2025/09/17 教育学科

【教育学科】庭野教授、日本心理学会でマスク着用顔の表情認知について発表

9月5日~7日の3日間、仙台で日本心理学会の大会が開催され、本学教育学部?大学院教育学研究科の庭野賀津子教授が「マスク着用の有無が表情認知へ与える影響」というテーマで、健康科学部の田邊素子准教授との共同研究の成果を発表しました。
 
日本心理学会は日本の心理学界を牽引する、最も規模の大きい学会で、海外の研究者も多く参加します。庭野教授のポスター発表のもとには国内外の多くの研究者が訪れ、質問や情報交換をし、このテーマに対する人々の関心の高さが伺われました。
 
2020年に新型コロナが世界的に流行し、人々は日常的にマスク着用を余儀なくされました。そのとき、特別支援教育の現場、特に聴覚障害教育の現場では、どのようにして難聴の幼児児童生徒へ情報を伝えるか、様々な取り組みがなされました。難聴のある子供たちは、人と会話をする際に、音声情報から十分に聞き取れていない部分を、相手の顔の表情や口の動きを見て補っているからです。
 
庭野教授は、人が相手の顔表情を読み取るときに、マスクがどの程度、そしてどのようにさまたげとなっているのかを、46名の成人を対象として6種類の顔表情を用いて実験的に調べました。その結果、表情の種類によってマスク着用による表情認知の精度が変化し、特に「嫌悪」「悲しみ」などのネガティブな表情において、表情の判別が困難になることが示されました。
 
庭野教授は今後さらに研究を重ね、特別支援教育の現場において、マスクを着用する際の留意点や情報保障の在り方の検討をしていきたいと意気込んでいます。
 
 
 

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