2023/03/10 医療経営管理学科

【授業紹介】「医療概論」 

医療経営管理学科の特徴的な講義の一つ「医療概論」について紹介します。医療概論は1年生で受講する学科の必修科目で、「医療とは何か」を考えることをテーマにした講義と、医療に関するテーマをチームで話し合い、意見をまとめ、発表するTBLで構成されています。

グループに分かれてTBLに取り組んでいる様子
グループに分かれてTBLに取り組んでいる様子

この授業の特徴

現役医師や研究者から、医療の問題や基礎知識についての講義を聞けます。また、前後期に一回ずつあるTBLでは、班に分かれてテーマについて話し合います。

この授業の進め方

医療概論は、医療に携わる様々な先生の講義を通して、医学?医療の歴史や倫理、医療制度などについて学べる科目で、医療経営管理学科の一年生の必修です。それに加え、いくつかのグループに分かれて、それぞれのテーマについてディスカッションするチーム基盤型学習(通称TBL)を通して、現代医療の問題点や健康について考えます。

この授業の楽しいところ

医療について詳しい先生の話を聞けるので、実際にあった体験談などを聞けます。また、TBLではたくさんの人と話す機会があるので、テーマ以外にもいろいろな話で盛り上がります。

TBLのテーマ「医療事故」について講義する佐藤先生
TBLのテーマ「医療事故」について講義する佐藤先生

この授業の大変なところ

専門的な話が多くなってきます。高校で生物をとっていない人でもできますが、少し難しい部分もあるかもしれません。逆にとっていた人でも、新しく知ることや初めて聞くことも多いと思います。そこが楽しくもあり、難しくもあるところです。

授業の感想

専門分野の人から多くのことを学べます。もちろん高校で習った内容も多くでるため、「こんなこと習ったな」と思い出す時もあります。新しく知ることも多く、特に、実際の状況や体験談を聞くことができるのはとても貴重で面白いです。TBLでいろいろな人の意見や発表を聞けるのも、この講義の特徴です。

受講のアドバイス

基本的に注意すべきことはありません。ただ、受講するうえで話についていけるか不安な人もいると思います。そんな人は、高校の生物を少しだけ復習しておくといいです。ホルモンや細胞の話などは、講義でも取り扱われています。

(文章作成:1年 古川華子さん 2022年現在)

TBLとは

授業で取り上げた「医療事故」12例
授業で取り上げた「医療事故」12例
チーム基盤型学習(team-based learning,TBL)は、1970 年代後半、オクラホマ大学ビジネススクール教員のLarry K. Michaelsen博士が作り出した教育方法です(注)。

TBLでは教員の指導の下で、少人数グループによる学習活動を行います。学習活動では、学習グループに対する責任を一人一人の学習者に持たせ、チームの学習に貢献するよう促します。

TBLでは将来自分が直面するであろう課題を用いて、学習者の学習意欲を喚起します。またすべてのチームが同じ課題に取り組むことで活発な討論が起きることが望ましいとされています。学習活動の最後には各チームで学習した成果を発表します。

チームで学習することにより、学習者個人の学習が深まることと、学習チームが成長することをめざします。

(注)三木洋一郎?瀬尾宏美「新しい医学教育技法『チーム基盤型学習(TBL)』」日本医科大学医学会『日医大医会誌』2011;7(1)

授業担当教員から

「医療概論」担当 佐藤達也准教授

佐藤達也 准教授
医療概論は、医療経営管理学科の学生の必須科目であり、1年生全員が受講します。「医療とは何か」を考えるきっかけとなる授業であり、これを土台として今後の専門的な科目につながっていきます。「医療」は、医学はもとより、科学技術、倫理、思想、歴史、政治経済、法律、社会制度など、幅広い領域が複雑に関わり成り立っています。また、時代とともに変遷していきます。「医療とは何か」という問いに答えることは簡単ではありませんが、受講学生には講義およびTBLをとおして医療について深く考えてほしいと思います。
TBLでは5-6人のチームを編成し、医療に関する問題について話し合います。そして、チームごとに討論内容をまとめて発表してもらいます。TBLをとおして、学科内の様々なメンバーと知り合うこともでき、交流も深まります。

関連ページ