【卒業生のその後】
平成20年10月末に,平成18年3月?平成20年3月の過去5回の卒業生(839名)を対象に郵送によるアンケート調査を実施しました。平成20年11月25日現在,有効回答数327件?回収率39.0%をもとに,通信教育部卒業生のその後を一部ご紹介いたします。
通信教育部の学生はすでに職業をもっている方も多いため,卒業時点で転就職を行う方はごく少数ですし,転就職を行う必要がない方も大勢いらっしゃいます。職場や家庭で学んだことをどのようにいかしているかや在学生へのメッセージも合わせてお聞きしました。
1 社会福祉士取得者の転職?就職状況
67人/172人(回収率39.0%)
2 精神保健福祉士取得者の転職?就職状況
48人/129人(回収率37.2%)
3 卒業生の進路状況?在学生へのメッセージ
卒業生からお答えいただいたアンケートの自由記述の一部を紹介いたします。誌面の関係で一部しか紹介できておりませんが,これ以外にもさまざまなメッセージをいただいております。
■1 社会福祉士国家資格を取得し,転就職した方の声
- 社会福祉士国家資格試験に一回で合格。現在は障害者福祉施設で正職員として従事しています。通信教育で学んだ内容のほとんどが,毎日の仕事に役立っています。東北福祉大通教は,内容ももちろんですが,スクーリングや科目修了試験も仙台だけではなく各地で,しかもスクーリングは土日祝日を中心に2?3日単位でやっているので,本人のやる気さえあれば,必ず卒業は可能と思います。(40歳代 男性)
- 社会福祉士合格後,老健の相談員になりました。福祉の仕事は初めてなので,毎日悪戦苦闘しています。給料が低い点は困りますが,充実しています。(40歳代 男性)
- 5月から急性期の病院で医療ソーシャルワーカー(MSW)をしています。40代半ばで医療現場デビューは正直けっこうしんどかったですが,苦しくなるとき思い出すのが,いつも「社会福祉原論」のレポートです。じっくり自分の福祉の考え方,目指すところを考え,その時,確信した自分の熱意を呼び起こして原点に立ち帰っています。自分の福祉観というのは大切だと実感しています。(40歳代 女性)
- 来春転職予定で,別法人の特養(特別養護老人ホーム)介護職として就く予定です。いずれは社会福祉士としての資格や知識を活かした業務への異動も希望しており,転職先にも意向は伝えてあります。大学で学んだ対人援助の学びはとても365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な技術だと感じています。相談員であるとか介護職であるという以前に,対“人”とのかかわりで,活用できる内容であり,充実した学びをすることができたと思います。(40歳代 女性)
- 医療業界で仕事をしてきましたが,福祉大卒業を機に,特養で,パートをしております。福祉業界の問題点に,毎日ぶつかりながら,葛藤しながらの毎日です。(40歳代 女性)
- 念願だった社会福祉士の試験に合格し,仕事(障害者就労継続支援?生活介護)に就くことができました。たとえ初心者でも,即戦力としてみなされますから,大学で学んだことは無駄ではなかったし,私の財産となっていると思います。私も先生方のようにしっかりした人権感覚や,豊かな知識を持てるようになりたいと励まされております。(30歳代 女性)
- 再就職のために,大学に入学しました。社会福祉士に合格し,勉強を生かせるような仕事(地域包括支援センター)に就くことができました。実務に就いて,とまどいやつまずきもあります。知識はあればあるほど財産になりますので,前向きに学習に取り組んで下さい。(30歳代 女性)
- 現在は特養で生活相談員をしています。今の職場は年内で退職し,来年からは地域密着型の特養で生活相談員(開設は来年5月ですが)として働くことになっています。資格を持っていることだけで満足するのではなく,入居者や家族のために少しでも力になりえる,身近な存在としての生活相談員となれるよう,考えながら努力しています。(30歳代 女性)
- 国家試験(社会福祉士)の合格が決まってからの就職活動だったので,自分自身が自信を持って活動することができた気がします。現在は地域ケアプラザで働いています。私の仕事は,子どもから高齢者,障害者と中学校区に住む地域住民すべてが対象であり,毎日様々な人と接することができ,その点で自分のやりたい地域福祉の分野に携わることができていると思います。また,介護相談や成年後見制度の活用,虐待事例のケース会議など,日々勉強ができる環境に身を置いていられることに,大変ながらも充実を覚えています。(20歳代 女性)
■2 精神保健福祉士国家資格を取得し,転就職した方の声
