【学習サポート】
[福祉機器論ほか]
平成15年度の通信教育から学んだ多くの一部
—レポート添削から学んだこと編—
教授
関川 伸哉
東北福祉大学の通信教育も早いもので(?),2年目を迎え,その2年目の年(平成15年度)も終わろうとしております。私は,今年度から,「リハビリテーション論」,「福祉機器論」,「社会福祉援助技術演習I」の3科目を担当することとなりました。初年度(昨年度)から担当されていた先生方からさまざまなお話(ご苦労を含めて)を聞いていたため,私にとって今年度は不安と期待(不安9割以上)から始まる年度だったと言えます。しかし,4月になり新年度の講義も始まり,慌しい日々の中で通信教育に関する不安と期待は,私の脳裏からすっかり消失していました。
そんなある日,私のメールボックスに見慣れぬ書類が投函されていました。何かと思い開封すると,そこには「リハビリテーション論」のレポートが入っていました。私にとっての記念すべき最初のレポートです。再び9割の不安と1割の期待を胸に,送られてきたレポートの添削にはいりました。
通信教育で学ばれている方々はさまざまであり,私のところに送られてきたレポートも20歳代?60歳代と年齢層も広く,今までの20歳前後の方々が書いたレポートとは異なる視点からの考察も多く,大変興味深いものでありました。しかし,その一方では,私が提示した課題とは異なる視点からの論述や,教科書の内容とは大幅に異なる記載など指導?修正を行わなければいけないレポートも複数存在しました。送っていただいたレポートには,評価や今後の課題などについてのコメントを記載しましたが,直接的な会話による講義とは異なり,適切な言葉がみつからず苦労することも多々ありました。通学生の方々への口頭による直接的指示?指導に慣れてしまい,文章(書面)による指導?解説力が低下している自己の存在に気が付き,苦戦を強いられながらのレポート添削の始まりでした。読み始めると新たな発見も多く学ぶことが多々ある反面,それなりの環境を創りだし真剣に取り組まなければいけないのも事実です。「机に向かいはじめるまでが大変!」といったところでしょうか……。
今日までに3科目のさまざまなレポートを読ませていただきました。「同じ課題であったとしても考え方や論じ方が,人によってこんなにも異なる」ことに驚かされました。日頃からゼミ生には,「多様な価値観の理解が365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@である」と論じておきながら,さまざまな意見や考えを自分の中で上手に整理できずに少々困惑気味でありました。しかし最近では,レポート添削にも多少は慣れてきたのか「辛く悲しい困惑状態」からは脱出しております。
1年弱ではありますが,通信教育での経験を通しさまざまなことを学ぶことができたと感じております。中でも,レポートによる情報発信の難しさを最も強く感じます。レポートを書く学生の方々も添削する我々も,文章のみでの相互理解の難しさを充分に理解し,「相手の意図する内容になっているか?」「この内容で相手に伝わるかな?」などを何時も心がけなければならないと思います。読み手がいることを忘れワンウェイ(一方通行)になることのないよう,今後もレポートによるコミュニケーションを共に努力し充実させていきたいと感じています。
以上 ささやかな感想でした。