第22回企画展「仙山線交流電化試験 —日本の鉄道を新幹線へと導いた開発秘話—」

2014年8月1日(金)~11月1日(土)

東海道新幹線開業から50年。その新幹線開発上大きな役割を果たした交流電化試験開始から60年。“交流電化”は、エネルギー近代化と経営合理化を模索していた国鉄が、将来をかけた一大プロジェクトとして独自に研究開発した鉄道技術です。

新幹線開通の10年前、フランス国鉄が実用化した商用周波数交流電化方式に触発された国鉄は、我が国独自の開発にむけ、交流電化調査委員会を組織して研究開発に取り組みました。その試験線に選ばれたのが仙山線でした。

仙山線の交流電化試験では、地上電気設備(第1期静的試験)と交流電気機関車(第2期動的試験)のそれぞれ試作と試験が1954年(昭和29)から1956年(昭和31)まで2年半にわたり実施され、想定以上の成果をあげました。それが地方に伸びようとしていた日本の鉄道電化の道筋を“交流電化方式の採用”の方向に舵を切らせることになったのです。また、交流電化の発展は、大出力?高速で走る新幹線の開発を成功に導いた土台となる技術として大きな役割を果たしています。

企画展では、交流電化開発の背景にあった国鉄の動力近代化と経営合理化、交流電化試験の全容、試験の成功と開業に寄せる当時の仙台市民の期待と歓喜、交流電化の発展とその後を、資料や写真、また貴重な動画でたどり、仙山線から生まれた「交流電化」が日本の近代化にもたらしたものが何だったのかを考えていきます。

【主な展示構成】
①国鉄?動力近代化と交流電化調査委員会の発足
 交流電化調査委員会関係国鉄資料
 交流電化調査班の仏リール市国際会議など渡欧調査秘蔵映像、など
②交流電化試験_地上施設の建設と静的試験、国産交流電気機関車による動的試験
 交流電化工事、および、試験車両公式写真
 交流電化試験の貴重な写真
 ハンドル?インなど当時の様子を伝える秘蔵映像
 試験車両を模型(HOゲージ)全機ラインナップ など
③交流電化の開業
 開業記念式典の秘蔵映像
 地元新聞記事が伝えた「交流電化試験」「交流機関車」
 北陸本線電化開業関係の写真と秘蔵映像 など
④交流電化の発展とその後
 試験後に継続された交直電車試験
 本線電化に向け開発された交流電気機関車両の模型と資料 など

主催:東北福祉大学?鉄道交流ステーション
後援:宮城県教育委員会、 仙台市教育委員会、河北新報社、東北鉄道協会、(社)交通環境整備ネットワーク、みちのく鉄道応援団
協力:JR東日本仙台支社、鉄道総合技術研究所、鉄道博物館、仙台市博物館市史編纂室

この記事に関するお問い合わせ

地域創生推進センター 生涯学習ボランティア支援課内(「鉄道交流ステーション」資料係)
住所:〒981-8523 仙台市青葉区国見1丁目19-1
TEL:022-728-6612