【夏期スクーリングII?IIIのご案内】
スクーリング講義概要
児童福祉論 千葉 喜久也
豊かな社会といわれる中で,悲惨な子ども虐待が増加し,少年犯罪の凶悪化やいじめの陰湿化,不登校児の増加等,子どもの問題は深刻化している。これらの子どもの問題は現代社会が生んだ病理現象の一つである。都市化,核家族化された現代社会の歪みが最も弱い子どもに向けられたものである。
本講座では,こうした子どもを取り巻く社会現象の背景に迫りながら,児童福祉の制度やしくみについて学習する。そして児童福祉の新たな理念である「子ども家庭福祉」の潮流について理解を深める。なお,講義では実態の理解を図りながら,受講生が興味と関心をもって楽しく聴講できるようビデオなどを活用した授業を行う。また講義が一方的にならないよう受講生の感想や意見を吸い上げながら行う。テキストは中央法規発行のもの,東北福祉大学発行のもの,どちらでもよい。
高齢者福祉論 中里 仁
下記の内容について講義する予定。
(1) 高齢者問題の背景(高齢者人口の動向?家庭環境の変化)を中心としながら,高齢者福祉の成立要因を多角的に考えてみる。
(2) 高齢者の経済状況,および余暇活動等の実施の把握をする。
(3) 要介護高齢者(痴呆性高齢者?寝たきり高齢者等)の概念整理をする。
(4) 高齢者福祉対策の基本方向を学習する。
テキストを使用する場合は平成16年度版で進めるが,15年度版をもっている方でもとくに問題はない。
現代社会を見る眼 生田目 学文
「現代社会を見る眼」は共通基礎科目の一つとして学生の身のまわりの社会を見る「眼」,そして「見方」というものを養うことに重きをおくものです。本授業では一般的な社会理論の歴史的な学習ではなく,我々が毎日眼にしている事象について理解することを目的とします。まず,そのための視点?視座を定めるための「社会科学」的な見方を学習し,国内外で現在進行中の諸問題(高齢化?少年犯罪?環境問題?情報化?安全保障問題?グローバリゼーションなど)について考察します。
グループ演習を行ない,さまざまな視点を持つ受講生同志がお互いから学ぶ機会を積極的に活用します。
障害者福祉論 ビデオ?スクーリング 阿部 正孝
障害者の生活では,その援助に医療,保健,福祉,教育などの分野が包括的にかかわってきます。スクーリングの前半では,そのような領域の中で福祉的援助が有機的に実働するために修得すべき知識や考え方を,障害者の理解と援助に関する内容を中心に解説します。これをもとに,後半では,障害者福祉を実践していく上で必要な知識や技法,ならびにその実際を解説します。
文学入門 花井 滋春
テキスト(花井滋春著『文学入門』),およびレポートの課題内容に即して講義します。最初に,伊勢物語の概説および主人公?在原業平の生涯((1)),続いて惟喬親王,二条后藤原高子の生涯((2)(4))を扱い,次に伊勢物語の作者について((3))講義します。(5)は,研究レポートを書くためのサンプル的な講義です。
(1)在原業平と伊勢物語の関係
(2)惟喬親王と伊勢物語
(3)源順?融と伊勢物語
(4)二条后と伊勢物語
(5)枕草子の階級意識
福祉心理学 渡部 純夫
「福祉心理学」の実践について,どのように「福祉心理学」を活用していけばよいのかについて,「老人福祉」の分野から考えてみたいと思います。高齢者の行動や思考がどのようになっているかを,すべて解明することなどできないのは当たり前なのですが,わからないからと,こちらサイドの考えを押し付けていたのでは,高齢者の方の幸せに貢献することはできません。また,生活の質の向上にもなりません。そこには,科学的分析が必要になります。「福祉心理学」では「心理学」の科学的理論が多く必要とされます。
講義では,実践を通して「福祉心理学」をどのように活用していくのかについて考えながら,応用性を養っていこうと思います。
テキストは後日確認のために用いてもらうので,今年度配本(ぎょうせい発行)のもの,昨年以前に配本(学芸図書発行)のもののどちらでもよい。
スポーツ(バーンゴルフ) 小野寺 浩三
