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学長法話:365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@五年度東日本大震災?能登半島地震犠牲者追悼法要法話

2024年3月11日に行われた、365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@五年度東日本大震災?能登半島地震犠牲者追悼法要の際の学長法話です。

皆様、お寒うございます。本日は学校法人栴檀学園東北福祉大学による東日本大震災で犠牲となられた皆様への物故者追悼法会にご参列いただきましてまことにありがたく、また、本年はあわせて、お正月に発生いたしました能登半島地震にてお亡くなりになられた方々もあわせて、物故者追悼法会、ご一緒させていただき感謝申し上げます。ご参列いただいた学生の皆さん、教職員の皆様、まことにありがとうございました。

さて、冒頭に主任の萩野先生からご紹介していただきましたが、去る平成二十三年三月の十一日午後二時四十六分、あれからまる十三年が過ぎました。昨年はお陰様で十三回忌法要を勤めることができましたが、また一年重なり、ここにまる十三年が過ぎ、十四年目を迎えるということになりました。お亡くなりになられた方々、そしていまだなお行方が不明でいらっしゃる方々、さぞやお辛かったことでございましょう。また、特に学生の皆さんが当時九人お亡くなりになったということは、時がいくら流れても私たちの胸の中に、それは決して、悲しみは薄らぐことはございません。 「因其心恋慕、乃出為説法」、先ほどは如来寿量品という『法華経』のお経を申し上げましたが、その中で、「お釈迦様が亡くなられたからといって、決して、恋慕の心は消えゆくものではなく、むしろ一層その恋慕の心は強くなって、私たちがその恋慕の心を、生きる真心と言うものを強くしてもらうためにお釈迦さまは敢えてこの世を去られたのだ」というほどの意味に読み取れると思うのであります。 今年の能登半島の地震も、そんな私たちが「今年も三月十一日を迎えるであろう」と思っているその春の矢先に、元旦の午後でございましたが、マグニチュードで7.5、最大震度で7ということでございました。報道によると、241人の尊い御命が亡くなられたと、伺っております。関連でお亡くなりになられた方は15人、行方不明者は11人もいらっしゃいます。悔やまれることに、100人を超すという犠牲者は、あの2016年四月の熊本地震以来ということであります。お一人お一人のお姿、お顔、ご家族やご縁の皆様にとっては、決して時の流れで遠くなる方々ではございません。「因其心恋慕、乃出為説法」、その恋慕の心は、ますます時の流れとともに強くなるような思いがするのであります。

先ほどの「寿量品」というお経は、お釈迦様のお医者様としてのお姿を物語にしたものであります。昔々はるか昔、インドのある街に何でもご病気を治す名医がいらっしゃいました。ある時、往診のために都合で自宅を留守にすることがございました。お医者様のお屋敷ですから、診察室には多くの薬が並んでいました。お医者様には大勢の子供さんがいらっしゃいましたが、その色とりどりの美しい小瓶がならぶ薬のすがたは、いつもお父様の扱うあこがれの品々であり、そして、とても興味津々で日ごろ気にしていたそうです。お父様が留守にしたということで、あろうことか子供たちが、その薬のならぶ仕事場に入って遊びを始めました。そして、誰からともなく子供たちは — おそらく悪ふざけの遊びであったのでございましょう — 色とりどりのその、劇薬が含まれた薬を口にしてしまったのであります。何も知らないお父様は、仕事から帰って来ると、家じゅう我が子が大勢、薬で苦しんでいます。毒が回ったその薬は、ある者は転げ回り、ある者は苦しみの涙を流しています。「ああ、これは大変だ」ということで、お父様は急ぎその様子を見ると、何を服んだのかをつぶさに観察され、即座に解毒剤を作りました。「子供たちよ、どうかこの解毒剤で身体を治しておくれ」と呼びかけます。すると、留守中に毒の薬を少し服んだ者はお父様の言うことを聞いてすぐに回復されました。身体中に深く毒が回っている子供には、声も聞こえません。服む気配もいたしません。

そこでお父様は考えました。「ああ、どうしたらすべての子供たちを救うことができるだろう。」それならばと一計を案じ、お父様は敢えてその自宅を後にして、旅に出たのであります。そして、その旅先から子供たちに伝言を伝えます。「愛するお父様は亡くなりました。でもお父様は、最後の遺言にこうおっしゃいました、『頼むから、我が子よ、この解毒剤を服んでほしい』」この伝わった言葉を旅先から子供たちは伝えられ、それを聞きますと、その解毒剤を、今まで服もうとしなかった子供さえもみんな服んでくれた。そして子供たちは命が助かった、という物語です。 現代人からすると、何やら不思議な物語に聞こえるかもしれません。けれども、この『法華経』、特に本門と呼ばれる第十六番目の「寿量品」、「お医者様の喩え」とするこのお経は、大変曹洞宗でも大事にされ、そして世界中で読まれている365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なお経であります。すなわち、そこには深い深い私たちへのメッセージがあります。それは、お釈迦様はじめ、人間命あるものは限りある命、いつかは命を終えることになります。しかし、仏の御命は、決して身体の朽ち果てると同時になくなるものではないということであります。これを久遠実成と申します。

私たちは、単に身体をいただいて生きているのではありません。仏の御命を、生かされて生きているのであります。三月十一日の今日、確かに、確かに多くの、二万人以上の方がお亡くなりになられたかもしれませんが、しかし、私からすると、決して消えてなくなったのではありません。いやむしろ、命は輝きを増し、恋慕の心はますます強くなり、当時亡くなられた方々と私たちが共に生きていることを実感します。共に歩んでいるのです。

今日も、おそらくはお仕事やご都合で、それぞれの持ち場でも大変であったと思いますが、大学を代表してご親族や亡くなられたご遺族を代表して、ご焼香していただいたということはまことに有難いことでございます。私たちはその真心を次の世代へと受け継ぐことをお誓い申し上げ、言葉なかなか整いませんでしたが、今年は『法華経』第十六、「寿量品」の、その要約の意を申し上げ、今日の法話といたしましたわけであります。本日はまことにご参列ありがとうございました。

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