2023/07/14 保健看護学科

【保健看護学科のゼミ活動】妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師さんとの交流を通じて多職種連携を学ぶ

 保健看護学科の3年生はリエゾンゼミⅢで研究の基礎を学び、研究計画書や倫理審査申請書を作成します。ある学生は「妊娠前後の看護ケア」について関心をもち、複数の文献を読み、「妊娠?授乳と薬」に関する悩みが多いことに気がつきました。
 そこで指導教員を通じ、国立病院機構 仙台医療センターの『妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師』である永澤佑佳さんに、オンライン会議システムを利用した交流の機会を設けて頂きました。

妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師さんの講話
妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師さんの講話
助産師教育課程の4年生も実習後にオンラインで参加
助産師教育課程の4年生も実習後にオンラインで参加
 
 交流会でははじめに、妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師である永澤さんより、妊娠?授乳と薬に関する専門知識、仙台医療センターにおける「授乳とくすり」フォロー体制やフォロー事例に関する講話をして頂きました。

 
 講話後、学生たちが質問し、永澤さんが回答する時間が設けられました。「薬の服用で授乳を中止しなければならない場合、授乳婦さんにはどのように伝えるのか」「看護師にできることは何か」などの質問に対し、永澤さんは妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師としての臨床経験をもとに、一つ一つの質問に回答していただきました。

 <参加した学生の感想(抜粋)>
〇認定薬剤師の方のお話を聞くことで、精神疾患を持つ妊婦さんとの関わり方について理解を深めることが出来ました。薬剤師の方から見た看護師の関わり方は、とても大きな学びでした。
〇助産師を目指して勉強していく中で、教科書にはない内容が聞けたことがとても勉強になりました。臨床では、薬剤師と助産師と連携して対象者にケアを提供する場面が多いことがとても印象に残ったので、それぞれの職種がどのような役割があるのかを視野に入れながら実習や勉強に取り組みます。
〇薬を服用する時、効能を見るだけで副作用や禁忌を見逃していた。妊娠中は薬に注意を払うべきであるが、今から習慣づけておこうと思った。母乳中移行量と相対的乳児摂取量について、M/P比やRIDで安全性を確認できることを学んだ。RA系阻害薬作用を持つ医薬品について妊娠中の曝露によって胎児?新生児への影響が疑われた事例の中で、妊娠を把握せずに投与していた事例が半数近くあったことを知り、情報共有の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@さを再認識した。
〇添付文書に薬の全てが書いてあると思っていたため、その添付文書を見るだけでなく薬剤師に相談した方がよいことを学んだ。
〇妊娠中の服薬はできれば避けた方がいいイメージがありましたが、薬とうまく付き合うことができれば影響が少なく、授乳も行えることを学びました。
〇妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師の方から直接お話を伺い、看護職と連携して対象者にケアを提供する場面が多いことがとても印象に残った。
〇服薬は胎児や母乳に影響があり服薬は勧められないと思っていたが、薬が母体や胎児に及ぼす影響を薬学的に考え根拠をもとに、医師や薬剤師と話し合いながら服薬を継続している場合あることを学んだ。
〇妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師は妊娠中の母体の変化や胎児への影響、授乳に対する薬物の影響を考え、適切な薬物療法を実施する役割を担っていることを学んだ。妊婦さんからの希望があれば、医師や看護師のみならず、薬剤師が加わることで、より妊婦さんの希望に近い選択肢を与えることができると学んだ。
〇今まで妊婦や授乳婦と薬剤について深く考えたことが無かったため今回の交流会がとても学びになった。妊娠中や授乳中であっても使用できる薬剤が想像より多くあったため驚いた。母性の分野においても、薬剤師の方々との連携が365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@であると知ることが出来て良かった。

<参加した助産師教員の感想>
特に、妊婦さんや褥婦さんは薬剤の使用について子どもに影響が出るのではないかととても心配されておりますので、看護職としても正確な知識をもって対応することが大切であることが学生としても理解が深まったと思います。


 妊娠?出産と薬に関する知見?知識が豊富な妊婦?授乳婦薬物療法認定薬剤師さんと、将来の看護職者となる学生との交流は、医療分野における多職種連携やウィメンズヘルスの醸成に寄与する機会となったはずです。

 仙台医療センターの永澤さん、薬剤部の皆様はじめスタッフの皆様、貴重な機会を設けて頂き、ありがとうございました。

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