【現場から現場へ】
[関連施設紹介]
医療法人社団 東北福祉会 せんだんの丘
せんだんの丘 事務長代行
大森 俊也
超高齢社会においてすべての国民がより豊かに暮らすためには,予防福祉の実践が必要です。予防福祉は,東北福祉大学を中心とする関連法人によってさまざまな活動を展開しているところですが,既刊でご紹介済みの国見ケ丘第2キャンパスの社会福祉法人東北福祉会とともに,国見ケ丘第1キャンパスでは,医療法人社団東北福祉会が福祉医療を実践する「せんだんの丘」を事業経営しています。ますます365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@となってくる予防福祉のもとに地域社会に貢献する介護予防を実践しています。
今回からは,医療法人社団東北福祉会が経営する介護老人保健施設「せんだんの丘」についてご紹介します。
◆事業について
せんだんの丘は,2000年4月(介護保険制度施行と同時)に開設されました。せんだんの丘の事業は,介護老人保健施設を母体として入所事業,短期入所事業(空床利用型),通所リハビリテーションの事業,せんだんの丘居宅介護支援事業所,せんだんの丘訪問看護ステーション,せんだんの丘福祉用具貸与事業所(本年5月事業開始)を経営し,利用者の「生活」を基調としたリハビリテーション,看護,介護,食事,口腔ケア,事務の全部門連携のもとに地域で生活する要支援?要介護の方々への生活に重点をおいた生活リハビリテーションを実践しています。
◆施設概要と特徴
施設の構造は,傾斜地を利用した3階建てで1フロアーに2ユニット,2階に正面玄関と事務部門があり,2階の1ユニットが通所リハビリテーションになっています。施設の特徴は,老健のユニット型施設として先駆けの役割を担い各方面から注目を集めているところです。入所の5ユニットの構成は,間近な在宅復帰16名,重介護?医療の高依存17名×2,痴呆25名×2のご利用計100名定員となっています。老健の中では先行してユニット方式を採ってきていますが,まだ完成したユニット運営に至ったという認識には立っていません。施設のハードをユニット化すればさまざまな課題が解決するということではなく,利用者の個別性が確保され,「自立への取り組みを追究し実践していくか」をテーマとして全員が努力しているところです。4年を経過した現在も職員が創意工夫しながら日々取り組んでいるところです。
◆職員構成
職員の構成は,医師1名,作業療法士12名,看護師12名,介護職45名,事務職4名,管理栄養士1名,歯科衛生士1名,調理と清掃の一部は,委託業者が担っています(ケアマネジャーは,施設2名,居宅2名)。せんだんの丘では,職種間の連携を涵養する取り組みとして実施されてきた委員会制が積極的に機能し,各事業は,個別単体ではなく有機的に運営されています。
◆せんだんの丘の役割
せんだんの丘には,大きく3つの役割があります。1つめは,冒頭に述べた東北福祉大学を核とした研究?実践事業との連携,地域への展開であり,2つめは,老健としての本来の意義である介護予防の視点からリハビリテーションを居宅で生活されている方々へどのように的確に届けていくことです。3つめは,(ご利用の皆様に事前に了解をいただき,)実習教育の場として,人財育成に取り組んでいくことです。
実習について若干詳述すると,東北福祉大学の実学教育の学生は,自分で予定をたててユニットに入っていますし,教員養成課程,介護福祉士,ヘルパー資格取得実習,また,看護師,作業療法士,歯科衛生士等の各種実習を受け入れ,隣接の高齢者痴呆介護研究?研修仙台センター(「せんだんの里」)で実施される施設実習についても年3回の受け入れをしています。
どの実習受け入れについても職員が初心を省みる機会であると同時に「気付く力と改善する力」を与えていただいています。「教育とは,教え育むことだけでなく教え育てられていくこと」として職員自らが実感し大切にしています。
介護予防,ひいては予防福祉に根ざした人財が地域に育つような実習となるように努力しているところです。実習の数が多くなってきたことから,経験のある支援相談員がその役割を担うように内部の機構改革も進めてきたところです。
次回からは,上述の内容を踏まえ,せんだんの丘の取り組み内容をご紹介いたします。