【教職員?卒業生からのメッセージ】
卒業生からのメッセージ
『学ぶ愉しみ』(卒業にあたって)
福祉心理学科 池添 博彦
東京の南にある三浦半島で育った私は,大自然に憧れていた。北海道の学生生活で心ゆくまで自然を満喫し,そのまま北海道に居着いてしまった。大学と院では農芸化学を専攻した。授業は面白くなかったので,興味の湧くままに,手あたり次第に本を読んだ。教室よりも図書館で学んだ方が多いだろう。
自然科学以外の知識も学びたいと思っていたら,仲間が通信教育を教えてくれた。初めて学んだのは玉川大学の教育学部である。夏の暑い盛り,久し振りに聴く講義は新鮮であった。教育実習も受け,色々な立場の人々と語らう機会ができた。
次に慶応義塾の文学部に入った。夏のスクーリングはどれも数百人の学生がおり,その熱気と外の暑さ(教室にクーラーがなかった)で気が遠くなりそうだった。それでも新しい知識を学べる喜びに心が躍り,東京で過ごす夏の学生生活が十年近くも続いた。開講される授業は全て受講してしまい,終わりの頃は単位をとらずに聴講した科目も多い。文学と心理学を学んだが,スクーリングだけで70単位近くを聴いたことになる。
そのうち,親の今後を考え,福祉の勉強も必要だろうと,専門学校で福祉について学ぶことにした。介護福祉士,社会福祉士,精神保健福祉士と,福祉の資格を取得した。それぞれの資格を受けるために実習する機会があり,今まであまり関わりのなかった施設の実情や,問題点などを知ることができた。
精神保健福祉士を学んでいると,友人や知人の中に,心の問題で悩む人が多いことがわかり,心理学をもう少し学んでみようと東北福祉大学に入学した。
通信教育は便利な手段ではあるが,直接受ける授業が少ないのが難点である。学習は先生に対面しながら,五感を十分に働かせて全身で学び取るほうが,効果的で印象に残る。私は2年間で80単位のうち,20単位をスクーリングで取得した。できるだけ多くスクーリングを聴講したかったが,地方にいるとその機会も限られてしまう。スクーリングは学生同士および先生と触れ合える唯一の機会なので,できるだけコミュニケーションや討論をする場を設けて欲しい。
福祉心理学を専攻して三月に卒業するが,未だほんの基礎部分を学んだに過ぎないと思う。心理学は人の心の働きと行動との関わりを捉えていくものである。心と行動を司る脳の機能の一つとして,言葉がある。言葉を用いて人は意識し,知識を学ぶことができる。
知識はいくら学んでも尽きることはない。新たな事実を一つ知ると,その奥に十の未知の存在が感じられる。私は学んだ心理学をさらに深めて,言葉と心と,人の行動との関連性について究めて生きたいと願っている。
息子と同時に大学生…そして共に卒業
福祉心理学科 片桐 晃子
私は22歳で大学卒業後,就職して数ヵ月後に食事が喉を通らなくなり,息子の出産後は,昨今よく耳にするようになった「産後うつ」になり,こんな大雑把で明るい性格のわたしが何故に…とずっと疑問に感じてきました。幸いにも,どちらもなんとか克服することができました。
それに加えて,二人の子どもがまだ幼い頃,夫が急逝して「福祉」がいかに身近なものであり,いかに助けられているかを身にしみて感じるようになったのです。以上の2点が福祉心理学科に入学したい!と思ったきっかけで,子どもが成長し,両親が元気な“今”がまさにチャンスでした。
入学は,息子の大学入学と同時でした。私の手元から二人の子どもが離れ,「寂しいでしょう」と言われましたが,正直そんなことを感じている暇がないほど,学習は楽しいものとなりました。中でも最高に嬉しく印象的だったのが,児童福祉論のレポート評価の優に“はなまる”がついていて,「お母さんとして,よくがんばりましたね」という言葉が添えてあったことです。千葉喜久也先生,本当にありがとうございました!思わず涙ぐんでしまったことを覚えています。
この春,息子と同時に卒業の日を迎えることができたことを夫に報告し,また新たな一歩を踏み出したところです。
卒業を迎えて
福祉心理学科 山本 君子
ありがとうございました。充実した4年間でした。私は,福祉心理学科に所属しながら精神保健福祉士の資格を取るために頑張ってまいりました。この4年間は,志の同じ方と出会うことで励まし合い,今日を迎えることができました。また,多くの助けを得られたことに感謝しております。
私は,母の介護を通して人の温かさを感じ,介護ヘルパーの資格を修得しました。介護ヘルパーとして働くなかで,関わる相手の心の変化や,人にとっての安らぎについて考えるなど,心理学に興味を持ったことが,私の入学の動機です。
心理学を学ぶことで私の中の何かが変わり,人と関わることが楽になりました。多くの専門知識を学ぶことで,生き方も学べました。人は,人生のレールをその人らしい歩み方で進み,そしてそれぞれのステージでいろいろな経験をする。その体験を糧に,自分らしさがつくられていく。また,感動するとき,辛い経験を乗り越えるときには,素敵な人との出会いがあり,それが人生を素晴らしいものに変えていく。
私も,多くの失敗からいろいろなものを得てきました。意欲や勇気をもらう言葉にも出会いました。今,机に向かって頑張っている皆様に伝えたいです。『努力は報われる。そして,いつも応援しています。そして,無理はしないで下さい。』私自身がこの言葉に支えられ,学習する意欲が保たれました。
私の単位修得法はおもに科目修了試験でしたが,授業を受けないと理解できないと思えた科目はスクーリングを受講しました。4年生になるとレポートの再提出が増えたので,何度も教科書を読むことで理解を深めようと努力をしました。先生からの講評や指導は有難く思え,頑張る力となりました。学習時間を確保することは難しく,苦労しましたが,時間の許す限り机に向かうよう努力しました。援助実習においては,無理を承知で職場に休日願いを出しましたが,理解していただくことができ,実施することができました。そのため,その後3ヵ月間はほとんど休日を取らずに頑張りました。
このように,多くの方の支えにより卒業ができます。小野先生をはじめ大学の皆様,実習先の皆様,祖父,主人と子ども達には,本当に感謝しています。
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