バーンゴルフは,ゴルフのパターによる18ホールのストロークプレーです。見た目はやさしいが,高度なテクニックや頭脳プレー,集中力が求められます。
障害者や高齢者にはリハビリの効果があり,子どもから大人まで年齢,性別,身体的ハンディにかかわらず,誰もが参加できるバリアフリーのニュースポーツです。
本スクーリングにおいて,歴史,意義を論じ,ルールとマナー,コースの攻略法を身につけるとともに基礎体力,基礎技術の向上を図ります。また,楽しみ,喜びを共有しながら,リハビリスポーツ,生涯スポーツとして取り入れ体験学習をします。
運動のできる服装,くつを持参してください。
情報処理I 石野 莞司
TEXTを利用した自宅学習で習得したパソコン操作とソフトの利用スキルを確認した上で,さらに発展的な活用を視野に入れた下記のスケジュールで開講します。
1日目:基本入力練習,Windows基本操作,ファイル管理,InternetExplorer操作入門
2日目:情報検索とInternetExplorerの効果的活用
3日目:メールソフトの利用と管理方法
4日目:Word基本操作と効果的資料の作成方法
5日目:スクーリング試験
概ね上記の順番に構成して実施する予定ですが,参加者のスキルによっては,各テーマの配当時間に長短変更があり得ます。
(注意)プリントで実習を展開しますが,ソフトの機能を参照する必要性を配慮に入れ,面倒でも当日はTEXTを持参願います。
生命の科学 阿部 一彦
科学の著しい進歩に伴い,生命現象についても大きく理解が進み,「生命」に関する話題は,マスコミその他,社会の種々の場面においても取り上げられるようになってきた。そこで,この講義においては,社会生活における話題性などにも意識して,生命の本質について,さまざまな視点から理解を深める。すなわち,そのときどきのトピックスにも考慮した話題にも講義においてふれるようにつとめる。そして,いかなる機械やコンピュータよりも精巧で緻密な生物(生命体)について,さらに考察を深める。
スクーリング時には,ヒトの命を支える分業システム,脳?神経系,こころの健康?からだの健康,ヒトゲノム計画?ポストゲノム計画,患者主体の医療などを中心にとりあげる予定である。
生涯学習概論 荒井 邦昭
今日の変化の激しい社会にあって,誰もが「学ばずには生きていくことができない」と言われています。実際に,あなたも今,学んでいるわけです。自分の学ぶ目的から出発して,人々は今何を求めて学ぼうとしているのか,また,一人一人が学ぶことは今の社会にとってはどのような意味があるのか,まず考えてみたいと思います。
その上で,「生きていくために必要な学び」が全ての人に実現されるには,どのような社会的な手だてが必要なのか,それは今,どこまで用意されているのか,何が足りないのかを確かめてみます。これも皆さんが今,学ぼうとするときにぶつかる困難から出発して考えてみて下さい。私たちの先輩は,学習の必要と意欲に支えられて,学習が実現できる条件をつくり出し,生活を切り開くために学び続けてきました。その積み重ねに学びながら,これからの生涯学習に求められる課題を考えていきましょう。
心理学実験I 小松 紘?皆川 州正?佐藤 俊人?大関 信隆
心理学実験Iでは,下記の4つの実験を体験する。受講生は4グループに分かれ,毎日1種目ずつ,(1)実験についてのオリエンテーション (2)実験実施 (3)データの整理?分析 (4)実験レポート作成 という一連の作業を行う。翌日は,別の種目を経験し,4回ローテーションして全種目を終わる。
実験1 「長期記憶の検索」(佐藤俊人)
実験2 「対人認知と背景効果」(小松 紘)
実験3 「ミューラー?リヤーの錯視」(皆川州正)
実験4 「刺激の弁別閾」(大関信隆)
4つの実験レポートはできる限りスクーリング期間内に提出してほしいが,やむをえない場合は8月23日必着で郵送でもかまわない。
また,実験レポートとは別に「単位認定レポート」(2,000字程度)を12月24日必着で提出する必要がある(レポート課題集参照)。
