子どもたちが、その発達する力を発揮するためには、一人ひとりに応じた環境が用意される必要があります。その環境とは、彼ら彼女らが育っていくために必要な保育、教育、療育などの場、彼ら彼女らを育んでいく家庭と地域、そして制度でしょう。気になる発達のしかたをする子どもが増えたり、虐待や貧困などの状況は、これらの環境が子どもたち、家庭にとって十分に機能していないことを表しているのではないでしょうか。また、特別な 配慮を必要とする子どもたちが、障害児ではなく「子どもとしてのアイデンティティ」を確立するために必要な 場も少なくなっていることも現実です。

今回のセミナーでは、子どもたちが、一人ひとりの力を発揮して育ち、またそれを育む場を、最終的には いろいろな人がいることが前提となる社会を、どのように作っていくかを、３箇所プラスアルファの地域での、 支援システムづくりの経験から考えてみたいと思います。

三浦 剛 氏（東北福祉大学総合福祉部 社会福祉学科 教授）

コーディネータ：
竹之内 章代 氏（東北福祉大学総合福祉学部 准教授）