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VOL.68 JUNE 2010

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[学生 MESSAGE] 社会福祉援助技術現場実習
社会福祉援助技術現場実習を終えて

通信教育部社会福祉学科 鈴木 清二

 はじめに,今年2月8日より3月18日までの間(23日間),地元の社会福祉協議会にて,社会福祉援助技術現場実習を終えることができました。さらに先日(5月8日)に卒業試験も終え,本学の学習も後,実習事後スクーリング(5月22日)を残すだけとなりました。ちなみに,入学から卒業まで,5年かかりました。やはり,仕事と学業の両立には,大変苦労いたしましたが,今振り返ると,自分の人生において,大いなる生き甲斐目標となりました。今は,やりとげた達成感と,これからの新たな挑戦目標となる社会福祉士取得目指して頑張ります。
 次に,現場実習を振り返って!

実習受講までの準備について

■学習へ向けての心構えについて

 福祉サービスの基本理念と原則は,「個人の尊厳の保持」と「利用者の意向の尊重」であることが社会福祉法に明記されています。今後,社会福祉援助に携わることを目標にしている者は,特に,その理念,理論,価値,援助技術の習得に精進しなければならないと思われます。そのためには,机上の学習だけでなく,地域社会の福祉実践現場において,様々な利用者の生活状況や様々なニーズを学び知り,その解決のために,実習指導者,スーパーバイザーの支援,指導をいただいて,社会福祉援助技術の理論を駆使し,対人サービスを実践できる自己能力を向上させることが大切になります。私は次の5つの目標をたてて,社会福祉援助技術現場実習に臨みました。

  1. 「専門知識」「専門援助技術」「関連知識」の内容の理解を深める。
  2. 「専門知識」「専門援助技術」及び「関連知識」の内容を実際に活用し,相談業務に必要となる資質?能力?技術を習得する。
  3. 職業倫理を身につけ,福祉専門職としての自覚に基づいた行動ができるようにする。
  4. 具体的な体験や援助活動を,専門的援助技術として概念化し,理論化し,体系だてていくことができる能力を涵養する。
  5. 関連分野の専門職との連携のあり方,及びその具体的内容を理解する。

■実習計画の立案や,そこまでの大学や実習担当者とのやりとり!!

 実習計画案については,必ず事前指導スクーリングの前に最低1回以上の添削指導を実習担当教員より受けます。ここで,適格なアドバイスが受けられます。さらに,事前スクーリング受講時に,各個別的指導が受けられますので,実習に向けての不安や,今一度,学習計画案について整理?確認ができます。さらに,疑問や不安が少しでもあれば,実習担当教員へ遠慮しないで,積極的に連絡指導を仰いで下さい。
 私の場合は,NS町社会福祉協議会でしたので,以下のように考えました。

  1. 学びたいこと。→ソーシャルワーカーが地域社会にて住民組織に関して(関わって)援助を行う際の技術方法及び活動原則を学びたい。
  2. 実習先,種別を選択した理由。→本格的な少子高齢社会対策として,新ゴールドプランや障害者プラン,エンゼルプランが策定される状況の中で,地域福祉を推進する立場の地域援助技術に期待したから。
  3. 将来に向けての希望。→地域福祉のさらなる充実のために活躍できるソーシャルワーカーになりたい。

 実習での具体的達成課題は,次のように作成しました。

  1. 社会福祉協議会の各機能の具体的実践方法について。(コミュニティワーク)(1)『住民ニーズ,福祉課題の明確化及び住民活動の推進』。(2)『公私社会福祉事業等の組織化,連絡調整』。(3)『福祉活動,事業の企画及び実施』。(4)『調査研究?開発』。(5)『計画策定,提言,改善運動』。(6)『広報?啓発』。(7)『福祉活動,事業の支援』。等の機能について。
  2. 社協が実施する場合の地域福祉権利擁護事業の実施方法について。
  3. 地域福祉計画の立案方法について。
  4. 現在実施されている社会福祉を目的とする社協自らの事業について。

