2024/07/04 教育学科

【教育学科】土に触れ、自己を見つめる(河合規仁ゼミ)

河合ゼミでは、禅の教えにある「日常に禅の教えを取り入れる。忙しい日々にこそ、一つひとつを丁寧に」を実際の陶芸という活動を通して行っています。道元禅師が坐禅について著された『普勧坐禅儀』の一節「須べからく回光返照の退歩を学すべし」のごとく、自分が思いどおりにならないことがあったときなどに、自身の外に目を向け原因を探し、解決の糸口を見いだそうとする、そうした外に向かう心のはたらきを内側に向けてみる、つまり内省へと転じてゆく、これを「回光返照」と言っており、「退歩」であるとも言っています。退歩とは“退化”ではなく、ものごとの根本に立ち戻ることであると言われています。自己を見つめ直し、本来の自分自身に立ち返り、あるべき生き方を再構築する、そのような坐禅のありようを言い表されたと述べています(曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET)。

つまり、陶芸制作における創造的退行は、座禅における退歩に通ずるものであり、土に触れ作陶する所作一つ一つに真摯に打ち込み、自分自身と向き合うことがすなわち禅の価値観と同じであると考えられます。

河合ゼミ専門演習Ⅰにおいては、基本的な手びねりによる作陶、専門演習Ⅱにおいては電動ろくろでの形成を行っています。可塑性の高い粘土ではありますが、なかなか思うようにはいかないものです。手指の感覚を研ぎ澄ませ、土と対話しながら形を創り出す時間は静かで満たされたものです。陶芸は土、水、火の自然と触れ合う活動であり、この体験を通して感じたことを今後子どもと関わるなかでいかしてもらいたいと思います。

(文責:河合)

電動ろくろで下準備をする学生
楽しみながら成形している 様子

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