2019/10/04 地域共創推進室

自然体験学習 網地島アドベンチャーに参加した小学生から高校生、大学生らが満喫しました

植樹したばかりのオリーブ農園で、真新しい手づくり看板を真ん中に記念撮影
植樹したばかりのオリーブ農園で、真新しい手づくり看板を真ん中に記念撮影
2019年度の公益財団法人 日本離島センター「離島人材育成基金助成事業」に採択された東北福祉大学 学生団体オリーブクラブ (申請時代表 社福2年 小林澪) (*1)は、昨年4月に本学と協定を結んだNPO法人ジョイフル網地島の本拠地である石巻市網地島を舞台に、網地島アドベンチャー「遊学かがやき隊」と銘打って、当事業を実施しました(実行委員長 教育3年 阿部桃子)。この事業ではプロジェクト実践活動の1?2年生と協力して行いました。

内容は自然体験学習「磯遊び?創作活動?野外炊飯等」と盛りだくさんで、本学学生19人、教職員5人、仙台市と石巻市内の小学生6人、高校生2人(高大連携の東北高校)の計32人が参加し、9月7日から8日にかけて開催されました。

事業の目的は大きく2つです。①本学の建学の精神「行学一如」にならい、遊んで学べる島をイメージした「遊学一如」を掲げ、網地島の魅力を発信し、島の輝き(活性化)を取り戻す活動を行う。②豊かな自然の恵みを受けながら「厳しい環境の中でたくましく生きる力を育む」こと(*2)。

一行は7日午前7時半にバスでステーションキャンパス館を出発。鮎川港から乗船し、10時20分に網地島に到着し、島の雷神社(成田山)で入島式に臨みました。

石巻市牡鹿総合支所の及川伸悦次長が「魅力に満ちた独特の雰囲気がある島です。(皆さんの)感性を養う一助にしてほしい」と歓迎の挨拶を述べました。すぐに見晴らしのいい涛波岐埼(どわめき)灯台に移動し、広場にシートを敷いて昼食休憩を取りました。
 
続いて、立脇地区では大学で用意したチュニジア産オリーブの苗木を植樹しました。小学生たちは「来年どれくらい大きくなっているのかな。また来たいです」などと感想を述べていました。隣接した地には前年5月に植えられた木が約2倍の1?に育ち、成長した姿を感じさせました。

小学生、高校生、大学生が共に汗を流しての作業。オリーブの樹にメジャーをあてて背丈を測定したり、土の酸性度のチェックなど観察記録も行いました。

次は根組の浜で待望の磯遊び。砂浜で水と戯れながらの貝殻拾い、寄せては返す波の音を聴きながら、参加者は日ごろの疲れを癒しました。

堤防の上では釣りがスタート。大小さまざまの魚を釣っては喜ぶ参加者。とりわけ、タコを釣った小学生からは得意満面の笑顔が浮かびました。

宿泊場所は旧網長中学校の「島の楽校」。夕食前に食事班とオリーブ農園の看板づくり班に分かれて、準備に入りました。看板はカラフルなペンキに彩られ、文字と絵が美しく描かれ完成。後はあすの設置を待つばかり。

夕食はバーベキューです。肉やピーマン、ナス、玉ねぎなどの野菜にフランクフルト、地元漁師の佐々木清孝様からいただいたホタテやワカメのほかに、小学生たちが収穫したタコや魚が加わり、皆、大喜びでした。

夜には一堂が会し、まとめの会が開かれました。小学生が「釣りができて楽しかった。皆と知り合えてよかった」、高校生は「交流ができてうれしかった」と充実感に満ちていました。NPO代表の阿部孝弘さんは網地島とロシアが、かつて交流があったベーリングとその歴史について触れ、参加者の学びを深めました。また、この日、誕生日を迎えた学生2人にサプライズの拍手が送られ、本人たちをびっくりさせる一幕もありました。最後は大学生だけが残って、班ごとに反省点を述べ、中身のあるまとめになりました。
翌日は6時起床。校庭でラジオ体操を行い、朝食は手作りシーフードカレーライス、ワカメの味噌汁と酢の物に舌鼓を打ちました。

その後、白浜海岸に赴き、海岸清掃。抜けるような青空と海の青さに圧倒されながらも、心地よい汗を流しました。

オリーブ農園に移動して、みんなで作成した看板を設置し、オリーブをバックに記念撮影。とびきりの笑顔がはじけました。

唯一、残念だったのが台風15号の接近で、フェリーの乗船時刻が早まったこと。離島式でNPO副代表の高橋秀一郎さんご夫妻、小野喜代男事務長らに見送られ、島を後にしました。

午後3時にステーションキャンパス館に無事到着。解団式で学生代表の阿部桃子さんが「みんなの創意工夫と団結力によって無事に終えることができた。1年間準備を重ね、勉強になった」と感謝の言葉で締めくくりました。

海と山、島の自然に包まれ、小学生も高校生も大学生も心身ともに成長した2日間。彼らの表情が充実した時間を物語りました。
(*1) 東北福祉大学オリーブクラブ(2019年度代表 社福3年山口将希):石巻市牡鹿地区と網地島を活動拠点とし、その他県内沿岸部と中山間地も活動の場とし、これら地域の活性化を図ることを目的とする。
大学と地域のそれぞれが持つ資源を活用した実践活動、主にオリーブ栽培、果物栽培、ワカメ養殖、美しい景観を維持するための環境整備等に継続的に関わる。地域の現状を知り、魅力の発見、課題解決等の取り組みを通じて、学生の人間力を高め、将来社会で活躍するための実践力を養うことを目的に設立した学生団体(平成31年4月)

(*2)事業の目的②: 網地島の豊かな自然の恵みを受けながら、厳しい環境の中で「小学生たち」は様々な体験を通して「生きる力」に必要な豊かな人間性を育む。
「高校生たち」は日常生活から離れ、慣れない生活環境の中で柔軟に対応できる「生き抜く力」を育む。「大学生たち」は学部?学科の特色と学修成果を活用し、自らの役割を認識し、リーダーに求められる資質や能力を育むこと、自他共に人を「活かす力」を身につけることを目的とする。