2022/05/18 福祉心理学科

【研究】高木 源 助教らの共同研究が「PLOS ONE」に掲載されました

概要

東北福祉大学 総合福祉学部 福祉心理学科 高木 源(たかぎ げん)助教を中心とする研究グループ(下記参照)は、長期的な解決像が人生に対する積極的態度に及ぼす影響について検討を行い、その研究成果が米国科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

解決志向短期療法では、問題の原因ではなく、解決像の明確化に焦点を当てます。これまでは、近い未来の解決像を明確化するミラクル?クエスチョンや肯定的な側面を探す例外探しの質問が問題の深刻さを改善する一助となることが示されていましたが、長期的な解決像を明確化する効果については未検討の課題となっていました。高木らの研究グループでは、長期的な解決像を明確化する技法として日本において開発されたタイムマシン?クエスチョンを取り上げ、ワークシートの形式で効果を確認しました。

2020年6月から7月までの期間中に、Web調査を実施しました。例外探しの質問のみを実施する条件(EQ群)、ミラクル?クエスチョンと例外探しの質問を実施する条件(MQ群)、タイムマシン?クエスチョン、ミラクル?クエスチョン、例外探しの質問を実施する条件(TMQ群)を設定しました。TMQ群34名、MQ群30名、EQ群30名のデータをそれぞれ分析しました。以下は、本研究の結果の概要です。

  • 長期的な解決像の明確化を促すタイムマシン?クエスチョンは、限られた時間を大切にしようとする態度を高めることが示された
  • 短期的な解決像の明確化を促すミラクル?クエスチョンは、現実的な目標の設定を促すことが示された
  • 条件にかかわらず、解決構築、理想的な生活の実現度が高まることが示された

論文題目

The impact of clarifying the long-term solution picture through solution-focused interventions on positive attitude towards life
著者:Takagi, G., Sakamoto, K., Nihonmatsu, N., Hagidai, M.
掲載誌:PLOS ONE. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0267107

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