないが,様々な理論等に対して自分の意見や考え方を求める課題もあり,より深みのあるレポートが書ける。
?さらに,4月生からとにかくレポートを書いて提出することが第一であるというアドバイスがあった。どんな評価であろうと,自分で書いたレポートが添削されているので,コメントや講評を読むことで大変勉強になる。まずは“出す”こと。それが合格への一番の早道ということであった。

 通信教育では,自宅学習が中心となるため,学習につまずき不安になることが多い。そのため,学習がストップしてしまうことが常だ。そんな時は,実験での4月生からのアドバイスを思い出してほしい。“案ずるより産むがやすし”考え込む前にまずやってみよう!
 そんなふうに心理学関連の学習会?交流会が終了し,知り合ったばかりの学友と笑顔でうなずき合いながら,これからの学習に意欲を燃やしていた。

■レポート学習会?交流会——共通基礎科目 の様子

 共通基礎科目のレポート学習会の参加人数は,10月生も3名参加。4月生として,社会教育学科の中澤八榮さん,科目等履修生の菅原一夫さんに出席していただきました。
 最初,菅原さんから現在のレポートに関する悩みや提出状況などをお話しいただき,次に共通基礎科目の担当である生田目先生からレポートを書く上での教科書の読み方?書き方のポイントや裏技までわかりやすいお話がありました。
 主な内容としては,
?レポートを書く上で一番大切なことは(『With 04』の【学習サポート】[現代社会を見る眼]でもあげていますが)(1)設問に答えているか,(2)筋が通っているか,(3)結論?主張がしっかりしているかということです。
?レポートが書けない人は,レポートの回答が課題からそれないように,まず教科書の必要な部分をまとめてみることが大事である。
?参考文献はあまり手を出し過ぎないようにすること。
?設問にそっているという上で自分の経験?体験などからの考えを書くとよい。
ということでした。
 その後は軽食をはさみながら,10月生の学生から一人ずつ現在レポートに関して不安に感じていることなどを生田目先生にぶつけてもらい,幾分かは不安を取り除くことができたのかと思います。
 1時間という限られた時間ということもあり,あっという間のレポート学習会でした。最後に中澤さんから「わたしも10月生に負けないようにレポートをやっていきたい。お互いがんばりましょう。」という励ましの言葉で会は終了しました。

1つ前のページへ*このページの先頭へ

*
*
(C) Copyright 2002 Tohoku Fukushi University. all rights reserved.
*