With TOP > VOL.61 JULY 2009 > 

VOL.61 JULY 2009

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【9月科目修了試験のご案内】

【秋期II?III?IVスクーリングのご案内】

【現場から現場へ】

OB MESSAGE [社会福祉援助技術現場実習]
通信で学んだ2年間を振り返って

通信教育部社会福祉学科卒業生 吉成 英雄

1.入学のきっかけ

 私は東北福祉大学の通信教育部に入学する前,ショッピングセンターの店長という,福祉とは全くかけ離れた仕事をしていました。一つの店舗を運営していくことにやりがいを感じてはいましたが,その反面,将来に対する不安もありました。そんな中,私は高校時代から福祉に関する興味をずっと持っていました。東北福祉大学に通信で社会福祉士の資格が取得できるという情報を入手したとき「やるなら今しかない」と率直に思いました。そして,学習に専念するため2年間という限られた期間で卒業しようと決め,思い切って仕事を退職し,入学を決意しました。

2.学習を始めて

 学習を始めて最初の頃は「自分がやりたいと思ったことをやっているんだ」という充実感があり,教科書を読んで理解することが楽しくて仕方ありませんでした。おそらく私の場合は,福祉という世界に初めて入り込んだこともあり,余計そう感じたのかもしれません。学習の進め方として具体的には,2年間で卒業することと実習の受講要件を満たすことを念頭におき,科目修了試験やスクーリングの日程と照らし合わせて,半年ベースで学習計画を作成しました。またレポートを書くときは,私は家ではどうしても途中で気が散って集中できなくなくなってしまうタイプであったので,地元の大学図書館に通い,学習に専念できる環境の中に自分をおくことで取り組みました。

 しかし当然のことながら,計画通りに学習が進まなかったときもありました。一番辛かったのは,あるスクーリングの直前に風邪を引いて熱を出してしまい,それでも仙台まで行ったのですが,2日目にダウンしそのまま新幹線でとんぼ帰りするといったことがありました。そのためその科目の単位を取得することができず,実習の受講要件を満たすためには次の科目修了試験で一発合格しなければならないという状況に追い込まれてしまいました。またスクーリングでも,私は福祉という分野に携わったことが無かったため,特に演習では実際に現場で働く方との話についていけず,何か自分だけ取り残されてしまっているように感じたこともありました。

 そんな中でも,体験学習をきっかけに初めて現場に足を踏み入れ,それがきっかけでその後近くの特別養護老人ホームで非常勤として働くことができ,少しずつ福祉の世界を肌で感じることができるようになりました。

3.実習を行って学んだこと

 社会福祉援助技術現場実習は,地元の社会福祉協議会(以下社協)で行いました。前述の通り,私はこれまで転勤を伴う仕事をしていたため,今後は自分の住む地域で福祉に携わりたいとの思いがあり,地域住民に密着した福祉の展開がどのようになされているかを知りたいと考え,社協を選択しました。

 実習の内容は,社協で実施している事業に参加させていただくことが主でした。具体的には独り暮らし高齢者宅へ安否確認に向かう見守り事業,グランドゴルフ大会事業,高齢者生きがい支援通所事業(デイサービス)など様々でした。そうした中で,社協とは地域に住む高齢者や障害者をはじめ,関連施設や町役場,商店,駐在所,さらには事業を行うための施設など,実に幅広い人たちとの関係があることを知りました。そのため,日頃からの人に対する気配りや心配りを大切にしながら多くの人たちと係わっていくことが,結果として信頼関係を築き上げ,地域に根付いた明るく楽しい福祉という目的を達成できることにつながるということを学びました。このように,私は実習を通して福祉の専門職としての心構えを教えていただきました。現場での経験が無かったため,捉える視点は漠然としたものかもしれません。しかし,人との信頼関係を築くということは福祉職の基本であり,これを意識することが大切だということを知りました。

4.現 在

 現在私は,非常勤として働いていた地元の特別養護老人ホームで正職員となり,介護職として働いています。実習を終え大学を卒業し,社会福祉士の受験資格も取得できましたが,今は介護という現場で多くの経験を積みたいと思っています。実際に仕事をしていて感じることは,利用者においても職員間においても,人とのコミュニケーションをとるということがいかに大切かということです。一人の利用者を的確に知るためには,話をしてどういう反応をするか,どういった行動をとるか,日頃から観察することがよいケアにつながっていくのだと感じます。また,職員間でも毎日の挨拶からはじまり,常に声をかけあって連携していくことが,結果として利用者本位という部分に結びつくのではないかと感じます。そうした中で,実習で学んだ人に対する気配りや心配りという福祉の専門職の基本が,非常に365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@であるということを強く実感しています。今後もそれを念頭におきながら仕事に従事していきたいです。

 最後に,これから通信で学習を始める方,実習を行う方へ。通信の学習は孤独との戦いでもあり,途中で行き詰ってしまうといったこともあると思います。しかし,最後には必ず得るものが大きいということも事実です。大変なこともたくさんあると思いますが,私のように全くの福祉分野未経験者でも,実習を通して貴重な体験をさせていただき,多くのことを学ぶことができました。一人ひとり学習の環境は違うと思いますが,目標に向かって頑張って下さい。

1つ前のページへこのページの先頭へ