【現場から現場へ】
OB MESSAGE [社会福祉援助技術現場実習]
自分への挑戦に勝て!~自分が自分であり続けるために~
通信教育部社会福祉学科卒業生 伊藤 友子
◆チャンス到来!!
私が東北福祉大学通信教育部への入学を果たしたのは2004年の春です。「やっと資格が取れる!!」と喜びいっぱいの入学でした。
社会福祉士の資格を取得したいと希望したときには大学に通信教育部がなかったため,取得自体を諦めていたのです。勤務先の福祉施設では管理栄養士として仕事をしていたため,福祉関係の専門性を高めたいとの思いは強かったのですが,仕事を辞めてまで大学生になることはまったく考えていませんでした。
そこに,最大のチャンスがやってきたのです。それが通信教育部の開設でした。働きながら勉強をするには時間のやり繰りが大変ではないかと考えた末に,科目修了試験会場が地元にあり,スクーリング会場も通学圏内であった東北福祉大学を選ばせていただきました。
◆自分らしく学ぶ
3年次編入で始めた学生生活でしたが,1年目は仕事と家庭と勉強の両立に慣れず四苦八苦しました。勉強時間は22時から2時ごろまでを月に数回というペースだったかと思います。卒業までには5年かかりました。
レポートは1年目で要領をつかみ,回数を重ねるたびにわかりやすくまとめる力が身についたと思います。再提出の科目もありましたが,先生方のアドバイスに沿って繰り返し書くことで,より深く科目を理解することができました。また,図書館に通い良書に出会ったことで,人としての深みが増したように思います。
科目修了試験は試験問題の持ち帰りが可能となってからは,出題傾向が理解でき,試験対策が立てやすくなったのではないでしょうか。
とにかく,自分らしく地道に学び続けることが大切だと思います。
◆実習を体験して
社会福祉援助技術現場実習は仕事の関係上4ヶ月かけて行いました。すなわち,1ヶ月に1週間ずつ行ったわけです。実習前後ではとにかく「書く」ことが多かったと記憶しています。事前レポート,事後レポート,実習課題ノート,実習簿などがありましたが,私の場合,集中して実習を行わなかった分,余裕をもってまとめることができました。また,1週間の実習が終了した時点で次の課題をじっくり考えることができ,自分自身ともじっくり向き合うことで,「対人援助技術の基本は自己覚知で始まり,自己覚知で終わる」という意味を実感できたと思います。
私は勤務先で実習を行いましたので,仕事の内容,利用者の情報などは十分把握できており,安心感のある中で取り組むことができました。ただし,実習生がどのようなことを具体的に学びたいのかということを明確化して事前打ち合わせに臨むことをお勧めします。そうすれば受け入れ先の担当者の方も実習計画に反映してくださるのではないかと思います。
実習中は利用者の方と直接おしゃべりをし,食事,入浴,排泄などのお世話をすることで見えてきたものが多々ありました。そのひとつをご紹介いたします。
それは入浴介助の実習でのことです。私はその中で衣類の着脱介助を体験しました。介助中は利用者の裸を見ることになることから,私は申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが,利用者の皆さんは私をより身近な存在として受け入れてくださいました。自分たちが普段,他人に見せることのないところまで利用者の方は見せなければならないし,そうしなければ生活が成り立たないということを改めて知る機会でありました。また,「人間の尊厳を保つということはどういうことなのか」を考えさせられる体験であったと思います。
人間の尊厳を保つということは,相手の立場になってさりげなく支えていくことではないかと思います。他者を思いやる心を育むことが大切なのではないでしょうか。
実習は,さまざまな人との出会いやかかわりをとおして自分の人間性を向上させるきっかけを作ってくれる場でありました。実習先の計画に沿いながらも,自分の実習ポイントを外さないように心がけていれば,充実した実習ができると思います。
◆卒業して思うこと
卒業の日を迎え,自宅に卒業証書が届いたときは感無量でした。5年という長い道のりを歩ききった達成感をかみしめることができ,本当にうれしく思います。
通信教育での学習は,孤独の中で自分と向き合い,見つめなおす良い機会となりました。社会福祉の知識を身につけるだけでなく,人間としての成長の場でもありました。
「学は光」です。学ぶことによって磨かれ,変わっていく自分自身との出会いはとても新鮮です。これからも楽しみながら学び,新たな自分との出会いを大切にしていきたいと思っています。
東北福祉大学を卒業し,社会福祉士国家資格を取得した現在思うことは,「人間の可能性は無限大である」ということです。自分自身にこんな粘り強さがあったのかと驚いているほどです。何年かかっても最後まで諦めないで頑張れば必ず結果が出ます。そして,将来,社会福祉士として活躍するときに経験したすべてが役に立つことでしょう。
皆さんも卒業を目指してベストを尽くしてください。応援しています。
|