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VOL.35 MAY 2006

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[介護保険制度] 介護保険制度の改正について

医療法人社団 東北福祉会 せんだんの丘 事務長
大森 俊也

 介護保険制度は,平成12年4月から開始され,3年ごと2度目の報酬改定は,5年ごとの制度改正を具体化するものとして実施されています。
 今回の改正骨子は,制度上からみるとその全体像を大きく5つの項目にまとめることができます。アウトラインをご紹介します。

◆予防重視型システムへの転換

 従来の要支援,要介護1から要介護5までの認定区分が「要支援1,2」と「要介護」というように再構成(図1)された背景には,今後を見通した介護保険受給者の増加と密接な関係があります(図2)。「総合的な介護予防システム」の構築,つまり「予防給付」の体系を充実することが「給付予防」にもつながるものとして,「自立」をキーワードに「サービス内容の充実(転換)」を求めています。もちろん要介護状態の軽減,悪化防止を前提とするということでは,これまでと変わるところではありません。しかしながら,これまでのケアマネジメントは,ケアをパッケージ化する給付管理に傾向した反省も含まれており,新予防給付の介護予防マネジメントは「地域包括支援センター」が中核となって進められることになりました。

図1 予防給付と介護給付
図1 予防給付と介護給付

図2 介護保険受給額の伸び
図2 介護保険受給額の伸び

図3 予防重視型システムへの転換
図3 予防重視型システムへの転換

◆施設給付の見直し

 施設給付の見直しは,すでに平成17年10月に前倒しして実施されていますが,施設入所者の利用者負担が在宅サービス利用者と比べ経済的に有利な状況(年金と介護給付の二重給付)にあり,公平性の観点から施設給付の居住費用?食費に対しての見直しが行われ,(1)介護保険3施設(ショートステイ,通所系サービス等の食費加算単位を含む)の居住費?食費を保険給付の対象外とする自己負担化によって均衡を保つよう方向付けられました。もう一方では,(2)居住費?食費は,年金等の受給?所得格差があることから,低所得者の施設利用が困難にならないよう負担軽減を図る特定介護サービス費(補足給付)の導入により,施設給付の構造が変更されました。
 また,施設への介護給付は,平成17年10月以降,基本食事サービス費の設定にかかる収入減少,つづく平成18年4月には,基本サービス費の減額改定への反対給付が用意され,提供されるケアサービスの質が問われる実施加算への給付見なおしがされたところです。

◆新たなサービス体系の確立

 「在宅か施設か」という選択肢だけではなく,身近な地域で,地域の特性に応じた多様で柔軟なサービス提供が受けられるよう,「地域密着型サービス」が創設されました。施設ケアでは,すでにグループケアが利用者にとって有効であるとして,ユニットケアタイプに転換されてきていますが,「身近な地域」で利用者のニーズにフィットした新たな介護サービスが提供されることは,とても365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@なことです。介護度が重くなっても居宅や「小規模多機能型」のケア付き居住施設などにおいて生活ができるよう間隙(かんげき)のないサービス提供を意味しており,現在のような施設利用システムにより転々としないケアが実現されるよう,「地域密着型サービス」の果たす今後の役割を注目されており,見守っていく必要がありそうです。
 また,地域包括支援センターの創設の概要は,上述の通りですが,同センターの機能は,地域における(1)総合的な相談窓口機能,(2)介護予防マネジメント,(3)包括的?継続的マネジメントの支援を担うことになっています(図4)。

図4 介護保険改正後のサービス
図4 介護保険改正後のサービス

◆サービスの質の確保?向上

 サービスの質の向上を図るための事業者としての情報開示の徹底や事業者規制の強化,見直しが行われます。例えば,介護保険サービスに関し不正または著しく不適当な行為をした事業者は,処分5年以内に事業者の再指定申請を認めないことや事業者の指定に更新制(6年ごと)を採り入れ,(1)業務改善勧告 (2)業務改善命令 (3)指定の停止命令 (4)当該処分の公表など欠格事由の根拠を明確にすることによって都道府県知事(地域密着サービスでは市区町村長)に,指定と取消ができることとなり権限が強化されました。
 また,介護支援専門員についてもの資格の5年更新制と同時に更新時研修が義務化されました。昨今よく問題となる,名義貸し等不正行為に対する対策の強化として全国統一の介護支援専門員の個別登録制などの導入が始まっています。

◆負担のあり方 制度運営の見直し

 年金収入が概ね基礎年金以下などの低所得者対策として,第1号被保険者の保険料の見直しや保険料収入の漏れをなくする必要性から,(1)年金から天引きされる特別徴収の対象となる年金を遺族年金,障害年金にも拡大し,(2)普通徴収における生活保護からの代理納付や収納の私人委託(コンビニ委託等)も実施されることになりました。保険料負担は,応能負担ですが公平に徴収されることは当然のことです。
 要介護認定の見直しとしては,(1)申請代行の見直し(利用者の利便性にも配慮しつつサービス事業者等の在り方を見直す),(2)認定調査の見直し(公平?公正の観点から,新規認定については市町村実施の原則の徹底)が実施され,適正な判断の下に費用財源が使われるよう,介護サービスの適正化?効率化が今回の改正において実施されています。

 次回は,「せんだんの丘」での人員配置と加算内容について,また,4月実施の実績について考察をしたいと考えています。

●引用文献
1)厚生労働省ホームページ 「介護保険制度改革の概要(パンフレット)?介護保険法改正と介護報酬改定」
 http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/0603/index.html
2)厚生労働省ホームページ「介護保険法等の一部を改正する法律案(概要)」
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/s0921-11n.html
(図表はすべて1)から転載しました)

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