以上の事柄を,前期?中期?後期に分けて,実習計画案を作成しました。

■実習までの事前学習について

 事前スクーリング受講後,実習先担当者と連絡を取り,事前訪問の依頼をして,訪問の目的,特に,実習計画案については,十分協議を行なうことを勧めます(大まかに,実習で体得したいこと,受け入れ側で教えられる範囲等について)。
 さらに,事前に,実習先の指導者の名前は記憶し,実習先の法的根拠等,大学で「課題ノート」を渡されているので,その内容について,しっかり学習を深めて,自信を持って実習に臨むことができました。特に,私は社協でしたので,地元社協の設立時からの歴史及び社協にまつわる法律等については,より深く学習したことがよかったと思っています。

実習内容や感想について

■良かった点及び印象に残ったこと

 NS社協は,特に町から委託されている事業があり,その中で,(1)障害者自立支援法に基づく(知的?身体?精神障害者等)の「りんどう作業所」の運営,(2)子育て支援法に基づく「子育てサロン」及びボランティアセンターの運営,さらに,(3)地域包括支援センターでの介護予防事業等について学ぶことができたことは,大変に満足しました。その他各部署4?5日間程度で,在宅介護,介護支援,権利擁護事業等について,満遍なく学習できたことが良かった点です。
 印象に残ったことは,障害者の自立支援の為,社協職員の努力はもちろん,地元企業の支援→作業の依頼(部品の組立て等),地元企業のトップの方の障害者雇用に対しての御理解と協力,ジュース缶,特にアルミ缶回収等により,資源を確保し,エコ,リサイクルに繋がることと,大企業飲料会社の理解のもと,NPO法人が取組んでいる自動販売機の管理業務委託により,りんどう作業所の利用者がやりがいを感じ元気で働いていたこと。サービス業務として,「まんまるカフェ」での作業所の方の笑顔が,とても素敵でした。

■苦労した点やその克服方法

 特に,権利擁護事業での,金銭管理代理行為他,日常生活自立支援事業,生活保護者の支援等については,その法律について,その具体的支援等についての理解については,苦労しました。その克服方法として,実習指導者の方と同行させて頂く機会を一日でも多くしていただき,時間の空いた時に講義を受け,さらに,全国社会福祉協議会より,『日常生活自立支援事業?生活支援員の手引きGuide』を大至急注文取寄せ,学習を深めました。

最後に,今回の現場実習を終えて

 今まで以上に,あくまでも,地元?地域住民が主体者であり,それぞれの地域福祉課題の解決のため取組み,様々な福祉ニーズに対応できるように,権利擁護事業,さらに,介護保険制度を利用した,在宅介護支援の充実,障害者自立へ向けた支援事業,少子化に対応した取組みとしての,子育て支援センター及びボランティアセンターの機能等を大いに活用して,フォーマルな福祉支援だけでなく,インフォーマルな福祉支援が必要です。特に子育て,介護支援のアプローチのためには,NPO法人やボランティアの活動も大いに活躍してもらいたいと考えます。そのためには,医療?介護?福祉?行政?住民組織?ボランティアネットワーク等の社会福祉資源の詳細の把握と拡大を実施しなければなりません。このようなことを考え合わせると,やはり,『地域福祉を推進する』立場の社会福祉協議会の役割と,その使命の大切さを実感いたしました。

■今後仕事でまたは自分の生活に活かされること

 現在,精神科病院で,主に介護支援をしていますが,入院されている一人一人の置かれている状況や,立場(病気の違い)もあるので,その方々を最大限尊重し,自分の支援できることについて今一度考え,この社会福祉援助技術を学んだ上で,近い将来,次のステップとして,精神保健福祉士を目指したいと考えています。さらに,ボランティアについても今後,地元のボランティアセンターに登録して,特に,高齢者の方々に対しての支援ボランティアに挑戦したいと思います。
 卒業試験も終え,5年間かかりましたが,東北福祉大学で学んだことは,自分にとっては,大きな財産,自信となりました。本当に,多くの学びの友人,先輩に助けられ,素晴らしい先生方々,職員の方々に,大変お世話になりました。絶対に,一人では,目的は達成できません。どうか,後輩の皆々様,お体を大事にされ,多くの学びの友人をつくり,遠慮なく,大学の諸先生に教えを乞うて,有意義な大学生活を送っていただけることを心よりお祈りいたしまして,学習体験記とさせていただきます。
 ありがとうございました。

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