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VOL.58 MARCH 2009

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【5月科目修了試験のご案内】

【春期スクーリングIII?IVのご案内】

【オンデマンド?スクーリングのご案内】

【通信制大学院コーナー】

【4月新入生の方へ】

【お知らせ】

【卒業と資格?免許状取得のために】

【教員?卒業生からのメッセージ】

【ひろば】

【教員?卒業生からのメッセージ】

卒業生からのメッセージ

卒業を迎えることができて 社会福祉学科 Y Aさん

 「卒業」,なんて素敵な響きでしょう。かつて尾崎豊が「卒業」という自分の歌の中で,「この支配からの卒業」と謳っていましたが,四十路半ばからの大学の勉学は,正直自分にとって辛い時もありました。そういう意味ではあの歌のように,窮屈な生活からの開放という意味で少し嬉しい気持でもあります。

 私は長年サラリーマンをして来て,9年程前に縁あって地元の精神科クリニックに勤めることになりました。グループホームやデイケアを担当する事になったのですが,全てが初めてのことで,カルチャーショックの連続でした。入居者やデイケアのメンバーの皆さんに対し,対応の失敗も多く,今考えると大変申し訳ないことをしていました。「資格はべつに必要ない!」という上司の弁もあり,私は日々経験の中から学んで行けばいいんだなと思っていました。そんな中で,ある日,自分の担当していた入居者が未遂事故を起こしてしまったのです。この事件をきっかけに私は,福祉と障害者心理を学問としてしっかり学ぼう,そして実体験と学問の両輪で自分を向上させて行こうと思い,福祉大の門を叩くことになったのです。

 でもそんな高かったモチベーションも,1年,2年と経ってくると段々と机に向うこと,レポートを課題に沿って書き上げることが億劫になり,学習のペースがどんどん落ちて来たのでした。神様は意地悪なもので,そんな時にこそ家庭や仕事でも様々な問題を投げかけて来ます。2年の時には,父が末期の癌になり,その二年後には他界しました。皮肉にも病院の父のベッドの脇で私は,老年心理学の死生観についてのレポートを書いていました。「おまえにこの気持ちが解るのか」というような,少し笑ったような穏やかな死顔でした。更に,その年家が火事になり,半年程の仮住まいを余儀なくされてしまいました。また,勤務先でも,自分の仕事が大幅に変わり,かつ障害者自立支援法の施行にともなう事務の煩雑さに追われレポートを書くことを何度か中断することもありました。そんな中,同期入学の仲間が次々と実習を終え卒業して行き,焦りと自己嫌悪で何度も退学することも考えました。

 そんな時,心の支えになってくれたのが通教(福祉大通信教育学部)の仲間だったのです。時には厳しく,「何やってんの!皆で一緒に卒業するよ!」と叱咤激励してくれた友,また,「いいよ,通教は各々のペースで学んで行けばいいんだよ!」と優しい言葉を掛けてくれた友,言葉は各人違っても,どれも暖かく嬉しく私の心に残っています。いろいろな方々と友人になれ,スクーリングの初日は情報交換と称しては飲み会になったり,またバレーボールのスクーリングの仲間とは,クリスマス会まで開き,12月25日に各県から集まるという盛り上がり様でした。「あんた,何しに大学にきてんの?」と言われそうですが,私は,大学に福祉を学びに来ているのであり,そんな交流も勉強の一つであり,沢山の学友を全国に作ることができ,本当によかったと思っています(ちょっと開き直ってますかね)。実際,今でもすでに卒業した仲間と施設運営や福祉の連携などについて相談し合い,情報を交換させてもらっています。

 私が『With』に投稿しようと思ったのは,何を隠そう5年以上もかかって卒業する私のような者でも立派に卒業なんだと,今レポートの遅れや諸処の事情で休学や退学を考えている後輩諸君に少しでも元気の出る言葉を送りたかったからです。決して偉そうなことは言えませんが,最終ゴールさえ見据えていれば少々の回り道は許されると思います。頑張ってくださいね。

