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VOL.25 JANUARY 2005

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[心理療法] スクーリングを終えて

教授
宇田川 一夫

◆スクーリングを終えて

 年末にもかかわらず,3日間のスクーリングを熱心に受講する姿勢に感銘を覚えました。
 「心理療法」という学問は基本的には「事例研究」にたどり着きますが,ほとんどの方は「心理療法」の経験がない方が聞いていたのではないかと推察いたします。実際の心理療法は,クライエントの人権の尊重ということもあり,「ブラックボックス」の中にあります。したがいまして,「泳いだ経験のない人」に「泳ぎ方」を根ほり葉ほり3日間,説明したのと等しいのではないかと思います。感想文の中にも「何を講義しているのかわからない」と言う感想を書いた方もいらしゃいましたが,私も「そうだろう」と思います。
 ただ,私のスクーリングの方向性は,皆さんが,日々「本」を中心に学んでいるので,スクーリングでしかできないより実践的な講義と体験学習を取り入れました。
 受講生が多数でしたので,マイクを使うこととなりましたが,私の話し方やマイクを離すクセがあるようで聞きづらかったことをお詫びいたします。スクーリングの感想にも多くの方がそのことを書いているので自分でもどうしてなのか考えましたが,「教室の反響音により,コンマ何秒後に自分の声が聞こえてくること」もひとつの原因ではないかと考えました。つまり,行動療法で「吃音」の治療に使う方法が,あの教室において「条件刺激」が整っていたことを見落としていました。「吃音」を治す方法は,「吃音」も発生させることができしますが,あの教室自体が,「治療効果(?)がある部屋であること」に気づきませんでした。
 なお,心理療法という名称が示すように,現在心理療法を受けている方や深刻に悩んでいる方には受講することをあまりお勧めしません。なぜなら,自分の問題と絡むところだけを「断片的理解」してしまう危険があるからです。

◆ノートを取ることの大切さ

 試験の答案を見ると,「暗記」することが「勉強である」と理解している傾向が見られます。確かに「暗記」することは大切な作業ですが,ただし,そこに留まってしまうとそれは「丸暗記」や「棒暗記」の域をでません。暗記したものを次にその「意味すること」を理解し,わからない点を考えたり,ハッと新たな考えが出てきたりすることが大学の「勉強」と思われます。
 答案用紙を見ると,「記憶」をたどりたどり書いている答案が見られますが,読む方からすると文意が飛んでしまいます。その要因は,教員が板書に書いたことしかノートに書いていないからだと思います。大学の授業は,時間との関係から,板書には要点だけしか書きません。それに関することは,口頭で説明します。もし,その説明をノートに書き込まず,板書に書いてあることだけしか書いていないとしたならば,ノートを振り返って見直しても,その意味することがわからず,結果的にただ「丸暗記」することになってしまいます。
 大学では,先生の話すことを自分のノートに「口述筆記」することで,はじめてその意味することが理解でき,学ぶことができます。このように作成したノートは,講義後,自分で読み直しても「意味を把握しながら理解すること」ができ,自分の「宝」となります。
 最終日の試験に対して,「勉強方法がわからない」,「明日の試験準備をどうしたらら良いのか分からない」,「参考書を指示して欲しい」等の意見がありましたが,それは自分で理解しやすいような講義のノートを作成しなかったからであろうと思います。板書以外に講義の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@点を筆記し,まとめた「マイ?ノート」ほどすぐれた「参考書」はありません。
 せっかくのスクーリングですので,講義のノートを取るよう心掛けて受講することをお勧めいたします。

◆レポートの作成

 レポートの全体の傾向は,「引用」と「要約」が多い傾向にあります。
 「引用」は,自分の文章をより意味づけしたり,明確にするために使います。しかし,引用が,主文になっているレポートが見られます。インターネットの発達により,情報が受け取りやすくなりましたが,情報の羅列は,レポートではありません。受け取った情報をいかにかみ砕き,自分の考えに取り入れて文章化するかが,勉強と思われます。
 また,課題を書くあたり,参考文献に書かれてある内容を「要約」するだけのレポートも見られます。確かにある理論を把握するには,365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なことを要約して理解することが必要です。ただし,この段階では,レポートの作成には至っておりません。365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な要点を理解した上でレポート課題にどのように論理的展開をしていけばよいのか,自分なりにまとめた「要約」を活用してレポートを作成します。うまくレポートが展開しない場合は,与えられた課題に関して365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なところを再び調べ,要約する作業が必要となります。つまり,勉強とは,「結果」ではなくその「過程」といえます。
 別な表現をすれば,勉強の苦しさや楽しさは,ちょうど「ウナギをつかまえる」ことと似ているかもしれません。つかまえた(理解した)と思ったら,スルリと逃げられ,その悔しさから今度こそはとファイトがでてくる,その過程をイライラしたり,投げ出すことなく,忍耐強くチャレンジすることが大切と思います。「引用」や「要約」のみのレポートは,「標本になったウナギ」(結果)の提示と同じです。自分なりのウナギをつかまえるまでの苦しさと楽しさを体験してください。

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