(研究紹介)教育の質の向上?特別支援教育

これからの福祉社会を支え、変転する社会情勢に柔軟に対応できる人材を育成するために、本学の教育の質を高めるための新しい教育方法や技術の開発を行います。
また、特別な支援を必要とする児童生徒への配慮やインクルーシブ教育の構築に関する研究などを推進します。

1. コロナ禍の大学教育のあり方、ハイブリッド型教育、ヴァーチャル教室による学生支援や実習などの効果測定研究

リモート講義におけるバーチャル教室の有効性の研究

2020年3月からの2年間、多くの教育機関が365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@感染症感染拡大対策をしながらどのようにして学生に学習機会を提供するかという困難な課題に直面しました。この課題に対して多くの教育機関はリモート講義を余儀なくされ、東北福祉大学(以下、「本学」)においても社会状況や履修状況を考慮し、対面講義だけでなくリモート講義(動画オンデマンド型、資料提示型、双方向通信による同時双方向型)を実施してきました。

リモート講義については、本学にて実施した経験と評価、および、他の教育機関において実施されたリモート講義の評価を通して、教員と学生双方にとってのメリットとデメリットが浮き彫りとなってきました1)3)。そのメリットとして学生の立場からは、動画オンデマンド型の講義は都合の良い時間に視聴できること、繰り返しの視聴により復習ができる点があげられます。また、同時双方向型の講義は、規則正しく決まった時間に受講できるため生活リズムが整えやすいことがわかってきました。加えて、リモート講義に共通するメリットとして移動時間の短縮や移動による疲労、交通費が削減できる点があります4)。しかし、リモート講義では、学生がそれぞれの場所において、個々の受講となるため友人関係を作る機会を得られず、それによって、講義課題に取り組む際の情報交換ができない、講義への出席意欲の低下などのデメリットがあることも明らかになってきました4)。特に友人数は大学からの離脱意向の有無と関係があることが示唆されており、そのような孤立した状態による大学への不安感は学生の心身の健康状態に影響を与えると考えられます。そのため、今後も様々な理由でリモート講義となる可能性や学生ニーズを考慮すると、インターネット上において友人や仲間集団が醸成可能な方法を見出すことは、学生の健康状態の維持や中退率を下げる観点から365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@です。

このインターネット上の交流については、国際会議や懇親会などにおいて参加者のアバターが会場を行き来し、お互いに討論することが可能であるバーチャル会議が取り入れられるなど、インターネット上での新たなサービスが登場しています5)。そして、インターネット上の仮想現実空間(バーチャルリアリティ)を活用して行える交流やその空間などはメタバースと呼ばれ、仮想店舗にて買い物ができるようになるなど注目を集めており、今後さらなる発展が見込まれる分野となっています。

そこで、我々はリモート講義のデメリットの一つである、受講する際の孤独感によって講義への出席意欲が低下する点に焦点をあて、その解決策としてバーチャルリアリティを利用した仮想教室の活用に着目しました。本研究では、実際にバーチャル教室を用いた模擬講義を実施し、その有効性と課題の明確化および検討を行うことを目的とします。また、本学学生の仲間意識を醸成するには、本学の国見キャンパスを対象とした現実に近いオリジナルのバーチャル教室などの仮想環境が影響するのかについても検証を行います。

本研究の成果は、従来のリモート講義のデメリットを解消し、授業満足度の向上を可能とするものであり、本学のみでなく、全国のリモート講義を行う教育機関に対して波及効果があると考えられます。また、本研究は感染症予防のためのみでなく、怪我や病気などの事情で登校が困難な場合や交通手段の都合で遠方からの出席が困難な学生に対しても新たな講義手法の提案であり、より質の高い教育の提供可能とするものです。これによって、本学が取り組むリカレント教育や通信教育等への波及効果が見込めます。加えて、バーチャルリアリティ技術はこれからの大きな発展が予想され、今後は、従来から用いられていたゲーム業界のみでなく、医学、製造、サービス、教育など多様な分野で用いられると推察されるバーチャルリアリティ技術を中心とする本研究は、本学が推進するデジタルトランスフォーメーションへも寄与できると考えられます。

2. 特別な支援を必要とする児童生徒への自立支援?新たな教育方法の開発

特別な支援を必要とする児童生徒への自立支援?新たな教育方法の開発を行っています。 


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