2025/05/09 教育学科

震災の語り部を行う 長沼朱音さん(教育学科) 学生インタビュー

(※内容は2025年1月に取材したものです。)

東日本大震災の語り部活動を続けた3年間

東北福祉大学?長沼朱音さん(教育学科3年)インタビュー

Q.震災の語り部活動を始めたきっかけは何ですか?
A.大学に入学してすぐ、当時のボランティアセンター(現在:生涯学習ボランティア支援課)の前に、さまざまなボランティア活動の募集の掲示があり、その中で「語り部」や「防災」の活動に興味を持ちました。もともと関心があったので、すぐに応募しました。

Q.震災当時、どのような状況でしたか?(年齢、地域、経験など)
A.私は福島県浪江町の出身で、東日本大震災当時は小学校1年生でした。家族は、未就学の弟と、同じ小学校に通う兄がいました。地震があった日、私のクラスだけが早く授業が終わり、家に帰ることができました。その後、叔母が弟を保育園に迎えに行き、母の実家に避難しました。私の記憶には、母が「地震があったらおばあちゃんの家に行こう」と教えてくれていたことが残っています。一方、兄は学校の仲間と一緒に近くの高台に避難し、無事でした。その時の様子は絵本になり、語り部としても伝えています。

Q.震災が自身に与えた影響について教えてください。
A.今、私は教員を目指して活動していますが、震災がなければ教員になろうとは思っていなかったと思います。震災前は、保育園から小学校まで同じメンバーで過ごしていましたが、避難後、学校が変わり、新しいコミュニティに馴染むのが大変でした。特に、自分から話しかけることが出来なくなり、急に人との距離を感じました。しかし、小学校5年生の時、私の人生において大きな転機となる1人の先生と出会いました。その先生は、クラス全体が気軽に意見や発言ができる雰囲気作りが得意でした。私はそのおかげで、苦手だった人前で話すことに自信を持てるようになり、中学の入学式では代表として誓いの言葉を述べることができました。震災を肯定するつもりはありませんが、避難生活での出会いが自分にとって大きな影響を与えたことは確かです。

Q. 語り部活動をどう考えていますか?
A.語り部活動は、他の人に伝えたいという気持ちよりも、自分が役に立つことがあれば、それを提供したいという思いで取り組んでいます。私の母が小さい頃に言っていた「地震があったらおばあちゃんの家に行こう」という言葉が頭に残っているように、私の話が誰かの心に残り、防災意識を高めるきっかけになればと思っています。

Q.語り部活動が誰かに影響を与えたエピソードがあれば教えてください。
A.私自身は、活動を通じて防災意識を持ってもらいたいと考えていますが、受け取る側の意識がどう変わったのかは正直分かりません。ただ、私自身が震災を振り返るきっかけとなっていることは間違いなく、その過程で学びがありました。普段、震災について振り返ることは少ないので、この活動が自分にとっても365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な意味を持っています。
 
Q.大学生という立場だからこそ、どのようなメッセージが届けられると思いますか?
A.私が子どもの頃、大人の方々から話を聞くことがありましたが、その経験が自分の身近なものと感じられないこともありました。大学生として活動している今、聞いている小中学生との距離が近いことで、より現実味のあるメッセージが伝わるのではないかと思っています。言い換えれば、大学生として「お兄ちゃん、お姉ちゃんのお話を聞こうね」といった感覚で伝えることができると思っています。

Q.これまでの活動で特に印象に残っているエピソードは何ですか?
A.東京のイベントでボランティア活動の一環として語り部をしていた時、アメリカの高校生が修学旅行でイベントに訪れていました。その高校生たちが、私の話を聞きたいと言ってくれたことに、とても驚きました。外国の方々にも関心を持ってもらえたことに感動しました。

Q.防災について必ず伝えたいことは?
A.震災や自然災害は予測できません。だからこそ、家族で避難場所を事前に決めておくことが最も大切だと思います。家族がバラバラになってしまった時、または一人でいる時に災害が起こった場合に、素早く安全な場所に避難できるように準備しておくことが非常に365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@です。

Q.語り部活動をこれからどのように続けていきたいと考えていますか?
A.積極的に前に出るというよりは、必要とされるときに参加するスタンスです。自分が役立てるのであれば、ぜひその活動に参加しようという気持ちで続けていきたいと考えています。

Q.東北福祉大学を選んだ理由は?
A.自分が学びたいことと、大学生活でやりたいことを両立できると思うからです。私は、教育現場で働きたいという目標を持っており、そのための勉強はとても楽しく、講義を受講しながら、自分がどのような教員になりたいのかを考えています。また、防災についても学びながら活動ができて、充実した日々を送っています。


けやきホールで中学生に発表する長沼さん

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