2021/11/16 教育学科

【教育コラム】「自作可能教材」の例:アレルギー反応を引き起こす免疫系の「カギ」と「カギ穴」の仕組みを再現しよう(村上由則教授)

1.概要

免疫機構による「物質の選択的吸収?排除」を擬似的に可視化したものです。アレルギー反応は、「カギ」と「カギ穴」に例えられる仕組みによって、摂取された物質の選択的伝達?吸収と排除が行われると考えられます。この仕組みを100円ショップや文具店で購入できるもので再現してみました。

2.作製の手順と活用(図1~図4を参照してください)

種類や形状、大きさの違うボールを摂取した物質と見立てます。これらのボールに工夫を加えて、それが血管や気道を模したプラスチック管内を動くときの様子を変化させます。これで免疫系の選択的伝達?吸収と排除の仕組みを可視化?再現しました。

①2.5リットルのペットボトルを輪切りにして円筒形にし、擬似血管や気道に見立てます。
②ペットボトル内をボールが転がるように、高さを調整します。
③ペットボトルの外側に超強力磁石を貼り付けます。また、ボールのうち1個の内側に超強力磁石を貼り付け、ペットボトルの磁石と引き合うようにしておきます。その他のボールには手を加えません。
④ペットボトルにボールを入れ傾斜を利用して転がします。磁石が内部に貼り付けてある1個のボールだけが途中で止まり、他はスムーズに転がり出ます。これで、選択と排除を擬似的に可視化します。

⑤外見的に似通ったボールであっても、擬似血管?気道であるペットボトルを通過するものと、途中で止まるものがあることで、特定の「カギ」と「カギ穴」の結合により免疫系の過剰反応としてのアレルギー反応が起きる第一段階の状況を再現します。