福祉心理学科の方は,『福祉心理学科 スタディ?ガイド』で「心理学実験」の概要を予習してきてください。福祉心理学科以外の方も,ホームページ上で『With』20?21号の実験に関する原稿を一読されるなど心理学実験に関する予備知識をもっておいてください。
全体ガイダンスを行うので,初日は13:00に集合してください。
筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓?4色ボールペンを持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。
ボランティア論 小野 芳秀
少子高齢化が年々進行していくなか,福祉施策における公的サービスには,財政や人員等において限界があります。福祉サービスがより充実するためには,住民同士の助け合い等,地域全体でサービスを必要としている人々を支える仕組みが不可欠です。今まさに地域におけるボランティア活動は,福祉サービスを担う一つのシステムとして機能することが期待されています。
本講義では,ボランティアに関する理論や実践的な方法論について解説し,ボランティアが実際の活動を通して直面する課題について,当事者と推進?支援者の視点から論議します。
地域コミュニティの構築と福祉サービスの創造にたいし,ボランティア活動が果たす役割とその可能性について共に考えましょう。
障害児教育I 北岡 侃
本講義は,障害児教育全般に関する基礎的なことについて,教科書,資料,ビデオを使って行います。各障害別に教育の歴史,障害の特性,教育の基本的特性,現状を中心に行います。
8月3日(水) 11:00?17:40
(1) 視覚障害児教育の歴史,視覚障害児の特性
(2) 視覚障害児教育の基本的特性,視覚障害児の指導
(3) 聴覚障害児教育の歴史,聴覚障害児の特性
(4) 聴覚障害児教育の基本的特性,聴覚障害児の指導
8月4日(木) 9:30?17:40
(5) 知的障害児教育の歴史,知的障害児の特性
(6) 知的障害児教育の基本的特性,知的障害児の指導
(7) 肢体不自由児教育の歴史,肢体不自由児の特性
(8) 肢体不自由児教育の基本的特性,肢体不自由児の指導
(9) 病弱?身体虚弱児教育の歴史,病弱?身体虚弱児の特性と指導
8月5日(金) 9:30?14:40
(10) 情緒障害児の特性と教育,言語障害児の特性と教育
(11) 軽度発達障害児の特性と教育,特殊教育から特別支援教育への転換
(12) スクーリング試験
事前に,教科書(障害児教育概説 四訂版)をよく読んでおいてください。
古文書学 細井 計
古文書学で一番大切なことは,文書の様式を正しく理解することです。この様式を研究するには,まず最初に古文書そのものの解読が必要になります。たとい理論はわかっていても,実地に当たって文字が読めなくては,様式を論じること自体が所詮無理なことです。
そこで本科目では,古文書,とりわけ江戸時代の文書の解読演習を重点的に行い,解読力を身につけさせることを目的とします。その際,古文書の実物を見るのが一番よいわけですが,現実的には,それは不可能に近いので,文書のコピー(女大学,徳川家光領知判物,土民仕置条々,借用証文,藩日記など)を使用することにします。
心理学実験III 木村 進?宇田川 一夫?佐々木 千鶴子?渡部 純夫
大部分の受講生は,すでに「心理学実験I?II」を受講済であるはずなので,心理学における実験とはどういうものかについての認識はしっかりできていると思われる。「実験III」でも4つのテーマにしたがって実験を行う。「要求水準」,「投影法」,「コラージュ」および「家族のイメージ」の4課題である。それぞれの実験の目指すところについては,スクーリングにおいて説明するが,3年生における実験ということで,心理学研究における「実験法」の意味についてきちんと理解するとともに,それぞれの課題に取り組むことで,それぞれの実験内容が現実の生活経験や人間の姿とどう関連するかという視点から考えてみることが望まれる。
