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VOL.18 APRIL 2004

【巻頭のことば】

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【夏期スクーリングIのご案内】

【通信制大学院コーナー】

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【資格?免許状取得のために】

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【ひろば】

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【通信制大学院コーナー】

平成15年度通信制大学院修了者からのメッセージ

充実した2年間

社会福祉学専攻 鏡 洋志

 大学院を終了して,今,充実感とこれからもっと社会福祉について研究を進めていこうという意欲が生まれてきている。
 私は東北福祉大学の出身である。現在,社会福祉協議会という仕事をとおして福祉の現場に携わっており,大学時代に学んだ学習や実践,経験が現在の職種に役立つことが多くあった。しかし,昨今の社会福祉の大きな変動等で,当時大学で得た知識に限界を感じたり,無力感を覚えたりすることも多かった。そんな時期,通信制の大学院に入学して,勉強できる体制が整備されたことは私にとっても大きな収穫であった。だが,スクーリングでの授業レベルの高さや,期限つきのレポート,修士論文の執筆準備や調査など,2年間という限られたなかでの不安も多く,うまくいかないときなど自分へのいら立ちや,もどかしさを感じるときも数多くあった。反面,大学院に席を置いていることでの自信と,自分自身との戦いという点で,マイペースに課題をこなすことができた。
 在学中の2年間を振り返ると充実した時間であった。入学式前に生まれた息子も今は2歳。元気に走りまわったり,片言の言葉も言えるようになり,2年間の成長さえもうかがえる。その息子の成長以上に私自身も社会福祉に対しての知識が一層豊富になった気がする。2年間の学習の跡を物語るものといえば,数多くの課題レポートと70数枚(1枚1600字)にも及ぶ修士論文である。いずれも私自身にとって大学院時代の宝物であり,これから大切にしていきたい。
 とくに大学院生活で,印象的だったのは,多くの人との出会いである。修士論文の研究調査のため,県内外に行き,現地の方から状況の聞き取りやアンケート調査などを実施した。初めて行く土地ではあったが調査に快く協力していただき,そのたびに人の輪が広がり,各地の情報を電話等で教えていただくことも可能になった。修士論文のための調査は,ある目的を持って各地を訪問するわけであるが,職業人としてのみならず,大学院に席を置く学生という身分で,学生に戻ったような気持ちにもなった。そして,「自分自身の学習のため」ということなのに,多くの人からの応援と協力をいただき,そのことが幅広い人脈にもつながっていった。それに,指導していただいた先生方,互いに励ましあった学友,地域の人たち,たくさんの人との出会いが,自分自身を社会福祉の専門家として大きく成長させることになったような気がする。
 修士論文のタイトルは,「小地域社会における住民自治組織の主体形成と福祉的機能の変革過程に関する研究」である。調査を中心に分析し,執筆していったわけだが,私にとって社会福祉の仕事で課題となっている部分が多くの調査をしたことで明確になっていった。とくに,最近の福祉関係の専門書は,現場に携わっている人(職員や実践者)向けに書かれているものが多いが,現地での調査に基づいて書かれた論文は地域住民向けであるといえる。私も地域住民の力で,問題の発見や課題分析,問題解決というプロセスを表にまとめることができたことは,まさに住民主体の論文になったといえる。
 2年間で修了することができたが,つぎのことが卒業することにつながったような気がする。
 (1) 少しの時間でもよいが,毎日継続して勉強をすること(1日休めば取り返すのに3日がかかる)。
 (2) まじめに取り組むこと(自分自身のためにまじめにコツコツと)。
 (3) 計画を立て自分の目標を持つこと(2年間で終了できるような計画を立てる)。
以上である。社会人として,仕事や人とのつきあいも多かったが,削るのは睡眠時間。2年間本気で取り組み,私生活のリズムを崩さずに,勉強できる時間をつくることが2年後には実を結ぶ。
 学位記授与式での晴れ晴れとした気持ちと,「修士」という学位の重さに比例するほどの充実した2年間であった。

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