【通信制大学院コーナー】
平成16年度通信制大学院修了者からのメッセージ3
通信制大学院で学んで
社会福祉学専攻 S.M.
私の人生を振り返ってみると,何回かの転換期がありました。そのひとつが2年前の東北福祉大学通信制大学院への入学でした。介護福祉士養成校での教員生活10年目の決断でした。近年は大学院卒の若い教員が次々と入ってくる中で,過去の学歴と経験に基づく教員でよいのかという自問を絶えず持ち続けてきました。そのような時に通信制で大学院へ行くことが可能であることを知りました。最近の社会福祉の動向を捉え,さらに確たる専門性に裏付けられた教員としての質が求められる時代になってきていることから,自らが再び学び,さらに学生に還元することができればとの思いでチャレンジしました。兼業学生でしたが30年ぶりの学生生活は,時間的には厳しかったものの緊張感をもって楽しむことのできた2年間でした。
修論の取り組みで工夫したことは,指導教授に電子メールで毎週報告したことです。これは先生からの指導ではなく,私から週1回の報告をしますと提案をしました。先生にとっては煩わしいことだったと思いますが,この報告に対して先生からは必ず返事をいただくことができ,取り組みに対するチェックと必要なアドバイスを受けることができました。
このねらいは,週1回の報告を自分に課すことで,やらなければいけない状態を作ることでした。1週間に何もできなく進まなかった場合にもそのことを報告し,次週はその分の遅れを取り戻すべく頑張るようにしました。途中何度か中断はありましたが,1月の修論提出まで続けました。その結果,このメールの記録がそのまま先生からの修論指導の記録となりました。論文の進捗状況を報告することで,どのような点でいきづまっているか,研究を進める上での問題点や疑問点等が明確になり,さらに自分の考えをまとめる上ではとても効果的な作業となりました。直接指導を受ける機会が少ない通信制の場合には,電子メールというツールが即時性という点で365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なものでした。
次に修論の取り組みで365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なことは図書館の利用でした。先行研究の論文の多くは図書館を経由して入手しました。指導教授が決まり,1回目の面接指導では,同じテーマの先行研究の精査?分析,先行研究の問題点,疑問点を発見するようにとのアドバイスをいただきました。このことから自分では直接入手できない先行研究の論文の多くを図書館に依頼し他大学の図書館などから取り寄せてもらいました。今になって考えると,入学式後にあった図書館利用についてのガイダンスはこのためだったのだと合点しました。
どれだけ多くの論文を読んだかが,自分の論文にも質的に反映されてくるように思います。関連する論文を見つけ出し,内容を把握することはとても時間を要する作業です。しかし先行研究の論文を丁寧に読み,理解することは,この後にくる自分で論文を書く段階になるとその土台となるものであり,とても365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な取り組みとなりました。先行研究調査や論文作成にこれから取り組もうとする方は是非,図書館の利用をお薦め致します。
最後に2年間で修了できた事の理由として,大学側のサポート体制があげられます。そのひとつが,2年になってすぐ,『With vol.18(2004年4月)』の中で「通信制大学院修了者からのメッセージ」があり,修了された先輩の体験談が載っていました。その頃は第1回中間レジュメの提出の準備をしなければいけない時期になっているにも拘わらず,思うように進んでいない状況で,一瞬ですが2年での修了は無理かもしれないという思いがよぎりました。そのような時に,2年間で大学院を修了した人がいた事を知り,その頑張りへの驚きと同時に,もしかすると私にもできるかもしれないという一筋の光が見えてきたことです。このことが私の大学院時代の大きな転換期でした。
また,毎月送られてくるこの『With』では,「悩んでいること,わからないこと等どんなことでも問い合わせて下さい。」,「あきらめずに頑張って下さい。」というメッセージがありあました。1年目でレポートを提出している段階ではこのメッセージの365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@性は理解できませんでした。しかし,第1回,第2回中間レジュメの提出期限が迫ってきた頃から,このメッセージの存在の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@性を理解するようになりました。修論提出まで残すところ6ヶ月しかない2年目の8月以降は時間との戦いでした。思うように進まなくなってくると,事務局からの「あきらめないで頑張って下さい。」のメッセージがどれほど励ましになったことか……。最後まであきらめないことでなんとか提出に至りました。
ようやく修士論文を書き終え,修了して感じたことは,これは終わりではなく,これからさらに研究を深めていく始まりであるということです。大学院の2年間はその準備期間であったと思います。大学院の修了が,また,私にとっての新たな転換期となりました。
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