※筆記用具,定規,電卓,のり,ハサミを持参すること。コラージュの素材になるような雑誌,パンフレット,チラシ等も必ず持参すること。
●受講条件
心理学実験IIIは,「心理学実験I」か「II」のいずれかがスクーリング受講済であれば受講できます。
心理学研究法II 木村 進?白井 秀明
スクーリングにおいては,検査法の実習と調査法のデータ分析(心理統計)の実習を行う。受講生の人数によるが,1日目の最初の2コマが検査法実習,3コマ目が統計法についての講義,2日目の3コマを使ってデータ分析の実習を行う。実習はいくつかの小グループにわかれて行う。実習内容の概要は以下を予定している。
(1) 検査法実習(2コマ:担当 木村進 ほか)
(1) 検査法一般についての講義
(2) 性格検査(「谷田部ギルフォード性格検査」〈YG検査〉)の実施と結果の整理
(2) 調査法(データ分析)実習(4コマ:担当 白井秀明 ほか)
(1) 心理統計学の基礎についての講義
(2) 統計的検定(χ2検定,t検定,無相関検定)の基礎についての講義
(3) 統計的検定の課題実習
この科目の1単位めのレポートは,スクーリング期間中または8月16日(火)必着で提出することが求められます。受講生は『レポート課題集(3?4年次)』p.93?97,ならびに申込者に事前に送付される講義資料をよく読んできてください。
この科目の2単位めのレポートは,スクーリング受講後ならばいつでも提出できます。
●受講条件
スクーリング申込期日(7月1日)までに「心理学研究法I」2単位めのレポートを提出していること。なお,「心理学研究法I」2単位めのレポートは,1単位めが合格しないと提出できない。くわしくは,『レポート課題集(3?4年次)』p.94参照のこと。
日本文化史 高橋 美由紀
古代から近世末に至る日本文化の歴史的展開について講義します。教科書では,第1章「日本文化の見方」から第11章「町人文化とその思想」までが,該当範囲となります。基本的に教科書の内容にしたがって講義を行いますが,その過程で4つのレポート課題作成上のポイントについても詳しく説明します。
なお,受講する際には日本史の年表(特に指定はいたしません。手持ちのもので結構です)を持参し,随時参照するようにしてください。
公的扶助論 阿部 裕二
講義のテーマは,「豊かな社会における貧困の様相と生活保護の現状?課題」です。社会の基底的なセーフティ?ネットである生活保護の仕組みや現実は,豊かさのなかに潜在化し,十分に知られているとはいえません。しかし,貧困が私たちの生活上に直面する危険(リスク)の一つであるとすれば,貧困問題に対応する公的扶助(生活保護)は,年金や医療と同様に身近な制度ともいえるのです。そこで本講義においては,拡大しつつある貧困概念(様相)を踏まえながら,生活保護の考え方(目的,原理,原則など),制度の内容,そして現代社会における生活保護の課題について,受講生の皆さんとともに考えていきたいと思います。
※教科書をよく読んで出席してください。
総合演習 寺下 明
今日,日本が直面している問題や人類が共通して抱える諸問題の中で,特に教育と関連する問題のなかから,興味や関心のあるものを選び,それにかかわる研究を演習形式で行う。授業は,特に教科書等を定めず,文献?新聞?雑誌?インターネット等を利用しながら,受講生が自ら問題を提起し,資料をもとに分析?考察を加え,発表してもらう。その後,全員で議論しながら,現代社会の問題点への認識を深めていきたい。
受講生には,問題やテーマについての理解にとどまらず,いかに情報や知識を収集し,分析?検討した成果を発表し,討議を進めるかといったスキルを学んでほしい。そして,そのことを通して,世界的視野に立った,人間性豊かで,問題解決能力?実践的指導力などの能力を養うことをねらいとする。
※事前課題の提出が必要です。
社会保障論 阿部 裕二
社会保障は比較的新しい概念ですが,今ではすっかり定着し,われわれの生活になくてはならない基礎的な社会制度に発展しています。しかし,皆さんはこれまでじっくりと「社会保障とは何か」について考えたことがあるでしょうか?
