2023/03/06

教育コラム:「オンライン教師塾」による卒後支援の取り組み 

初等教育専攻 三浦和美 教授(小学校社会科教育)

「交流会」による卒後支援の取り組み

 2007年度に本学に着任して、早16年が経ちました。卒業生の多くは、小学校教員となり、東北地方はもとより全国各地で活躍しています。中には海外の日本人学校教員として赴任した経験がある卒業生、県の長期研修を受講し教室での実践を深めている卒業生もいます。
こうした卒業生をどう支援していくかは、私たち大学教員にとって取り組みが求められるものの一つになります。

コロナ禍以前には、「学びのコミュニティ構築」を目指して仙台駅近くにある本学東口キャンパスで交流会を行ったり、教員が卒業生のいる地域に出向いたりするなど、対面やチャットによる卒後支援を行ってきました(1)。ゼミ生同士再会を喜び、現在の仕事の楽しさや時に悩みを共有しながら語り合う姿は、卒業後の関わりの365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@性を感じる活動であり、今後も継続することを約束していたところでした。そんな矢先、感染症拡大という思ってみない災禍に見舞われ、わたしたちの交流会も一時停止せざるを得なくなりました。しかし、卒業生から折に触れて届くメールや葉書等を受け取る度に、またいつかどこかで再開したいと思いながらも空回りの日々が続きました。

「オンライン教師塾」による卒後支援の取り組み

 2022年に入り、卒業生からの要望もあり、卒後支援の方法をこれまでの対面方式ではなくオンライン方式に、そして、名称も交流会から一歩踏み込んだ「オンライン教師塾」へと変更しました。

2022年5月の発足当初は、ゼミ卒業生のみ対象としていましたが、2022年10月から学部4年生と大学院生、12月から学部3?2年生へ広げ、外部講師による講座も2022年12月から取り入れることにしました。2023年2月末で10回を数え,これまでに延べ61名の参加がありました。毎月末土曜日20:00から1時間の実施としています。

これまで実施した「オンライン教師塾」の主な話題 (数字:参加者数)
 第1回(5月): フリートーク「今話題になっていること」(4名)
 第2回(6月):「SDGs実践について」大学院生発表(5名)
 第3回(7月):「SDGsカードについて」大学院生発表(4名)
 第4回(8月):「SDGs教員による実践紹介」ゼミ教員発表(5名)
 第5回(9月):「学級でできるカードゲーム」ゼミ教員発表(3名)
 第6回(10月):「環境教育について」大学院生発表(7名)
 第7回(11月):「教室におけるSDGs実践」小学校教員発表(5名)
 第8回(12月):「音読の基礎①なめとこ山の熊」外部講師(8名)
 第9回(1月)  :「社会科におけるICT活用」小学校教員発表(8名)
 第10回(2月):「音読の基礎②ごんぎつね」外部講師(12名)
※外部講師(元アナウンサー)はボランティアでご協力いただきました。

これからの卒後支援へ向けて

 これまで紹介した通り、「オンライン教師塾」では、ゼミの専攻である社会科を中心として、さらに小学校教科指導や生徒指導など幅広い内容で学んでいます。1時間の教師塾はあっという間に過ぎていきます。参加者からは、「学年は違うけれども先輩の実践の話を聞くことができて勉強になります」「今は学生ですが、卒業してからもずっと参加したいと思います」「外部の先生の演習も受けられて、明日からの授業に役立てたい内容が多いです」などの声が聞かれました。新しくゼミ生となる学生たちも参加を希望しています。新たなメンバーを迎えて、さらに学びの輪は広がりそうです。

2023年度には感染症に係る対応も新たな段階へと変わっていきます。こうした変化の中でも共に地道に学び続けることの意義を共有しながら、今後も教育現場での活動を支援する「オンライン教師塾」を継続していきたいと考えています。

(1)卒後支援としてのMOST方式による「学びのコミュニティ」構築に関する実践的研究,東北大学大学院教育情報学研究部『教育情報学研究第18号(2019)』pp79-87,  RS160 710 東北福祉大学特別研究助成(基盤研究)を受けました。

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