- 私は,今年の4月に精神科クリニックに就職しました。昨年取得したPSW(精神保健福祉士)の国家資格があるだけで,この不況?就職難の中,50歳近くになっての正職員採用です。有難いことです。(40歳代 女性)
- 私は,今年8月に転職し,知的障害者と高次脳機能障害者を対象とした就労支援センターにて精神保健福祉士として支援を行っています。今まで障害のはざまの人々と言われてきた高次脳の方々の就労支援は難しいところもありますが,とてもやりがいもあり,毎日充実しております。(30歳代 女性)
- 卒業と同時に希望の仕事(グループホーム正職員)を得ることができました。40歳という年齢もあり,転職は正直かなり難しいと思っていましたが,いろいろな所を事前に見学したり,研修等に顔を出しているうちに今の職場の所長に顔と名前を覚えてもらっていたことが内定につながったように思います。少しでもメンバーさんのためになれるよう日々勉強だと思っています。(40歳代 女性)
- 現在は,障害者職業センターに非常勤で勤務しています。精神障害の方の就労支援や,復職支援を行っています。余談ですが,現在の勤務先に今年入職された方は,東北福祉大の卒業生です。(40歳代 女性)
- 卒業後,行政の嘱託として相談員を1年間経験し,現在は地域の福祉施設で精神保健福祉士として勤務しております。大学で学んだ権利擁護の視点を大切にして地域生活支援にあたりたいと思います。(40歳代 女性)
- 在学中に心理学の授業を聞いて,自閉症児のいる現場に立ちたいと思っていました。今年度,住んでいる市で初の自閉症児専門学童ができると知り,すぐ問い合わせ,指導員をしたいと申し出ました。そして今,かわいい子どもたちに囲まれ,指導員をしています。目標を実現するために努力し,行動することで将来は開けていくと思います。(20歳代 女性)
- 在学中に精神の仕事について3年になろうとしています。その間,国家試験も合格しました。自立支援法で移行問題が当施設内でも話題になりますが,常に利用者のニーズと状況を把握しながら,共に良き道を進んでいきたいと思っています。(30歳代 女性)
- 国家試験取得見込(社会福祉主事任用資格のみ)では面接までなかなか進まず,精神保健福祉士と社会福祉士の合格発表後の4月に面接を受けた法人に採用されました。現在は精神障害者地域生活支援センターにおいて相談業務を実施しています。(50歳代 男性)
- 歳が40過ぎてから資格を取ったものですから福祉の現場の経験がないことも災いして就職は苦労しました。現在NPO法人で働いています。スクーリングで知り合った方とは今でも連絡をとりあっています。(40歳代 男性)
■3 学んだことをいかして転就職した方の声
- 今年の4月より各学校に1名ずつの「特別支援教育指導補助員」を配置することとなり,その際の募集で資格に教員免許があれば優先されるとありました。私は,その免許はなかったのです。東北福祉大の通信教育を学び卒業したことが評価され採用されました。この4年間,頑張った甲斐があったと,とてもうれしかったです。(50歳代 女性)
- 現在,私立高校のスクールカウンセラーをしております。カウンセラーと言っても実際の内容は幅広く,精神保健福祉士で学んだ視点は大変役に立っています。カウンセラーだけではなく,ソーシャルワーカーもしている感じです。(30歳代 女性)
- 通信教育部で教職免許をとり,スクールカウンセラーになるべく大学院への進学を考えていたところ,住んでいる市のスクールカウンセラー研修生として研修中です。こちらは来年2月に終了し,4月からたぶん(!!)派遣されることになりそうです。大学院への進学も考えています。(30歳代 女性)
- 現在,非行少年および保護者の方に対しての相談業務を主として働いています。仕事をしていくうえで,通信教育部で学んだ多くのことが役立っています。例えば,発達心理学の知識,障害児の心理や青年期の心理などは,仕事をしていくうえで,なくてはならない知識であり,より一層の勉学が必要であると感じます。相談者の立場に立った援助のあり方を追求することは,通信教育部在学中に学んだ一番大きなものだと感じています。(20歳代 女性)
- 利用者の心の声をもって聞きたい…そう思い通信教育の門をたたいて5年。福祉従事者の新人であった私も中堅になりました。認定心理士を取得し,今職場では「心理担当職員」に配置する話も出ています。自分のために勉強させていただいたことにより,資格や環境がついてきているような気がします。卒業できて本当によかったです。私のような気持ちを一人でも多くの人に味わってもらいたいと思います。(40歳代 女性)