本講義のテーマは「社会保障の考え方と仕組みを理解し,自分なりの『社会保障観』を構築しよう」です。わが国における社会保障は,少子?高齢化をはじめとするさまざまな環境の変化のなかで,構造的転換期を迎えています。その際,「私たちの生き方(価値観の転換)」も同時に問われています。そこで,講義ではこのような問題意識の下,社会保障の考え方や成立過程を考察しつつ,わが国の社会保障制度の現状と課題,そして少子高齢社会におけるあるべき生活保障システムを受講生の皆さんと共に考えていきたいと思います。
※教科書をよく読んで出席してください。
社会教育演習IV 寺下 明
教育は本来社会的なものであり,社会の発展にともなう教育の必要性が歴史的に社会教育と学校教育を生み出し,発展させてきました。今日,生涯学習の見地から,両者の関連があらためて問われています。生涯学習体系化の中で,学ぶ存在である人間の原点にたち返って教育を問い直すことがいま求められているのです。演習では,生涯学習社会における日本の教育の抱える諸問題や社会教育の理念や役割等について,発表したり討論したりしながら議論を深めていきます。
※スクーリング事前課題あり。
教育実習の事前事後指導(事前) 佐藤 暢芳?吉井 宏
平成17年度以降に教育実習を行う方に向けての事前スクーリングです。
8月6日(土) 13時20分?17時40分
1 教科「福祉」の内容について(講義)
2 指導案の書き方(講義)
3 指導案の検討(演習)
8月7日(日) 9時30分?16時10分
4 教材,教具について(講義)
5 指導案をもとにした教材,教具の活用について(演習)
6 まとめ(講義)
7 実習ガイダンス
事前指導スクーリングの前にとくに提出課題はありませんが,各自で指導案や教材?教具についての予習を行っておくとよいでしょう。なお,実習申込み者に送付している『教育実習の事前事後指導』が教科書なので,事前に読んでおいてください。また,スクーリング当日必ず持参してください。
交通機関の遅延(当日)が理由であろうとも遅刻?欠席すると,8?2月の実習の受講ができなくなりますので,余裕をもってご来校ください。
●受講条件
(1) 9月末日までに下記の単位を修得見込みであること
1)66条の6に定める科目
(1)法の基礎(日本国憲法を含む) (2)健康科学 (3)情報処理I
(4)コミュニケーション英語
2)教職に関する科目
(1)教職論 (2)教育原理 (3)教育心理学 (4)福祉科の指導法
(5)高等学校教育課程の意義と編成 (6)生徒指導論(進路指導を含む)
(7)教育方法論(視聴覚教育等を含む)
3)教科に関する科目
(1)介護概論 (2)介護実習事前事後指導 (3)介護実習
(4)高齢者福祉論 (5)児童福祉論 (6)障害者福祉論
(7)社会福祉原論(職業指導を含む)
(8)(9)社会福祉援助技術論I?III
(2) 実習前年度までに卒業要件単位を50単位以上修得していること(2年次編入学者は20単位以上)=大学既卒の方はこの条件は不要
(3) その他教育実習の受講条件を満たす方(『2?3?4年次履修登録の手引き』p.82?84参照)
●事後レポートあり
8月29日(月)必着 『レポート課題集』p.129?130参照
障害児教育実習の事前?事後指導(事前) 及川 隆?北岡 侃
養護学校における教育実習は,養護学校教員免許状取得のための学習の一部である。しかし,別の面からすれば,これまで大学において履修してきた障害児教育に関する理論や技術等を,実際の場で,生かし,確かめ,深める機会でもある。
教育実習者は,学生の身分としての実習ではあるが,現実には養護学校の一教員と同様の勤務を行うものであり,教育者としての責任ある言動をもって,実習に臨まなければならない。
実習にあたっては,現場で戸惑うことのないように,事前に,障害児への接し方や学習指導案の作成のしかた等の最小限の必要事項を学び,確認しておく必要がある。また,終了後は,実習の成果を,“理論と実践”の統合の視点からまとめる必要がある。
8月6日(土) 11時?17時40分
1 知的障害養護学校の理解
2 肢体不自由養護学校の理解
