2022/07/07 情報福祉マネジメント学科 社会福祉学科

ようこそ先輩???障害者支援の現場ではたらく鈴田ゼミ卒業生の語りを聴く - みずからの体験に「体温」を乗せて伝えたい -

本学の学生なら誰もが履修するリエゾンゼミでは、実にさまざまな活動が行われています。少人数の学生たちと担当教員で構成されるゼミは、その担当教員の名前をつけて「○○ゼミ」と呼ばれます。鈴田ゼミ(担当教員:鈴田泰子)ではいろいろな学科に所属する学生たちが、それぞれの希望や未来に向かってともに活動しています。このたび、鈴田ゼミ卒業生の今村文(いまむら?あや)さんと、その上司である田﨑吾(たさき?さとる)さんをお迎えして、福祉の現場で働くということや学生時代の学びについて、存分にお話して頂きました。 
今村さん(2021年3月本学卒業)は福島県社会福祉事業団に採用され、知的障害のあるさまざまな年代の方々の暮らす入居施設「けやき荘」で夜勤もこなしながら生き生きと働いています。在学中に鈴田ゼミで発達障害について学んだのも、この職業を選んだ動機の一つだそうです。知的障害があって会話のない方の隣にただひたすら「居る」というかかわりを続けたら、自分のほうへ手を伸ばしてくれるようになったというエピソードをもとに「かかわり」の意味も話してくれました。実際に行ってみて、会ってみて、触れてみて初めてわかることもある、と語る今村さんのことばはどれも「本当のこと」です。学生たちに語りかけるまなざしからは、福祉の現場の実践者としての自負が感じられました。
今村さんの上司である田﨑さんは、経営管理部長として事業団の重責を担っておいでです。私たちはどこに行っても他者とのかかわりを経験しますから、相手を想像する力と理解する力によって生まれる「気づき」が大切と教えて下さいました。かつて夜勤明けのとても忙しい冬の朝、知的障害があってほとんど発語のない入居者のお一人が田﨑さんの袖を引っ張って窓のところへ連れて行き、うっすらと雪をかぶった那須の山々を指さしてニコッとしたそうです。ああ、これを見せようとしたんだな…と感動するあまり「しばらく仕事を忘れて一緒に見ちゃった」というエピソードを披露しながら笑うお姿からは、人間を一人ひとり尊重して「生きる主体」として相対しようとする職業人としての真摯な生き方が伝わりました。 
今村さんと田﨑さんの語りに、鈴田ゼミの学生たちは食い入るようなまなざしで応えていました。この日のゼミ活動では、この社会で、この世の中で、たとえ就く職業は違っても、持っている特性は違っても、ともに同じ時代を生きて行くのだ、という強いメッセージを参加者みんなが共有できたと思います。あなたはこの先の未来を、誰とともに、どのように生きて行きたいですか?

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