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VOL.56 NOVEMBER 2008

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[社会福祉援助技術現場実習] まじめに努力してきたから 信頼できる仲間と仕事ができた

社会福祉法人ふじの実会 知的障害者更生施設ふじの実学園 副園長
(社)岩手県社会福祉士会 権利擁護センター「ぱあとなあ岩手」運営委員長
本学社会福祉援助技術現場実習巡回指導教員
 小野寺 主

◆はじめに

 私の住む町は,平成の大合併から取り残された人口一万人を切る山間の農村です。小学,中学,高校と何も考えずに地元の学校に通い,大学進学など考えてもいなかった私に「四年間無駄飯を食え」と年配の先生の怒るような助言がありました。無駄飯を食うなら人と関わる仕事をしたい。これが本学への進学理由であり,卒業後の今の私の起点だと思っています。

 卒業後,岩手県社会福祉事業団に就職し,障がい児(者)施設二カ所に勤務後,私の生まれ育った町に新しく開設された,障がい者施設で働くようになりました。

 この町の人も施設の職員も,皆さんコツコツと頑張っていました。私も頑張っていたはずですが,何か心に物足りなさを感じていました。無駄飯を食っただけの自分の努力が感じ取れませんでした。

◆仕事ができるとおもしろい

 岩手県社会福祉事業団での勤務は,多くの先輩から「学ぶ」ことが仕事のようで,遅れないように,笑われないように努力しました。本学の同期生も職場に多く,愚痴を語り合い,切磋琢磨しました。

 新しい施設に先輩はおらず,職員は皆一年生です。「学ぶ」姿勢から貪欲に「獲得」する姿勢に私は変わっていきました。前職場に通い先輩を捕まえ,酒を飲みながらでも,施設に不足していること,私に不足していることなどを教えていただきました。

 仕事ができるようになると面白いものです。利用者に関わる中心的な部門で仕事のできる喜び。達成感を味わえるのです。

 しかし,数年が経過し,施設の運営が軌道に乗り始めた頃,不満とともに,徐々に無駄飯を食っただけの自分の努力が見られなくなっていました。

◆社会福祉士として

 丁度この頃,社会福祉士という目標を見つけ,第4回社会福祉士国家試験に合格することができました。岩手県社会福祉士会の設立にも関わることができ,障がい者や高齢者,児童など多くの分野のスペシャリストが集まりました。

 社会福祉士会では,職場では経験することのなかった,啓蒙活動,研修会の企画,調査研究など夢中になれる活動が溢れていました。

◆成年後見制度への取り組み

 成年後見制度は,判断能力が不十分な方々の権利や財産そして生活を守る大切な制度です。

 私は10年前,(社)日本社会福祉士会で実施している成年後見人養成研修を受講し,現在は(社)岩手県社会福祉士会 権利擁護センター「ぱあとなあ岩手」の運営委員長としての役割を担っています。ぱあとなあ岩手の会員は31名,後見人などの受任件数は29件です。決して多い数ではありませんが,10年間私たちが岩手の地で権利擁護に取り組んできた活動の一つの結果です。

 ここ数年,家庭裁判所からの後見人候補者の推薦依頼が急増しており,依頼に答え切れない状況になっています。一人でも多くの社会福祉士が後見人養成研修を受講し,後見人などとして活動できるように働きかけるとともに,現在受任している会員への支援として,事例検討会や会員間の情報交換にも努めています。

 後見人などを受任している会員は,判断能力が不十分な方々の権利や財産を守るために,本人の代弁者として,本来の職場の業務を調整しながら活動しています。

 後見人などとしての社会福祉士は,本人の生活を守る身上監護を得意とし,ここにソーシャルワーカーとして誇りと自信を持って活躍しています。これからの地域社会において,一人一人を支える大切な役割だと考えています。

◆おわりに

 現在,私は障がい者施設で副園長として仕事をしています。障がい者の地域生活への移行,安全?安心?健康への配慮など,そして労務?施設管理など苦悩の多い仕事を持ち,自分がよく頑張っていられるなと思います。

 さらに,職場を離れ社会福祉士として成年後見制度に関わり続けている自分を振り返ると,自分の努力があってこそ,信頼のできる仲間と仕事ができてくることに気がつきます。

 また,無駄飯を食べた四年間が,私の背中を押し続けています。

 学生の皆さん,ソーシャルワーカーとして,地域の中での自分の役割,価値を見つけ,努力なされることを期待します。

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