3 病弱養護学校の理解
4 障害児の実態把握の方法
8月7日(日) 9時30分?16時10分
5 学習指導案の作成
6 授業分析
7 観察記録の書き方?実習日誌の書き方
8 生徒指導?実習の心得
?教科書『障害児教育実習の手引き?改定第23版』(実習申込者に配布済)=事前に読んでおいてください。また,スクーリング当日必ず持参してください。
?事前指導スクーリング受講後8月29日必着での課題
『障害児教育実習の手引き?改定第23版』p.214?216の作成資料に基づき,指導案を作成する。
?交通機関の遅延(当日)が理由であろうとも遅刻?欠席すると,8?2月の実習の受講ができなくなりますので,余裕をもってご来校ください。
●受講条件
(1) スクーリング申込み期日時点で,養護学校教諭免許状取得に必要な基礎免許のうちいずれかの教職免許を所持しているか,または基礎免許取得のための教育実習を終了していること
(2) 9月末日時点で下記の4科目が単位修得見込みであること
(1)障害児教育I,(2)障害児教育II,(3)障害児の指導法,
(4)障害児の心理,または障害児の生理?病理のいずれか1科目
(3) 免許状取得にあたって本学通信教育部の卒業が必要な方は,9月末時点で卒業見込になりうること。
老年心理学 加藤 伸司
3日間で11コマの講義を行い,12コマめが試験となります。
講義では,「加齢」とはどのようなことなのかについて最初に学び,加齢に伴う身体機能の変化について基本的な点を学習します。それ以後は,感覚?知覚?記憶の変化などの精神機能が加齢の影響をどのように受けるのかについて考え,また知能の変化に関する研究法の理解や,高齢期に見られる認知症,高齢期と死の問題などを系統的に学習します。
スクーリング最終日の最後の1コマを使って,スクーリングで学習したすべての課題の中から各自が1課題を選択して試験を行います。
基礎英作文 窪田 美穂子
英和辞典と和英辞典を持参してください。
1コマ目から6コマ目はテキストUnit1から10までと英語談話室Iのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
7コマ目から11コマ目はテキストUnit11から20までと英語談話室IIからIVのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
※受講条件あり→冊子版『With 28』p.42参照
心理学概論(ビデオ) 佐藤 俊昭
心理学の講義は一つひとつのトピックは理解できても,それらが人の心を理解するという究極の目的にどのように関連づけられるのか,わかりにくいという傾向があります。そこで,スクーリングでは2つの目標を掲げます。
第1に,テキストをよく理解するためのお手伝いをします。まず,各章が何をわかってもらいたいと思って書かれているのかを要約して説明します。その上で,細かい基礎知識を整理します。そのときは,わかりにくかった点を,どんな些細なことでも結構ですから,遠慮なく質問してください。このような手続きを,テキストの章立てにしたがって順に進めます。どこまで進むことができるかは,いまは約束できません。
第2に,人のこころとは何か,こころの世界とは何か,なぜこころができたのか,それを心理学的に理解するとはどういうことかを折に触れて具体的に説明します。こころを理解しようとする学問は心理学だけではありません。文学も哲学もこころを理解しようとしています。では,心理学の特徴はどこにあるのでしょうか。スクーリングで一緒に考えましょう。
2003年度以降の教科書(『図説 現代心理学入門(改訂版)』)で講義を進めます。
福祉社会学 赤塚 俊治
