With TOP > VOL.72 DECEMBER 2010 > 

VOL.72 DECEMBER 2010

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【1月科目修了試験のご案内】

【冬期IIIスクーリングのご案内】

【お知らせ】

【卒業者アンケートより】

【卒業者アンケートより】

実習修了者アンケート結果より

 前号の卒業生アンケートでは主に学習全般に関する内容をご紹介しました。今回は実習に関して抜粋した内容をご紹介します。

【アンケートの回答状況】
調査対象:平成22年度9月卒業生71名
回 答 数:51件(回収率71.8%)
実習修了者回答数:35
※集計は「教育実習(高等学校教諭)」+「障害児(者)教育実習」,「介護実習」+「教育実習(高等学校教諭)」の各1件(計2件)を除く33件を対象とした。

実習に関するアンケート結果

問1 実習別受講状況 N=33

問1グラフ

注:回答項目?実数?%(以下の円グラフも同様)

※「社会福祉援助技術現場実習」+「介護実習」 1名
 「社会福祉援助技術現場実習」+「精神保健福祉援助実習」 1名

問2 実習科目を履修した目的 N=46(延べ)

問2グラフ

問3 実習中に苦労したこと

1)苦労した内容(抜粋)

  • 日々の「実習記録」の記入。
  • 健康管理。実習記録を書きたい思いと睡眠を確保したいという思いのジレンマがあった。
  • 「実習記録」の一日の考察をまとめるのに時間がかかった。最初の一週目は午前1時過ぎまでかかり疲れた。
  • 1日8時間拘束されていたこと。休憩時間は利用者さんと過ごしていたためゆっくりと休んで一息つく時間があまりなかった。
  • 実習中,毎日の課題設定。
  • 2カ所実習をしたが,どちらも多くの部署について広くローテーションしていくタイプだったので,利用者さんとじっくり交流することが難しかった。
  • 精神障害者の生活障害というものについて老人保健福祉施設での勤務が長いせいか,医療的な面に視点が向いてしまい,理解することに苦しみました。
  • 日常生活自立支援事業の実際の手続きがわからなかった。
  • 専門職としての立場や用語がわからなかった。
  • 実習期間が2~3月の冬期間で,通うだけでも大変だった。実習先施設に関連する法律と施設のサービスがすぐにはつながらず,何をあたって調べたら良いのか分からず苦労した。
  • 職場の理解をなかなか得られず,実習終了後も周囲の対応に心が疲れてしまった。

2)どのように克服したか(抜粋)

  • 理解できなかったことはその都度質問した。
  • 一日を通し学びたいこと,特に大切だと思ったことは,担当者に質問して理解するよう努力した。
  • 高齢者と精神障害者を区別して考えるよう努め克服することができたように思えます。
  • ベストセラーの(柴田トヨ著)『くじけないで』,清水英雄著『何百のありがとう何千のありがとう』等の本の中から前向きの元気をいただいた。
  • 全国社会福祉協議会から生活指導員の手引きを手に入れ(日常生活自立支援事業を)学習した。
  • 今までに書いたレポートを読み返して,実習と照らし合わせて,課題を設定するようにした。
  • 『福祉六法』,インターネット上の自治体のサービスの紹介ページなどを参考にした。
  • 学んだこと,思ったこと,できごとなどをとにかくメモしておいて,早めに記録を書いて早く寝る。
  • その日は疲れて寝てしまうので,次の日早く起きて日誌を書いた。
  • 特定の利用者さんに絞って,少しでも関わりが深くなるようにした。
  • 休憩時間でも,利用者さんが見られるパンフレットや資料を見たり,読んでいるフリをして一息つき,気持ちを休めるようにした。

3)どのようにすれば苦労したことを未然に回避できたと思うか(抜粋)

  • どうしても気を張ってすごす(最初からリラックスした実習はできるわけがない)から体調管理は難しかった。リズムを極力崩さないことと,あまり張り切り過ぎない,考え込みすぎないことも必要だったかと思う。
  • 実習先の選定の際に,系統の違うところを選定できるならしたほうが良い。
  • 「実習課題ノート」をまとめることで自分なりの資料の調べ方,まとめ方などを学ぶことができ良かった。しかし,それが実習先のサービスとどうつながっているのかをあまり考えずに,ノートを埋めることに集中してしまったので,自分なりに実習先についての資料等をもっと集約すれば良かったと思う。

