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VOL.22 SEPTEMBER 2004

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[生涯発達心理学ほか] レポートを添削して

教授
木村 進

 私の担当のレポートは,「生涯発達心理学」「障害児の心理」および「心理学研究法I」(の一部)ですが,たぶん「再提出」が多い教員(の1人?)として悪名が知れ渡っていることと思います。再提出の分は再び読まなければならないわけですから,私としても採点を甘くしようかという思いがないわけでもないのですが,通信教育生の勉強に対する熱意に応えるためには,できるだけ中身の濃いレポートにしてもらえるよう指導することが努めだと思っているのだということをご了承ください。

◆1 レポートは学習成果をアピールするもの

 通学生にもレポートを課していますが,通信教育の場合のレポートは,通学生の場合とは異なると思われます。通学生の場合は,講義を受けることの補助的なものとして位置づけられますが,通信教育生の場合は,自分がどれだけ勉強したかをアピールするものという意味があります。つまりレポートを通して「こんなに勉強したぞ(文句あるか)」と私に対して誇示するものなのです。そのアピールが十分に伝われば「合格」ということになります。だから,課題にそってきれいにまとめればいいというものではなく,処々に勉強の跡がわかるような内容であることが望ましいと思われます。

◆2 勉強とは何か?

 どの科目にもテキストがあります。多くの市販のテキストは講義の補助材料として使われるように書かれていますので,テキストを読んだだけではよくわからない点も多いかと思われますが,勉強の第一は,テキストを隅から隅まで読むことだろうと思います。レポート課題に関係のありそうなところだけを読むのではなく,全部です。
 第二は,その中でわからない部分やもっと知りたいと思う部分については,調べるという作業です。参考文献として配布されている書籍はもちろん,必要なら図書館で関連する文献を探すということも必要でしょうし,インターネットで情報を得るということも効果的かもしれません。
 そして第三は,それら理解したことを総動員してレポート課題に取り組むということです。

◆3 レポート課題への取り組み

 すでに書いたことですが,要点だけを再び書いておきます。レポートに取り組む際に最初にしなければならないことは,「テーマ分析」です。これは,その課題が何を求めているか,ということをしっかり理解するということを意味します。どの課題にも「解説」がついており,その中にかなり親切に説明されているはずですから,さほど難しい作業ではないはずです。しかし,この段階でつまずいているものも珍しくはありません。テーマについてしっかり把握できたら,それまでの学習成果を整理して,何を書くかについて検討することが第二段階です。この段階では,細かい具体的な内容までは検討せずに,「見出し」程度の検討の方が良いと思います。そして,第三段階で,教科書やノートを参考にしながら,具体的に何を書くかを考えていきます。
 ここまで来ればあとは書くだけということになりますが,あと2つほど検討しておかなければならないことがあります。その一つは,書く内容の組み立てです。つまり,それぞれの内容をどの順序で書いたらまとまりのよいレポートになるかの検討です。もう一つは,字数に制限があるわけですから,それぞれの内容をどれくらいの字数におさめるかということも考えておかなければなりません。最初の内容に多くをとり過ぎて,後ろの方の内容が不十分になっているレポートも少なくありません。

◆4 上手なレポートの書き方

 基本的には,レポートにもそれぞれ個性があってよいと思いますが,読ませるものという視点から考えると,共通に満たしておくことが望ましい条件がいくつかあります。

(1) いくつかの部分に分けて「小見出し」をつけて書く
 これについては,添削においてかなり多くの人に指導しました。小見出しをつけるということは,第一に読みやすさに効果的ということですが,それ以上に,課題を考える時にポイントをはずさずに考えられること,また,レポート全体としてまとまった印象を形成することというメリットがあります。ぜひ,こういう癖をつけてください。

(2) 引用なのか,自分の考えなのかがわかるような書き方を
 学習成果を示すためには,その課題について,文献ではどのように論じられているかをレポートするというのが基本です。しかし同時に,自分なりのまとめや考えを書く必要も出てきます。読んでみてそれがわかるような書き方が望ましいのです。煩雑でも「テキストでは」とか「(人名)によると」とかの書き方をする必要があります。

(3) 参考文献?引用文献を明記すること
 いうまでもありませんが,どれだけの文献を参考にしてレポートを書いたかということは,学習成果をアピールする上で365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なポイントです。時々忘れている人がいますが,お忘れなく。

(4) できたら「まとめ」をつけ加えること
 字数の関係もありますから,どうしても必要というほどのことではないのですが,書ける余地があれば,学習した結果としての「まとめ」を最後につけ加えるとレポートがしまります。

(5) 「です?ます」調ではなく,「である」調で書くこと

(6) 段落では最初の一文字を空けること

なども基本です。

◆5 個性的なレポートを

 課題が決まっているのですから,ここでいう個性とは内容のことではありません。レポートに対する取り組みの個性です。文章を書くのが得意な人もいれば不得意な人もいるはずですが,不得意な人が推敲を重ねればよいレポートになる可能性があります。そういう意味で,自分なりのやり方で自分のペースで仕上げたのが個性的なレポートであり,それがその人の学習スタイルであるということになります。もしかしたら,何度も再提出というのも,その人の個性なのかもしれませんね。

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