- 「傾聴ボランティア」を今年4月に立ち上げて,ボランティアとして活動しておりました所,施設の方から「ボランティアだけでなく仕事もした方が良いでしょう」と言われ働くことになりました。「傾聴ボランティア」を立ち上げるのに,認定心理士や卒業後取得した産業カウンセラーの資格をいかすことができ,大変満足しております。(50歳代 女性)
- 現在,福祉事務所?相談担当として勤務して2年目になりました。今年度から社会福祉主事になることができました。保育士として,保育所,母子生活支援施設に30年近く勤務しました。卒業資格を取得したことにより,異動希望を提出し,異動することができました。(50歳代 女性)
- 在学中,パートとして現職場に転職し,卒業後今年の春から常勤になりました。常勤として関わることで福祉の現場の現状の厳しいことが良くわかります。利用者のニーズに応えるためにはどうしたら良いか? 職員の数が不足しているのではないか? 毎日が悪戦苦闘です。(40歳代 女性)
- 介護老人短期入所施設に就職しました。介護経験が全く無かった私は面接時で相談員になることを希望しましたが,介護職に就いて経験を積んでみては?と言われ,介護職の道にすすみました。やはり介護経験が無いと相談員に就職するのは難しいと思います。いつの日か相談員として活躍できるよう日々自分のスキルアップを目指していきたいと思います。(20歳代 女性)
- 社会福祉協議会の契約社員として配属(着任)しました。東北福祉大学卒業をしたから障害児も扱えるだろうということで配属されました。仕事(学童)では福祉大で学んだことやノーマライゼーション精神など活かすことはたくさんあります。とっても役にたっています。(20歳代 男性)
■4 学んだことをいかして起業されている方の声
- 地域内の高齢者の夕食宅配(市の助成事業)をスタートさせましたが,来春以降は,これを中核としてさらなる展開をしていきたいと検討中です。4年間通教で学んだことが生かされているとすれば,一つのことを50歳過ぎてもやり遂げたという自信が心の糧となり得たこと。それはこれからの人生において,やりたいことにチャレンジする気持ちがあれば,何でもやれるという確信につながっていくと感じています。(50歳代 女性)
- 経験と資格があったので,基礎を大学で学びケアサポート関連で独立しました。(30歳代 男性)
■5 学んだことをいかしてボランティアをされている方の声
- 体験学習をした特別養護老人ホームで,毎月の園芸作業等のボランティアに参加しております。また,市の総合基本計画審議会委員に選任され,来年2月より会議が始まります。大学で学んだ社会福祉関係について,市の計画に役立てていきたいと考えています。(60歳代 男性)
- 卒業後は精神障害者(統合失調症)を支援するボランティアグループに所属しています。以前と違って平常心で障害を持っておられる方たちと接することができるのは,大学での勉強で自信を得たからではないかと考えています。これからは,家族関係の勉強もしてみたいし,おとしよりの施設やホスピスでの話し相手などやりたいことがいっぱいあって定まらずにいます。(60歳代 女性)
- 平成19年4月より,市社会福祉協議会の指定を受け,町内において高齢者の集まりを主宰しています。会の運営では,特別養護老人ホームにおける実習で学んだことを基本に,老人福祉論や医学一般の知識を活用しています。また,家事?民事調停委員を委嘱されていますが,調停においては,援助技術の面接技法や社会保障制度,児童福祉,心理学などの知識が役立っています。(60歳代 男性)
■6 社会福祉士国家資格を取得し,現在の職場でいかしておられる方の声
- 入学前からの仕事はケアマネージャーですが,スキルアップを目指して入学しました。卒業年の国家試験は失敗しましたが,2年目に社福士とPSWを同時に合格することができました。50歳過ぎてからの入学で大変躊躇した思いがありますが,通信教育に飛びこんで良かったなと今は考えています。(50歳代 女性)
- 関係機関との調整をはかりながら,利用者の目線を忘れないように心がけております。(30歳代 女性)
- 専門職としてあるべき姿,考えるべき視点,支えあう心等,貴大学で大切な部分を学ばさせていただき,またこの点で現在の職においても大変生かされております。(30歳代 男性)
- 在学中,学んだことで現在,職場で心がけていることは,(1)「いつも弱い人の立場で考える」ということです。また(2)支援の仕方も一人として同じケースはなく,それぞれに合った支援?介助を心がけています。(30歳代 女性)