超高齢?少子化,高度情報化,国際化が進捗して,家族関係や地域社会における生活環境が一層複雑な様相を呈している。こうした変革期の時代において私たちの社会生活にとって「本当の豊かさとは何か」を主眼におきながら講義を展開する。講義内容の具体的な視点として,現代社会が生み出す社会現象をより包括的に捉えながら,今日の生活問題を規定している諸要因やそれらの相互連関を体系的に究明する。特に国民生活のさまざまな社会問題に対応すべき社会福祉の援助過程に係わる社会的行為や社会政策などを社会学的な視点から現状分析することにする。そのための学習方法として,(1)社会学の一般的概念枠組みの理解,(2)現代社会の社会組織と社会集団に関する理解,(3)現代家族の変容と扶養機能の理解,(4)地域社会の変容と諸問題などを中心に講義を行う。その際,受講生の皆さんは,「事実?現実はいかにあるか」「いかにあるべきか?いかになすべきか」「それらはどこから」「どこにいこうとしているのか」を考察しながら講義に望んで頂きたいと思います。
(講義期間中は,プリントに沿って講義を進めますが,教科書を持参してください。)
臨床心理学 佐々木 千鶴子
臨床心理学は,学問としての歴史がまだ浅い分野です。学問としての誕生の社会背景を考えながら,自我心理学を中心に「心のしくみ」「心の成長」「心の問題」について,とりあげます。また,心理的援助に関する基本を,時間,空間など面接構造が与える影響について考えていきます。いずれも基本的内容ですが,概念をすぐにイメージすることは困難ですから,事前にテキストをよく読んでおいてください。特にテキスト「●2-2●各発達段階における課題と問題」の部分は精読しておいてください。
なお,一部ビデオを見ながら行います。また,参加者数によっては,ちょっとしたワークを行ったり,課題について小グループでディスカッションしてもらうこともあります。意欲的な学習態度と授業への積極的な参加を期待しています。
心理学実験II 村井 則子?西野 美佐子?白井 秀明?中村 修
心理学実験IIでは,心理学実験Iと同様に,下記の4実験を体験してもらう。すなわち,受講生は4グループに分かれ,毎日1グループ1種目ずつ,(1)実験のオリエンテーション (2)実験の実施 (3)データの整理?分析 (4)実験レポートの作成 という一連の作業を行う。これを4日間で4種目をローテーションして全種目を終える。
実験1 「系列学習法」(村井則子)
実験2 「鏡映描写」(西野美佐子)
実験3 「概念学習」(白井秀明)
実験4 「集団意志決定」(中村 修)
4つの実験レポートは,スクーリング期間内に提出することが望ましいが,やむを得ない場合は後日郵送でもかまわない(9月1日必着)。
さらに,スクーリング終了後,単位認定レポートを12月24日必着で提出してもらう。なお,心理学実験IIは,原則として,事前に心理学実験Iのスクーリングを受講済みの者のみが受講できる(p.42参照)。
詳しくは,レポート課題集p.229?233を参照のこと。
筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓を持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。
心理アセスメント(ビデオ) 渡部 純夫
(1) 正常と異常の判断は──私たちが正常と異常を区別するとき,どんな考えのもと判断を下しているのかを考えます。今まで皆さんは,なにを基準に判断してきたかを考えておいてください。
(2) 心理臨床家の視点は──では,心理臨床家は異常をどのような観点から眺めているのでしょうか。心理臨床家の視点に迫ります。
(3) 心理面接によるアセスメント──アセスメントのひとつである心理面接を通してどのようにアセスメントが行われるのかについての説明になります。
(4) 心理テストによるアセスメント──心理テストの使用には十分な経験と注意が必要になります。そのあたりについて踏み込んでいきたいと思います。
(5) 行動観察によるアセスメント──アセスメントには五感が365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@になります。五感をどのように活用していくのかについて考えていきます。
精神保健福祉援助技術総論 志村 祐子
