2020/11/17 情報福祉マネジメント学科

卒業論文とデザインワーク 三木弘和教授(下)

教員の声<不定期更新>
学科の教育や活動について学科教員の視点でまとめて報告します。第7回目は、三木弘和教授による卒業論文に関する報告の後半です。

三木ゼミの卒業論文

三木弘和ゼミではデザインをキーワードに毎年多様なテーマを設定し、論文の執筆とデザイン制作に当たっています。

教員の声:卒業論文とデザインワーク(上)に続き、今回も2019年度の卒業論文からグラフィックデザインを中心とした2名の学生作品を紹介します。

 

3.若者の資産運用比率向上に向けて —積立投資の小冊子制作—

解説書の表紙
解説書の表紙
<研究概要>
昨今、将来の年金制度への不安の声が多く聞こえます。その中には、これから社会へ出る若者が終身雇用の崩壊や少子高齢化、給料が思うように増えない社会構造や余裕ある生活に近づけない経済環境の変化など、生活への不安を抱えているケースも多く見られます。

そこで、余裕のある老後を過ごすための老後資金を「貯蓄」や「労働(副業)」だけで貯めるのは容易ではないため、長期的な資産形成である「投資」という手段の中でも時代の流れに沿った有力な手段として着目しました。

本研究では、20代を対象に投資知識の理解や判断材料を伝えるだけでなく、その前段階となる興味を喚起することにも配慮し、判りやすくてポップなイメージの解説書の制作に取り組みました。
内容の一部(複数ページをまとめて表示しています)
内容の一部(複数ページをまとめて表示しています)
使用ソフト: Adobe Illustrator
冊子サイズ: B6判(12.8cm×18.2cm) 30ページ
書体:サンセリフ体/ヒラギノ丸ゴシック体

 <教員コメント>
制作した学生は、日本人の「投資」に対するマイナスの先入観を払拭したいという願いを元に、若者たちに訴えかける手法としてイラストレーターを駆使してアメリカンコミック的なポップなイラストで創作した解説書です。

制作物を見ると、イラストに力点がおかれたものに見えますが、政府推奨の投資型「確定拠出年金制度」をうまく若者達に認知して貰いたいというコンセプトの元、デザインだけでなく制度についても調査と考察を行った上で創作した作品となってます。

4.LGBTの理解度向上と普及のために ?支援者増加に向けての冊子制作?

冊子の表紙
冊子の表紙
<研究概要>
東北福祉大学の「ユニバーサルデザイン論Ⅱ」の講義を受講し、LGBTについて学ぶ機会がありました。
受講した後もLGBTの格差や理解の低さなど、LGBTならではの悩みや問題が存在するのではないかと考え、LGBTとは何か、抱える問題は何なのかを、広く理解してもらうきっかけが必要であると考えました。

そこで、本研究では、LGBTの歴史を紐解き、LGBTの認識がどう変わり、その理解度はどう変化してきたのかに加えてLGBT当事者が抱える悩みや問題について考察し、LGBTが家族や職場などの身近に存在する時にどう接すればいいかなどを広く理解してもらうための冊子制作に取り組みました。

使用ソフト: Adobe Illustrator
冊子サイズ: A4変形版 16ページ
理解向上のために著者が制作した図
理解向上のために著者が制作した図
 <教員コメント>
本研究は、学生がLGBTという社会問題に若者らしい着想やオリジナリティーをもって真剣に取り組んだ制作でした。 
LGBTの格差や理解度の低さなどの問題を解決するにあたり、手にとった人が誤解などを生じないようにするにはどうすればよいのかなど困難な問題に真剣に取り組んでの結果?成果でした。


今回の研究を含めて、三木ゼミの卒業論文では、研究倫理を遵守するとともに、学生の自由意志の尊重と表現の自由を保証して卒業論文の指導を行っています。

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