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レポート学習

II レポートをまとめる

3 著作権と出典明示

著作権への配慮

 本の一部の表現をそのまま借りてきて自分のレポートに記すことを「引用」といいます。「引用」は著作権法でも認められており,作者(=著作権者)の了解を得ることなしに利用することができます。
 しかし,すべての「表現」には著作権がありますので,他者の著作権を侵害することのないように,下記のような制約があります。

  • 教科書や他の本に書かれていることを引用した部分は,自分なりに要約した部分や,自分の意見を述べた部分と明確に区別しなければいけない。
  • そのため,引用した部分については,「  」でくくる。どこから引用したのかを,著者名 『書名』 出版社名をあげるなどして明示する。
出典明示の方法

 出典は,レポートの末尾に「文献」「引用文献」「引用?参考文献」などという見出しを付けた後,教科書も含めて

1) 社会福祉士養成講座編集委員会編 『障害者に対する支援と障害者自立支援制度』 中央法規出版,2009年 p.112.
2) 同上 p.120.
3) ウェーバー,M.著 尾高邦雄訳『職業としての学問』 岩波文庫,1936年
4) 三浦文夫「報告:1970年代一社会福祉の転換点をめぐる論議」『日本の地域福祉』14巻1号,2000年 p.3-10.

などと表記していくのが一般的です。1)2)といった番号は本文の引用箇所を示していますので,それと対応させてください。文献の表記方法は,書籍と雑誌ではやや異なります〔1) 3)が書籍の例 4)が雑誌の例〕。また,引用箇所が少ない場合などは,レポートの末尾ではなく,引用した直後に( )書きで出典を明示しても結構です。
 ホームページからの引用の場合は,著者名 文書名 アドレス(URL) 365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@した日付を記入するのが,くわしい方法ですが,一般的には下記のとおりで結構です。

日本社会福祉学会のホームページ  機関誌『社会福祉学』執筆要項 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssw/pages/policy2.pdf

 直接引用した箇所がない場合は,番号を付けずに参考にした文献をレポートの末尾に列記します。
 2,000字のレポートでは,数多くの出典をあげる必要はありません。

心理学の出典明示

 心理学では本文中に1),2)と表記するのではなく,(下條,1999)と表記することもあります。下條という著者の1999年に初版が出た文献という意味です。下條伸輔(2008)は……という表記も同じ意味です。
 最後の文献欄の表記も発行年が著者名の後に来るなど,心理学方式では一般的な表記法と少し違います。

下條伸輔 2008 サブリミナル?インパクト ちくま新書, p.55
著者名 発行年 書名 出版社 引用したページ

 お手元の教科書の文献表記方法を確認してみてください。たとえば,「心理学概論」や「心理学研究法I」の教科書は,この方法で表示がされています。書名を『 』で囲んだり,発行年を( )で囲む方式もあります。
 なお,引用文献の並べ方としては,出てきた順のこともありますが,一般には著者名のABC順,または五十音順であげます。通常の通信教育部レポートでは,上記のような1)2)……の方式であげてください。