精神保健福祉士資格が誕生し6年が経過した。今後はより質の高い専門職としての人材が求められてくることと考えられる。そこで,本講義では,精神保健福祉士がかかわる対象者の理解はもとより,専門性の本質的な要素として一般的にあげられている(1)価値(倫理を含む),(2)知識,(3)技術を精神保健福祉分野において理解することを中心におこなっていく。今回のスクーリングでは,社会福祉の実践の基本である原理や原則,対人援助の基本的な理解を個別援助を中心にVTRも用いながら講義する。受講者は,教科書の第2章,および111頁から115頁を熟読してきて欲しい。
精神保健福祉援助技術各論 大和田 誠子
精神保健福祉援助技術各論は,社会福祉援助技術を基本とし,疾病と障害を併せ持つ精神障害者やその家族に対する医療,保健,福祉にまたがる援助についてその理論と方法を学ぶことが目的です。
本講義では,主に精神保健分野における援助技法を具体的に学習します。精神障害者やその家族を対象にした実践であるが,ドメスティックバイオレンス?虐待への危機介入?PTSDの理解と対応等もいくつかとりあげる。
(1) 精神保健分野のケースワーク(事例?面接技法等)
(2) 精神保健分野のグループワーク(SST等のグループワーク体験)
(3) 家族への支援(D?V,虐待,PTSD等への理解と支援を含む)
(4) 精神保健分野のコミュニティ?ケア ケースマネージメント
テキストを基にし,以上の4点を柱に講義する。したがって,テキストを通読し予習が必要です。特に,序章を読み熟考しておくこと。
社会福祉援助技術論II 小松 洋吉
主な講義内容は,(1)社会福祉調査のこれまでの史的展開について学びながら社会福祉調査の現代的意義について考えてみよう,(2)実際の調査にはどのような方法があり,どんな長?短所をもちあわせているのか,なかでも面接調査の技法について学習する,(3)調査を行う場合の標本をどのように抽出するのか,標本抽出の意義と方法についての基本を学習する,さらに標本の大きさの決定について学ぶ,(4)調査票作成の基本とは何か,(5)調査したデータをどのように整理?分析するのか等について講義する。
社会福祉援助技術論I 山本 邦男
本講義では,社会福祉の目的概念や個別援助の方法について基礎知識を学びます。特に(1)ケースワーク発展の歴史,(2)個別援助技術の具体的な展開過程,(3)対象者のニーズや全体性把握を中心に,ケースワークの基本原理や価値,基本的態度など方法と技術について学習します。また,「医療と福祉」,介護保険における「ケアマネジメント」の具体的な事例を通して,インテーク(受理面接)や各種社会資源,「在宅ケア」における関連機関との連携の実際を学びます。
社会福祉原論(職業指導を含む) 田中 治和
スクーリングでは,配布資料およびテキストを用いて以下の〈目的〉ならびに〈骨子〉で行います。
〈目的〉
I. 社会福祉全般の概略的な理解を図る。
II. 社会福祉の理念(目的論と一般論)を,歴史的社会的観点から考える。
III. 社会福祉学の対象論および方法論について,吟味する。
〈骨子〉
(1) 日本の社会福祉史について─────全体の輪郭と肝要な細部
(2) 利他的行為について────────その特色と陥穽
(3) 社会福祉の目的と必然性について──社会福祉の存在理由
(4) 社会福祉の思想について──────人間観の創造と再生
(5) 社会福祉学方法論について─────人間理解の要諦
テキストを使用する場合は第3版で進めるが,第2版をもっている方でもとくに問題はない。
歴史考古学 吉井 宏
開講にあたって,まず歴史考古学とは何かについて話す。日本においては考古学といえば普通,いわゆる先史考古学を意味するが,欧米でも同じ認識なのか。先史考古学と歴史考古学との違いを紹介しつつ,歴史考古学が持つ今日的な意義にまで触れてみたい。
その意義と深くかかわるものとして,古代遺跡の中から第一に取り上げるのが宮都である。飛鳥京から平安京までを順次紹介する。続いて形成期古代国家の国家意識を象徴する山城について述べる。寺院,集落についても触れてみたい。
中世は,いわば分権の時代である。そのことを象徴する遺跡として都市と城館を取り上げるが,城館については歴史考古学研究法に触れながら紹介してみたい。また,遺物としては陶磁器と銭貨を個別に取り上げる。