問4 実習を行っていて事前学習の準備不足を感じたことはあったか N=33

問4グラフ

◆「準備不足を感じた」具体的内容?理由(抜粋)

  • 法令関係をもっと見ておけばよかった。職員の方に遠まわしに調べてくるよう言われた。
  • 知識力が不足していた。社会保障制度について問われてもすべて答えられなかった。
  • 疾病については,知っているようで具体的な症状や対応については理解不足な面があり,制度についてもさまざまな内容を十分理解していなかったので指導者に聞かれた時すんなり答えられなかった。
  • 「実習課題ノート」で事前学習を行っていたが,それが頭に入っていたわけではなかったので。

問5 実習先の指導内容(プログラム)に満足できたか N=33

問5グラフ

◆具体的理由(抜粋)

【満足だった理由】

  • 疑問点はすべて聞くことができる環境だった。
  • 事前指導の資料作成が実習に役立った。
  • 実習指導者の方が「実習計画」に基づき,きめ細かく実習プログラムを組んでくださった。また質問にも丁寧に答えてくださった。
  • 希望通りの実習計画で,内容も多岐にわたりとても良かった。

問6 実習先の指導者の指導内容に満足できたか N=33

問6グラフ

◆具体的理由(抜粋)

  • 実習中の悩みや残りの実習が有意義なものになるようアドバイスをもらったり,さまざまな思いを汲み取ってくれて良かった。
  • 他の大学の若い学生さんと同じ日程で,時間的に指導が難しい時は,二人で話もできた。実習先の担当の方は「教える」というスタンスではまったくなく,場を提供してくれるという感じだったので,今思えばそれが逆に良かったのかもしれない。
  • 実習中の学習だけでなく,自分の内面についての自己覚知や,将来的な話(就職など)について広い範囲で的確な指導をしてくれた。

問7 巡回指導の内容はどうだったか N=33

問7グラフ

◆具体的理由(抜粋)

  • 不安が強かったが励まし,アドバイスをもらい,残りの実習も頑張ろうと思え助かった。
  • 巡回指導の先生が地元の方で,地域の特色や福祉事情について詳しく,地域に根ざしたサービスや社会福祉の役割というものを丁寧に説明してくれ,実習における新たな学びの視点を得ることができた。ありがとうございました。
  • 実習の内容,記録の書き方などよく話しを聞いてくれた。指導教員から実習についてのアドバイスを受けて,その後は気持ちが楽になった。

問8 実習を開始する前と後とで自身に変わったことはあったか(抜粋)

  • 社会福祉士の仕事,立場,技術に関して必要な能力と知識の多さを再確認した。
  • 利用者の立場に立って考えられるようになった。ニーズを汲み取ることができるようになった。視野が広くなった。
  • 生活のしづらさを抱えている方は以外と身近に存在していて,ひとつ,ふたつ歯車がかみ合わなくなると表面的に現れてくるということがわかり,人を変えようなどと思わなくなった。自身の対応によって変化をもたらすことができるのがプロなのだと考えるようになった。
  • 客観的に見ることが少しずつできるようになった。自信がついた。あまりくよくよしなくなった。自分を省みることが大切だと気付いた。国家試験にチャレンジする気持ちがより強くなった。
  • 精神障害者観=ただ苦しんでいるのではなく「自分のことを分かって欲しい」というメッセージを発信しているということ。
     ボランティア観=「使命」や「理想」だけでやれるものではない。集まることでスタッフ同士もピア?カウンセリングの効果が期待できること。精神保健福祉ボランティア養成は可能だと思えた。また精神科医の話から,知的?発達障害,特にアスペルガーに関する理解?研究は今後も注目していくべきだと思った。
  • 自分自身が変わったかどうかわからないが,精神障害者の障害について向き合った時,社会的障壁というものが多いことを知ることができた。
  • 福祉に関連する法律等が実習を通し,また実際のサービスを目の当たりにし,さまざまな形で利用者,当事者のために生かされていることを知り,支援者の役割の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@さを理解したことで,支援者自身の無知が与える影響の大きさも知った。サービスにおいて不明な点を調べたり,新たな知識を得たり,支援者同士の情報交換をしたりという行動を以前にもまして積極的に行うようになった。実習で得たことが積極的行動の原動力となっている。
  • 自分自身の社会福祉に対する適性について考える良い機会となった。知らない現場を体験させてもらったことで,各種制度の多さ,福祉の広さに驚いた。

