2025/07/11 社会福祉学科

認知症への理解を深める「新しい認知症観」の発信に学生が協力—仙台市の動画制作に学生が参加

当事者の方を中心に、集合写真
当事者の方を中心に、集合写真

仙台市地域包括ケア推進課が取り組む「新しい認知症観」を広める動画制作プロジェクトに、社会福祉学科?後藤美恵子准教授のゼミの学生がボランティアとして参加しました。

このプロジェクトは、認知症に対する従来のイメージを見直し、「認知症になってもその人らしく、希望をもって暮らし続けられる社会」を目指すものです。動画のタイトルは「認知症とともに生きる」。認知症の当事者やその家族、学生ボランティアなどが意見を出し合いながら制作したもので、当事者自身の声や日常の様子を通して、新たな認知症観を伝える内容となっています。

従来の認知症観では、「できなくなる」「迷惑をかける」「地域で暮らせない」といった否定的なイメージが強調されがちでした。しかし、この動画では、「できることはたくさんある」「自分らしく暮らせる」「地域の一員として活躍できる」という前向きな視点を大切にしています。

後藤ゼミの学生たちは、動画制作ワーキンググループの一員として、認知症のご本人やご家族との対話を通じて、その人らしさを尊重する姿勢や地域で支え合う大切さを実感しました。現場の声に耳を傾け、学びを深めながら、社会に発信する活動に関われたことは、福祉を学ぶ学生たちにとって大きな経験となりました。

動画は仙台市公式YouTubeなどで公開されており、地域全体で認知症への理解と共生の意識を広げるきっかけとなることが期待されています。

 

~ワーキングメンバーからの感想&コメント~

(1)参加学生の感想

①松浦康生さん:社会福祉学科4年
制作ワーキングの様子
制作ワーキングの様子①
「今回初めて認知症当事者の方や仙台市地域包括ケア推進課の方々と関わり、認知症啓発動画の制作ワーキングに参加させていただき、貴重な経験ができました。認知症当事者の方との会話を通じて、正しい認知症の理解について学びを深めるきっかけに繋がりました。また、「学生の視点」として、どうすれば多くの人、特に若い世代に認知症に関心を持ってもらえるかを考える機会をいただけたことに感謝しています。私たちの提案が動画に反映され、行政の方々からも「気づきにくい視点やアイデア」だと評価していただけたことは大きな喜びでした。今回の経験を通じて、認知症に対する理解を深めるとともに、地域貢献の一端を担うことができ、大変有意義な時間でした」





②関 晃汰さん:社会福祉学科4年
制作ワーキングの様子
制作ワーキングの様子②
「当事者の方々と一緒に様々な活動を通して動画を制作して、記憶に強く残る良い経験となりました。また、当事者の方々の生活の中における活躍?表情など、ありのままに近いものとして動画に集約でき、とても良い動画になったと思います。この動画が多くの人の目に留まるといいなと思います」




(2)認知症当事者から学生と一緒に取り組んだ感想

「若い人とおしゃべりをしながら楽しく動画をつくることができた。とにかく楽しかったという記憶が強く残っている」

(3)認知症の人と家族の会の代表より学生に対する感想

集合写真
集合写真
「認知症のことを多くの方に知ってもらう動画であり、また多くの方に視聴してもらうことが必要であることから、特に若い人の視点として「どのようにしたら見てもらえるのか、関心を持ってもらえるのか」について、学生から貴重な意見を聞き、取り入れることができたよかった。若い人の発想を頂きとてもいい動画になったと思う」

(4)仙台市地域包括ケア推進課より学生へのコメント

「この度は、仙台市が主催するワーキングおよび動画撮影や動画内の音声へご協力をいただき、誠にありがとうございました。皆様の熱意と柔軟な発想により、私たち行政職員では気づきにくい視点やアイデアを数多くいただくことができました。学生の皆様の積極的な姿勢と真摯な取り組みは、地域の未来に対する希望を感じさせてくれるものであり、私たちにとっても大きな学びとなりました。今回の経験が、今後皆様の学びや活動に少しでもお役に立てば幸いです。今後とも皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます」





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