【現場から現場へ】
[OB MESSAGE] 社会福祉援助技術実習
卒業できたことの喜び?在学生のために?
通信教育部社会福祉学科卒業生 田口 陽三
はじめに
平成の大合併により,町から市になったことで私の職場にも福祉事務所が設置され,その後福祉事務所配属になり,年齢も50代半ばで仕事との両立に自信はなかったのですが,福祉関係の学問?知識を修得し,仕事に役立てたいと4年前の4月に社会福祉学科に3年次編入学しました。
仲間に励まされ
思ったとおり,職場では,初めて聞く生活保護法?障害者自立支援法の専門用語や業務に追われ,学習の余裕はありませんでした。それでもスクーリングにはオンデマンドも含めすべて受講しました。先生方からの直接講義は,聞いたこともないカタカナ福祉用語が機関銃のように放たれ,覚えることに必死でした。スクーリング試験の前日には,常に午前様勉強したのが懐かしく思い出されます。仕事との両立は厳しく,2年間で取得した単位は僅か2単位でした。3年目になってレポートも書けない状態だったので,学習を続けようか迷い在学生仲間に相談したところ飲み会に誘われ,そこで2人から言われたことが「レポートは易しい課題から取りかかり,再提出を恐れず提出すること。少しの期間自分に厳しく集中して机に向かうこと。」など勉強方法をアドバイスされました。それから半年間,平日は2時間以上,土?日は缶詰状態でレポートに取り組みました。この間に提出期限のレポートを出し終え,最後の合格レポートが返ってきた時は,アドバイスをしてくれた素敵な飲み仲間に感謝でいっぱいでした。
実習にて
いよいよ現場実習が始まり,勤務先である福祉事務所内の業務をしっかり把握したく,上司?関係職員の協力を得て実習を許可していただきました。実習指導者をはじめ各実習担当職員との関係が形成されやすく,実習日数が進むにつれ現場実習でのことが,フィードバックして再確認の機会となり,更にステップアップしたと思っています。余裕はありませんでしたが,集中して行ったことで,福祉六法全般の援助方法?技術を職員の実際の姿から学び,理解を深めることができたことを実感しました。現場実習として,利用者との相談援助は少なかったものの,広い分野で実習させていただき,それぞれの分野が互いに関連し,連携することで利用者の援助がよりスムーズにできることを確信したところです。実習中にはこんなことがありました。保育園の現場見学がランチタイムと重なったので,私も保育士になったつもりで,手洗い,マスクをして,1歳児の女の子にスプーンで食事の補助を行ったのですが,その子は言葉に出せないながらも「ニコッ」と微笑んでくれました。また,特別養護老人ホームの現場見学で,入所者の居室におじゃまし,ほとんどの方が私をただ見つめているだけの中で,「こんにちは!」と声を掛けたところ,102歳のおばあちゃんが何か話したそうな笑顔と動作を見せてくれました。それが可愛らしく感じ,逆に私が心を癒されました。緊張の毎日でしたが,こういった様々な人たちとの出会いやふれあいが,毎日の実習記録を順調に仕上げる後押しになったと思っています。
実習を終えて
実習終了後は,来談者,電話相談,利用者に対して,率先して応対する日々であり,「今までは知らなかった。担当係でないと相談を受けることがなかった。」ことが,常に実践の場である福祉事務所で,気持ちを新たに業務に携わっているところです。社会福祉士を目指す気持ちが実習以前とは違い,少しずつ高まってきたのは実習指導者を始め,各実習担当職員の指導による成果であり,充実した23日間の現場実習だったと自分なりの達成感に満足しました。これからは社会福祉士国家試験の受験に向け,気持ちを切り替え再度集中し,諦めず挑戦する気持ちでいます。
卒業を迎えて
終わりに,通信教育部で学ぶみなさんは教科書や参考書で学習し,レポート提出,科目修了試験,スクーリング受講等,一つひとつ階段を上っていることでしょう。頂上に登りついた達成感はみなさんにしか味わえないと思います。どうか健康に留意され学生仲間,先生,職員の方々のお世話になりながら,辛いことも乗り越えて有意義な大学生活を送って卒業することをお祈りいたします。
先日卒業証書が届き,家族から祝福を受けました。東北福祉大学で学んだことは,自分にとっては心強い自信となりました。よき飲み仲間に救われ,よき先生にレポートアドバイスをいただき,よき職員の方々が親切に指導してくれたおかげと本当に感謝しております。4年間ありがとうございました。
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