 最後になりますが,長い間暖かいご指導をいただきました先生方,天邪鬼な私と6回もレポートで問答していただいた某先生,そして,いつも連絡事項など丁寧に教えてくださった事務局の先生方,大変お世話になりました。この歳で,大学のキャンパスに学ぶことが出来た喜びとその環境をつくって下さった全ての方々に感謝をしながら,卒業をさせていただきます。

これまでの学習を振り返って 社会福祉学科 浅田 紘代さん

 私は,編入当初,通信教育部は特に昼間に通学する学部生とは異なり,幅広い年齢,様々の人生経験をしてきた方々が勉強しているという事実に驚かされました。人それぞれに自分の目標や課題を持って入学し社会福祉学という勉学に励んでいるということをスクーリングでの自分以外の学生の方々との会話を通して知ることができました。また,社会福祉を学ぶ機会が無ければ気が付くことはなかったことを考え,自分自身に気が付き,対人援助について考えることができ,これからの自分の課題を持つことができたと思います。一言で「苦しかった」「楽しかった」などと言い切ることができない大事なことを学ぶ事ができました。

 通信教育部の社会福祉の勉強の大事なことは,自分と向き合うことであると,私は思います。通信教育部に限らず,私たちの普段の生活の中でも,自分と向き合うことが大切である場面は多くありますが,そうしたことについても,社会福祉の勉強を通じて改めて考えさせられ,自分自身のこれまでの人生を振り返り,整理する機会を持つことができたと思います。しかし,それらの事は自分一人で行った行為ではなく,卒業論文を熱心にご指導してくださった学部のA先生,通信教育部の諸先生方,課題に沿って論述したレポートについてご指導してくださった学部の諸先生方から支えていただいた(支援)お陰であることを感謝しております。レポートは,何度も再提出を必要とした科目も当然あります。しかし,なぜ,再提出なのか,自分の考えのどこを改めることが,自分自身のどこに気が付くことが必要なのかといったことに,ご指導していただく諸先生方からのコメントを通して自らで気が付くことが大事なことであると思いながら,どの教科のレポートもですが,再提出の科目については特に必死になって取り組みました。レポートを通して,諸先生方の客観的評価を受け止め,社会福祉を勉強して行くことは大切なことであると思います。

 社会福祉士国家資格を目指している私は,社会福祉援助技術現場実習を経験させていただきました。実習は,レポートやスクーリングを通して理論を学び,社会福祉について考えてきたことを更に深めることができる経験であり,実習前まで気が付かなかった自分に気が付く機会でもあります。同時に,実習を通して大事なことは「自分と向き合うこと」です。そのうえで,利用者の抱える問題,諸生活,施設の諸職員の方々と向き合い,いろいろな考え方や体験や経験をされている周囲の人たちの姿を理解し受け止める姿勢が大事になると思います。その姿勢は,その人その人によって異なり,これだと言い切れる正解があるものではなく,それぞれの見方や考え方,気づきを大切にしていくことが一番であると思います。

 私自身はこの3年間の通信教育部での社会福祉の勉強を通じて,3年間以上の自分自身の人生経験の整理をする機会を持つことができたとともに,更に今後の自分自身の課題を持つことができたと思います。これらの機会を持つことができたことは,通信教育部の諸先生方,学部の諸先生方の支えがあったことによってであり,本当に感謝の気持ちでいっぱいです。私にとって,社会福祉の勉強は大学卒業と同時に満足するのではなく,これからも自分自身の課題を持ち,常に社会福祉について精進していく姿勢を大切にしていきたいと思っています。

 最後に,これから学ばれる方々に。これから社会福祉を学ぶことを志す上で大切だなあと考えることや目的は,その人それぞれによって違うと思います。それらを大切にしながら,この東北福祉大学通信教育部での勉学に励まれることを,卒業する者の一人として心から応援しています。

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