2024/12/02 社会福祉学科

狩野俊介ゼミ リエゾンゼミⅡにて宮城刑務所の見学会を実施

見学会の概要

【宮城集治監六角塔 】1879年(明治12年)日本における最初の近代監獄として、東京集治監(現東京拘置所)と同時に建てられ、 西南戦争 の国事犯が収容されていました(法務省矯正局公式Xより)
【宮城集治監六角塔 】「1879年(明治12年)日本における最初の近代監獄として、東京集治監(現東京拘置所)と同時に建てられ、西南戦争 の国事犯が収容されていました」(法務省矯正局公式Xより引用)
狩野ゼミは福祉的支援を必要とする人々の理解とその支援の実際を学ぶために,宮城県精神保健福祉士協会との合同企画として宮城刑務所(仙台市若林区)を訪問しました。見学会では,施設見学と講話を行なっていただきました。宮城刑務所は明治12年に宮城集治監として開設され,その当時の建物の構造から六角堂とも呼ばれていた歴史があります。

講話いただいた門脇総務部長から,宮城刑務所はLBという指標の無期刑を含む執行刑期10年以上の犯罪傾向が進んだ者,Bという指標の執行刑期が10年未満の犯罪傾向の進んだ者が収容されています。さらに,医療重点施設でもあり充実した医療スタッフが配置され肝炎治療や人工透析治療などが行われていることの説明をいただきました。

そして,福祉専門官の講話では刑務所におけるソーシャルワーク業務について,具体的にこれまでの支援実績を交えて講話いただきました。福祉専門官は,2014年度から刑務所などに配置された職種であり,高齢者,障害を有する受刑者等が抱える生きづらさを理解し,再度犯罪に頼らなくて済むように,出所時に関係機関と連携しながら出所後の地域生活の支援を進める365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な職種であることの説明をいただきました。

門脇総務部長と福祉専門官の講話の中で,改正刑法により刑罰の懲役刑と禁固刑が統合された「拘禁刑」が創設された旨の説明がありました。「拘禁刑」が導入されることで,受刑者の特性や抱えるニーズといった個別性に基づく処遇が可能になるため,今後は一層受刑者の適切なアセスメントが重視されるようになっていくことがうかがえました。

参加学生の感想

講話の様子
講話の様子
「宮城刑務所が,医療ニーズを抱える受刑者が収容される医療重点施設でもあることを知りました。病気を抱えた受刑者も当然ながら存在するため,病気の治療を行いながら刑に服すことができる環境が整えられていると感じました。また,宮城刑務所は現在施設内を少しずつ改築しており,新しい建物内は想像していたよりも明るく,綺麗だったことが印象的でした。実際に使用されている居室内には写真が飾られている様子もあり,可能な範囲で受刑者が望む生活環境が整えられていれることを知りました。最後に,福祉専門官の講義から帰住先の調整が困難な場合があることを知り,受刑者の高齢や抱える障害だけでなく,出所者に対する社会からの偏見なども関係しているのではないかと,これから考えていきたいと思いました」
 「今回,宮城刑務所を見学させていただき,精神保健福祉に関心がありながらも通常の授業や生活上の機会では拝見できない刑務所の実情を学ぶことができました。受刑者の背景や刑務所内での生活状況をうかがうなかで,当初は自分とは異なる人たちだと考えていましたが,法を犯してしまうような環境?状況に置かれていただけで人として大きく変わらず,人の生活や人生に環境が与える影響の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@さを痛感しました。刑務所で活躍されているソーシャルワーカーの講義を拝聴し,服役中から受刑者の方と十分に話し合い,関係機関と調整し、出所後に安心した地域生活を送ることが、再犯防止につながることを学びました。このことから,刑務所にソーシャルワーカーが配置される意義を強く感じることができました。このたびは,貴重な体験を提供してくださった宮城刑務所の方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました」

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