- 現在勤めている施設以外の同じ地域に存在する社会資源,様々な法律等の理解(具体的な)ができるようになり,実践するうえでの基本的な土台が作れたと思います。(20歳代 女性)
■7 精神保健福祉士国家資格を取得し,現在の職場でいかしておられる方の声
- 私は卒業後も転職せず,福祉職に就いています。対人援助の折々で学習したことが思い返され,根拠に基づいた対応を踏むことができると,その成果を実感しています。(30歳代 女性)
- 在学中は現在の職場の臨時職員,卒業?PSW資格取得後は正職員として働いています。(20歳代 女性)
- 私は看護師ですがPSWの資格取得後,精神科で働いています。学んだ知識が役立つことも多く,毎日楽しく仕事をしているところです。今後,いつかはPSWの仕事もしてみたいのですが,しばらくは今の職場で頑張っていきたいと思います。(20歳代 女性)
- 介護に関わる仕事を続け,その利用者,家族の方たちの中に精神障害,心の悩みを抱えている方がいます。精神保健福祉士として看護師として地域に役立てること又地域のネットワークにかかわることを考えています。(40歳代 女性)
■8 学んだことを職場でいかしておられる方の声
- 私自身は,児童関係の仕事をしており,今でも教科書やスクーリングのレジュメを見ながら仕事に向かっている毎日です。(30歳代 男性)
- 保健師をしていますが,障害に対するとらえ方,心理学の知識など,とても役に立っています。(40歳代 女性)
- 高齢者が多くいる病院で歯科衛生士として勤務しています。認知症の方も少なくなく,高齢者の心理や福祉的な人の理解の仕方を知ることで配慮に深さが生まれたと思います。(40歳代 女性)
- 大学で学んだことは,今の仕事でとても生かされていると感じます。特に,援助技術で,「本人を飛びこえない援助」「実態把握が何よりも大切」という言葉は,実際の相談場面で何度もふり返り,慎重になることを教えてくれます。(30歳代 女性)
- 教員をしていますが,本学で学んだ内容は生徒と向き合う上で非常に参考になる知識として生かされています。(40歳代 女性)
- 勉強ばかりではなく,同じ思いの仲間達から得る収穫も大きいものでした。(50歳代 女性)
- 卒業で自分自身に自信がつきました。また,職場の上司等に認められ給与面で大学卒業扱いにしていただきました。(40歳代 女性)
■9 学んだことを日々の生活でいかしておられる方の声
- 今は高齢の母と叔母の生活の手助けをしています。身内だと抑えつけてしまったりしがちですが,老年心理学で学んだことを思い出しています。受け入れることを心して生活しています。(50歳代 女性)
- 障害児を育てております。自分を持ち続けるために,人の気持ちを受け取るために,もちろん障害者の心へ寄り添うために,とても大きなものを得ることができた学業でありました。いつしか,人の支えになることができるような自分みがきを続けていきたいと思っております。(40歳代 女性)
- 卒業したということが,自分の人生において,大きな自信となりました。(30歳代 女性)
- 勉強を通し,人生への巾や人生の豊かさといったことが得られる気がします。「学ぶたのしさ,知るよろこび」を勉強によって得たのです。福祉関連従事者でない私が今年卒業できましたことに大きな達成感があり,言葉では言い表すことができないほど,大変なよろこびでした。(60歳代 女性)
■10 学びのコツ?在学生へのメッセージ
- 通信教育で学ぶ際に一番365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@であったのは,時間管理を自分自身でしっかりとする必要があるということです。いつでも勉強できるという気持ちは,いつまでたっても何もしないことにもつながります。卒業までの大きなスケジュールをたてるとともに,実行可能な(実行しなくてはいけない),短い目先の目標をつくっておくことが大事だと考えます。
目的を持って学びはじめたからには,自分自身に負けないで,意志を強く持って卒業まで頑張ってほしいと願います。(50歳代 男性)
- 様々な年齢,職業の方と勉強でき,刺激を受けられたことが,一番心に残っています。勉強は自分で締切りを作ることが一番効果的だと思います。○月○日までにレポートを発送する!という気合いで頑張ってください。(20歳代 女性)
- 「何のために」という目標を見失うことなく,コツコツとマイペースで取り組んでいくことが良いと思います。(40歳代 女性)
- 学ぶことを楽しみながら,目標に向かってがんばってください。(40歳代 女性)
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