問9 国家試験の受験勉強にいつごろから取り組んだか N=33

問9グラフ

◆受験勉強の具体的内容(抜粋)

  • 「特講?社会福祉学5」で学んだことをひたすら繰り返している。
  • 過去問,キーワードノートの作成,模擬試験等。
  • 過去問題集を購入し,取り組むことで出題の傾向をつかみ,理解不足の分野は,(ノートを作成して)再学習をし,なるべくわからない部分は減らしていく。

問10 「実習」について在学生へのアドバイス,大学に対する要望(抜粋)

  • 仕事先へ,実習のために休みをいただくための相談が難しく,1年にわたる交渉と準備を要した。友達によっては,そのために仕事を辞めざるを得なかった人も何人かおり,実習期間のとり方をもう少し考えていただければ,仕事をしながら資格をとりたい学生の助けになると思われる。自分の場合は福祉系の仕事ではないのでさらに理解してもらうのにとても力を要しました。在学生の皆様にもとても悩ましい点だと思います。入学時にそのような実習があることをもっと主張し説明いただければ学習を始めるか否かの大きな判断材料になると思います。
  • 現場は必ずしも好意的に実習生を受入れてくれるところばかりではありません。指導者も毎日多忙を窮め余裕のある指導はしてもらえないこともあるでしょう。さまざまな事情があり思い通りに行かない実習でも,その場で展開されている実際を冷静な目で見つめてください。きっと難しい環境に置かれても学ぶことは沢山あるはずです。皆様の検討をお祈り申し上げます。
  • 実習は強いストレスを感じるので一人で悩むとつらくなることも多い。大学にも気軽に連絡できない。実習前にメールでやりとりできる人を見つけておくだけでも,気分的に楽になると思います。
  • 勉強も大事だが,一学生として楽しい学生生活を送ってください。思い出になる大学生活を。
  • 通信の学生は通学の学生に比べ社会経験も多く,特に福祉施設などに勤務している学生は学生自身が施設病っぽくなってしまっているため,実習での気づきがある意味少なくなってしまうように思います。私もそうでした。きっと通学の学生であればびっくりすることなどは,自然に感じられることと思います。それを克服するためにも,ちょっとした違和感についてしっかり考えを深めていけるとよいと思います。
  • 事前に医療,介護,生活保護(公的扶助)等のシステム,法律等は学習を深めてから実習に臨んだほうが良いと思います。町から委託されている事業(障害者自立支援,ボランティアセンター,子育て支援,地域包括支援センターが実施されている)を行っている地元社会福祉協議会で学べたことは,在宅介護支援事業も含めて大いに良かったです。
  • 実習まで辿り着いたということは,それだけ単位を積み重ね,卒業も見えるところまで来ているということです。まずは「ここまで来た」自分に自信を持っていただきたいと思います。実習自体はさまざまなところで行われるため,感じ方もさまざまだと思います。とまどうこともあるかもしれませんが,その「とまどい」を受け入れることが大事とのこと。卒業に向けた大きな山場,きっと乗り越えて,また大きな自信へとつながることを祈念しております。
  • 実習が始まると通常の学習には時間が割けなくなるので,卒業にかかわる単位はなるべく(実習前に)取っておき,「実習課題ノート」は国家試験の勉強にも役立つのでしっかりやると良い。

◆これから実習を目指す方は,是非,以上を参考にして学習や準備を進めてください。また,いただいた貴重なご意見は可能な限り今後の実習のあり方を検討する材料として活用させていただきます。

1つ前のページへこのページの先頭へ